異世界タクシー(個人)始めました

Tkata

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頭領ガリ

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「で~そのガリさんが一体何の御用で…」
 片山は先程とは違ってちょっとへりくだった態度で恐る恐る尋ねる。
 店員が酒を2杯テーブルにドンと置く。
『この店員もこの人がダルフォイの頭領やと知ったら態度変わるんやろな~』と片山は店員をチラっと見ながら思った。

 アリファから先程聞いたばかりの話だがダルフォイはこの竜車駅を含めここら一帯を支配している都市国家らしい。アリファの故郷であるアエーリアはダルフォイの支配下には無いが国家の規模はダルフォイの方がかなり大きいということだ。
 その頭領ともなればかなりの実力者なのだろう。

 ガリは小さく「乾杯」というと酒をぐっとあおった。
「悪くない味だ。」
 と一言いうと続けて
「貴方達が今日、ここに来ることは事前に分かっていた。」
 と預言者めいた事を言うではないか。
「なぜ知っているのか、っていう顔をしているね。ついでに言うと貴方達の名前も知っている。アリファさんと片山さんだね?」
 アリファと片山は顔を見合わせた。
「まだ驚かそうか?片山さんは異世界から来た、アリファさんを乗せて。」
 酒をあおりながらガリは次々と驚くべき言葉を紡いでいく。
「驚くのも無理はない。見知らぬ男から自分たちのことを知っていると告げられるとそうなる。
 片山さん、貴方の竜車を見せてくれないか?貴方の世界の言葉で言うと自動車かな。」
『なぜその言葉を…』と片山は呆気に取られたが同時に『クルマ見せて大丈夫か?取られたりせえへんか?』と疑いの気持ちも出てきた。相手は実力者だ、権力に物を言わせて接収でもされれば厄介なことになる。元の世界に帰れなくなるかもしれない。
 片山が迷っていると
「心配せずともよい。自動車をくれとは言わん。そんなつもりは毛頭ない。ちょっと確認したいだけだ。差し押さえるつもりならとっくの昔にやってる。」
 とガリはニヤリとしながら片山の心を見透かしたかのように言い放った。
「片山さん…どうする?」
 アリファが心配そうにこそっと片山につぶやく。
「うーん…」
 片山は腕組みをしながら少し考えたが『悪い人ではなさそうだし何しろ我々の正体もお見通しのようだ。拒否してややこしいことになっても嫌だし』と思い、
「ええでしょ、宿の裏に停めてるんでどうぞ。」
 と思い切って言った。
 ガリは満足そうに頷き立ち上がるとマントの女性に支払いを済ませておくよう指示した。

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