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第一章 爆速出世街道!蛮族を屠り、陰謀を砕き、巨人の王に認められるまで
第3話 王都からの使者。ただの怪力娘が、世界に見出される瞬間
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騎士カミーユは北方辺境のクリン村を治める領主である。
十を数える前には戦場に出て、蛮族の首を持ち帰る。早熟の戦士であった。
それから数年、日々、神に祈りを捧げ、蛮族を討伐する日々を過ごし、実績を積み重ねた。
先ごろ、カミーユが蛮族の族長を討ち取ったことで、彼らの反乱もほとんど起きなくなっていた。
カミーユの体には隔世遺伝で現れた竜の血が流れている。
その血から汲み上げた魔力によって、驚異的な筋力や、刃も通さぬ皮膚、人知を超えた五感、熱と火を扱う力。
それと、その力を他者に分け与えることで、傷を癒すこともできた。
そんなカミーユのもと、クリン村に、使いの者が現れたのは、カミーユが十六才の誕生日を迎えた、雪が溶け始める春先のことだった。
カミーユの小さな館の前には、立派な馬と、典雅な礼服を着た使者が立っている。
騎士カミーユの従者の少女、フローラが応対する。
フローラは、自らの茶色の癖毛を撫でつけながら、扉を開けた。
「あの、どちら様でしょうか」
目の前の見事な装飾の服を見て、フローラは恐る恐る尋ねる。
「偉大なる王、ゲオルグ・アレクセイ・プラソール陛下の御心を伝える者である。騎士カミーユはおられるか」
慇懃な使者の言葉が周囲に響いた。
「はい。います。おります。い、今呼びますので、どうぞこちらへ」
フローラは慌てて使者を応接室に招き入れ、暖炉の火が消えていないことを確認すると、主人であるカミーユを呼びに、裏庭へ走った。
ビュウ、ビュウと、風を切る音がフローラの耳に聞こえる。
カミーユがすぐそばに居ることを感じたフローラは、胸をなでおろし、裏庭に出る。
主人、騎士カミーユは庭で日課の素振りを行っていた。
手に握るのは鉄塊のような鍛錬用の大剣。
以前、フローラが庭にあるその鉄塊を持ち上げようとしたとき、それはびくともしなかった。
「何用ですフローラ。少し落ち着きなさい」
カミーユは、右手に持つ鉄塊を地面に置く。
ズシンと、地面が揺れ、庭木の残雪が枝からドサリと落ちた。
「こ、国王様の御使者が、カミーユ様を尋ねていらっしゃっています」
カミーユは掛けていた手ぬぐいで汗を拭き、思いを巡らせる。
はて、国王陛下が辺境の騎士に何のようであろうかと。
フローラは、何度見ても見飽きない、立派な主人の姿に見とれていた。
それに比べ、カミーユと同い年である、自身の姿を顧みて、気落ちしてしまう。
「分かりました。私は着替えて向かいます。フローラ、あなたはお茶をお出ししなさい」
「はい、かしこまりました」
主人の言葉を聞き、フローラは駆け出した。
カミーユは庭先に置く、水を溜めていた桶を頭から被り、汗を流した。
ややあって、カミーユは男装の礼服に着替え、使者の待つ応接室へ入り、立礼をする。
「おまたせして、大変申し訳ない。私がカミーユです」
使者も立ち上がり、手に持った巻物を広げる。
「騎士カミーユに偉大なる国王陛下のお言葉を告げる」
カミーユは片膝をつき、頭を垂れた。
「過日の騎士カミーユの戦働き、誠に見事である。その武勇をもって、褒賞を与える。直ちに王宮へ出仕すること」
使者は胸を張り、カミーユを見下ろす。
「もったいなき御言葉、深く感謝いたします」
カミーユは頭を垂れたまま応えた。
「お言葉は以上である。直ちに準備し、出立されるがよかろう」
使者はそう告げると、自身もまた、すぐに部屋を出て、馬に乗り、館を離れた。
「カミーユ様。王都へゆかれるのですか」
フローラは落ち着かない様子で、主人に尋ねる。
「ええ、王都モスカウへ向かいます。私が留守の間はヘブナーに任せます。ヘブナーをここへ」
カミーユは、自身の副官を呼ぶように、フローラに命じた。
「それと、フローラ、あなたは私に付いてきなさい。すぐに準備を」
フローラは、主人の言葉に驚く。
「私を王都にですか。私は未だ礼法も身につかぬ。未熟者でございます」
そんな従者を見つめ、カミーユはあらためて命じる。
「従者フローラ。王都への旅路において、あなたに私の側仕えを命じます。この経験でより多くを学び、成長しなさい」
フローラは膝を立てて頭を垂れ、主人の命を受け入れる。
「はい。必ずやお勤めを果たしてみせます」
フローラは緊張した様子で答えた。
しかし、その内心は、主人に付いて行けると思い、幸せであった。
こうして、騎士カミーユと従者フローラは、王都モスカウに向かう事となった。
そこに恐ろしい陰謀が渦巻くことを、まだ二人は知らなかった。
十を数える前には戦場に出て、蛮族の首を持ち帰る。早熟の戦士であった。
それから数年、日々、神に祈りを捧げ、蛮族を討伐する日々を過ごし、実績を積み重ねた。
先ごろ、カミーユが蛮族の族長を討ち取ったことで、彼らの反乱もほとんど起きなくなっていた。
カミーユの体には隔世遺伝で現れた竜の血が流れている。
その血から汲み上げた魔力によって、驚異的な筋力や、刃も通さぬ皮膚、人知を超えた五感、熱と火を扱う力。
それと、その力を他者に分け与えることで、傷を癒すこともできた。
そんなカミーユのもと、クリン村に、使いの者が現れたのは、カミーユが十六才の誕生日を迎えた、雪が溶け始める春先のことだった。
カミーユの小さな館の前には、立派な馬と、典雅な礼服を着た使者が立っている。
騎士カミーユの従者の少女、フローラが応対する。
フローラは、自らの茶色の癖毛を撫でつけながら、扉を開けた。
「あの、どちら様でしょうか」
目の前の見事な装飾の服を見て、フローラは恐る恐る尋ねる。
「偉大なる王、ゲオルグ・アレクセイ・プラソール陛下の御心を伝える者である。騎士カミーユはおられるか」
慇懃な使者の言葉が周囲に響いた。
「はい。います。おります。い、今呼びますので、どうぞこちらへ」
フローラは慌てて使者を応接室に招き入れ、暖炉の火が消えていないことを確認すると、主人であるカミーユを呼びに、裏庭へ走った。
ビュウ、ビュウと、風を切る音がフローラの耳に聞こえる。
カミーユがすぐそばに居ることを感じたフローラは、胸をなでおろし、裏庭に出る。
主人、騎士カミーユは庭で日課の素振りを行っていた。
手に握るのは鉄塊のような鍛錬用の大剣。
以前、フローラが庭にあるその鉄塊を持ち上げようとしたとき、それはびくともしなかった。
「何用ですフローラ。少し落ち着きなさい」
カミーユは、右手に持つ鉄塊を地面に置く。
ズシンと、地面が揺れ、庭木の残雪が枝からドサリと落ちた。
「こ、国王様の御使者が、カミーユ様を尋ねていらっしゃっています」
カミーユは掛けていた手ぬぐいで汗を拭き、思いを巡らせる。
はて、国王陛下が辺境の騎士に何のようであろうかと。
フローラは、何度見ても見飽きない、立派な主人の姿に見とれていた。
それに比べ、カミーユと同い年である、自身の姿を顧みて、気落ちしてしまう。
「分かりました。私は着替えて向かいます。フローラ、あなたはお茶をお出ししなさい」
「はい、かしこまりました」
主人の言葉を聞き、フローラは駆け出した。
カミーユは庭先に置く、水を溜めていた桶を頭から被り、汗を流した。
ややあって、カミーユは男装の礼服に着替え、使者の待つ応接室へ入り、立礼をする。
「おまたせして、大変申し訳ない。私がカミーユです」
使者も立ち上がり、手に持った巻物を広げる。
「騎士カミーユに偉大なる国王陛下のお言葉を告げる」
カミーユは片膝をつき、頭を垂れた。
「過日の騎士カミーユの戦働き、誠に見事である。その武勇をもって、褒賞を与える。直ちに王宮へ出仕すること」
使者は胸を張り、カミーユを見下ろす。
「もったいなき御言葉、深く感謝いたします」
カミーユは頭を垂れたまま応えた。
「お言葉は以上である。直ちに準備し、出立されるがよかろう」
使者はそう告げると、自身もまた、すぐに部屋を出て、馬に乗り、館を離れた。
「カミーユ様。王都へゆかれるのですか」
フローラは落ち着かない様子で、主人に尋ねる。
「ええ、王都モスカウへ向かいます。私が留守の間はヘブナーに任せます。ヘブナーをここへ」
カミーユは、自身の副官を呼ぶように、フローラに命じた。
「それと、フローラ、あなたは私に付いてきなさい。すぐに準備を」
フローラは、主人の言葉に驚く。
「私を王都にですか。私は未だ礼法も身につかぬ。未熟者でございます」
そんな従者を見つめ、カミーユはあらためて命じる。
「従者フローラ。王都への旅路において、あなたに私の側仕えを命じます。この経験でより多くを学び、成長しなさい」
フローラは膝を立てて頭を垂れ、主人の命を受け入れる。
「はい。必ずやお勤めを果たしてみせます」
フローラは緊張した様子で答えた。
しかし、その内心は、主人に付いて行けると思い、幸せであった。
こうして、騎士カミーユと従者フローラは、王都モスカウに向かう事となった。
そこに恐ろしい陰謀が渦巻くことを、まだ二人は知らなかった。
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