異世界タクシー(個人)始めました

Tkata

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酒場

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 大勢の言葉が謡い、店員がテーブルの間を踊るように歩き、料理や酒はこの酒場という舞台に色を添える。まるで劇場のような光景だ、と片山が感動すら覚えていると2人が座るテーブルに酒が運ばれてきた。
 木製のジョッキに注がれたそれは白ワインの様な色をしている。一口飲んでみたが味もほぼ白ワインそのものでアルコール度数は慣れ親しんでいるものよりかは低く思われた。その分口当たりは悪くない。
 どうやらこの酒場に置いている酒はこの一種類のみで「酒!」と注文するとこれがくる。
 アリファは一息に酒を飲み干すと
「ふはあぁぁぁ」
 とため息ような言葉を漏らした。
「片山さん、飲んで。ここは奢るわよ」
 彼女の飲みっぷりに目を奪われていた片山はそう話しかけられ、我に返る。
「あぁ、いただくよ。」
 いつの間にか敬語も面倒くさくなってタメ口で話すようになっていた。
「そうそう。ちょっと聞きたかったんだけど…」
 アリファは追加の酒を頼もうと手を挙げて店員を呼びながら片山に尋ねた。
「片山さんはなんでこういう…なんて言えばいいのかしら、竜車乗りになったの?あちらの世界とこちらの世界を結ぶ異世界タクシーとでもいうのかしら。」
 店員が来てアリファが追加の注文をする。酒以外にも何やら聞き慣れない料理をいくつか頼むと店員はひらりと店の奥に戻っていった。
「んー言うても信じてくれるかどうか分からへんけど…不思議な現象のせいというか…なんというか」
 片山がポツリと言うと
「今日の出来事くらい?」
 アリファはおどけたように微笑む。
「ほんまやな、今日のようなことが現実に起きてるんやから大概の事は不思議でもなんでもないか」
「そうよ」
 と2人で顔を見合わせるとおかしくなってきた。
 確かに今日起きた事に比べると世の中の大抵の事は起こるべくして起こった「普通」の事、として昇華することが出来る。並大抵のことではもう驚かないし起きても「そんなもんやな」で終わらせてしまえる。
 片山はぐいっと酒をあおると酔いも手伝い気分が良くなってきた。
「ほな、聞いてもらおうかな。異世界タクシーを始めるきっかけを。あれは3年前の大きな事故をしたのが
 始まりなんや。」






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