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魔界編:第10章
我慢できない
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僕が声に出した質問の意図を汲みかねて、ユキが不思議そうな顔をした。
「なんで菖寿……?」
思わず自分の口元を手で覆った、声に出してしまったのだから今更遅いのだけど。
ユキのはじめての相手が菖寿丸だったらどうしよう。でも赤の他人より、自分の前世が相手だったのなら……なんて、そう考えれば幾分か気が晴れる気が……。
しない! イヤだ! 絶対にイヤだ!
自分でも、なんでそんなにイヤだと思うのか、明確には分からないけど……対抗意識? 絶対的な敗北を感じるから? 自分でも子供っぽい感情だとは思うけど、菖寿丸にはやっぱり負けたくない。
「ユキの……その、初めての相手って……」
「はっ!? 違う! 菖寿じゃない!!!」
否定するのと同時に、ユキの犬耳がピンッと立って目が見開かれる様子が可愛くて、否定してくれたのが嬉しくてあからさまにホッとした。
「じゃあ、菖寿丸とはエッチな事はしなかったの?」
「……」
ユキが沈黙したまま、僕と合わせていた視線を少し外した……。
「したんだ」
「いやぁ……どうだったかな、千年以上前の話だから覚えてないな」
耳を伏せ気味に目線を逸らすなんて、明らかにユキが都合が悪い時の仕草じゃないか!
正直面白くはない、けど自分から聞いておいて、その結果に文句を言うのはあまりにも子供っぽすぎる。
さすがに呆れられてしまいそうで、モヤモヤする気持ちを押さえ込んだ。
せめて今目の前にいるユキを独占したくて、横に寝転ぶユキの体にくっついた。
ユキはそのまま僕を抱きしめてくれるから、僕からも腕を回して思いっきりギュッと抱きしめる。
今こうやって触れられるのも、体温を感じるのも、心臓の鼓動を聞けるのも、僕だけだ。
それでいいじゃないか、今ユキの目の前にいるのは僕なんだから、それ以上の幸福なんてない。
「ユキ……大好きだよ」
「俺も、真里が大好きだ」
包み込まれる様に抱きしめられて、幸せを噛みしめて胸が熱くなる。
「ユキ……あの……さ、僕の初めてをユキが貰ってくれる時はさ」
「お、おぅ……」
この話をすると、ユキも緊張するというか、体が少し強張るところが可愛い。
「絶対、幸せな気持ちにさせるから……すっごく、すっごく気持ちを込めるから……!」
「――っ!」
相手への愛情が深いほど、その行為で受け止めた魔力の快感は強くなる。僕が毎日ユキに愛されてるのと同じくらい、それより多いくらいの気持ちで、ユキを愛したい。
「あの、覚悟しててね?」
「あー……うん、そうだな」
そっけない声で返事をされて、僕としては愛しい気持ちを込めて伝えた言葉だから、薄い反応に少し寂しい気がした。
恐る恐るユキの胸の中から顔を上げると、そこには顔を真っ赤にして、照れて仕方ないようなユキの顔が……。
「俺も、真里に愛されてみたいよ」
僕が不満そうにしたのを察してか、ユキは口元を隠しながら、目線を逸らして、すごく小さな声でそんな事を言うから! そんなのムラッとしないわけがなかった。
ユキを抱いてみたい……この愛しい人を腕の中で可愛くして、愛して、乱れさせたい……! 僕の魔力を注いで、どれだけ僕が君を愛しているのか、感じてほしい。
もう我慢なんかしない! 待つけど我慢はしない!
「ユキッ……!」
思わずユキに覆いかぶさって、上からキスをしようとしたら、口元を手で押さえられて……ストップをかけられてしまった。いつもと逆だ!
「待て……今はまだ!」
「分かってる、でも今ユキとすごくシたいから……ユキの事愛したいんだ、だから、僕が上に……乗るから……」
言いながら、だんだん恥ずかしくなってきて、声は尻すぼみになっていった。
でもしっかり聞き取って、僕の意図を察してくれたユキは、キラキラと目を輝かせるように僕の腰を掴んだ。
「真里から俺の上に乗ってくれるなんて……最高だな」
腰を引き寄せられて、ユキの腰の上にお尻を下ろすと、ユキのそこは既に熱を持ち始めていた。
「えっ……もう!?」
「今日はいっぱいしていいんだな? もっと俺に欲情して……キスしてくれるんだろう?」
可愛くキス待ち顔をされて、もうたまらない……! 抱きたいのか、抱かれたいのか、そんなのどっちでも構わない。ユキを愛したい……!
上からユキにキスして、閉じたユキの唇を開いて、舌を差し入れる。チュッと吸われて、ユキの口の中で愛撫されて、思わず腰が揺らいだ。
僕の腰を掴んでいたユキの手が下りてきて、僕の割れ目の奥へと指を進ませる。
「あっ……!」
「もっとキスして、真里……愛してくれるんだろう」
期待に満ちた顔で僕を見上げる顔に、愛しさが募る。この唇も、食べたいほどに愛おしい。
「う、ん……ふぅっ……!」
キスをしながら中に指を入れられたら、思わず声が漏れる。
自分でも不器用だと思いながら、必死にユキの唇に貪りつくと、嬉しそうにユキは応えてくれた。
そのあとは僕が動こうと思っていたのに、結局散々下から突き上げられて、上に乗っている僕が翻弄される事になってしまった……。
気分が盛り上がっていたとはいえ、三回もしてしまった! しかも一回の時間が長いから、いつもならとっくに寝てしまっている時間になっている。
なのに今日はまだ眠気はきていないし、ユキに抱かれて意識を飛ばすこともなかった。
体が慣れてきているのだろうか……だとしたら嬉しい、ユキを一人にさせる時間が短くなるんだから。
寝転がる僕の頭を優しく撫で続けるユキを見上げると、ユキは少し驚いたように僕と目を合わせた。
「今日は眠くならないんだな」
「僕も今そう思ってたところ、もっとユキと一緒に居たいって思ってるからかな」
「悪魔の体は、願えば応えてくれるからな」
ユキが嬉しそうに笑って、僕までつられてふにゃんと頬が緩む。
僕の負担を考えてくれているのか、これ以上回数を増やすような触り方をしないユキに、愛されてるなって幸せを感じてしまう。
きっと今は何をされたって愛されてるなーって感じてしまうのかもしれないけど。
「僕が眠くなるまで、今日の話教えてよ」
「今日って、ハルキのところの話か? クスリの解析をしただけだぞ」
「ユキがやってること教えてほしい、どんなことでもユキの事なら知りたい」
こんな事言われて嫌じゃないかな? なんて思ったりもしたけど、ユキは嫌な顔一つせず僕を見つめてくる。
ただ、すぐに話さずに少し妙な沈黙の間があって、僕はそれにソワッとするような違和感があった。
「こう言うのも情けない話なんだが、正直よく分からないクスリだった」
「え!? ユキでも分からないの!?」
「あぁ、初めて見るタイプだった……捕まえた奴らの話だと、行動を制限することができるらしい」
ユキは甘い顔から、仕事モードに入ったような少し厳しい表情になった。
こんな風にオンオフ切り替えてるところも、カッコよくて好きだなー……なんて真面目な話してるのに、こんな考えじゃダメだよね!
僕のそんな感情を察してか、ユキは少しだけフッと可笑しそうに笑った。
「解析したところ、確かに何かを制限する……というより絶つ? といった感じがしたんだが……実際に試そうとしたらハルキに止められてな」
「えっ! ダメだよ!! 止めるに決まってるよ!」
思わずユキの手首を掴んで体を起こせば、ユキは僕に心配性だと言わんばかりの少し呆れたような顔をした。
「ユキは僕に自分を犠牲にするなって言ったよね! ユキだって自分の事を大事にしてよ!」
「俺は自分で対処できるから、犠牲とはまた違うだろう?」
「初めて見るタイプだったなら、対処できないかもしれないじゃないか!」
ユキは大袈裟だとでも言わんばかりの顔をしたけど、少し慢心が過ぎる気がする。
確かに魔王様に次ぐ実力を持ってて、しかも千年以上の知識の蓄積がある。
経験も、知識も、対応力も、解決力も、誰にも負けない自信があるし、実際にそうなんだろうけど……。
「僕も自分の事、軽んじないように……ユキの為に自分を大事にするから……ユキも僕の為に、自分を大事にしてね」
「わかったよ」
ユキのその口調は、子供をあやすようで……絶対分かってないなと感じるものだった。
僕が疑いの目でじーっと見つめると、ユキは少し困ったようにしてから口を開いた。
「あー……真里は反対しそうだから言い出しにくかったんだが、一つ承諾してほしい事があってだな」
「えっ……!」
そう改まったような口調で言われると、嫌な予感しかしない。
「今回覇戸部があの拠点を探し当てたらしく、ハルキからの要請で……報酬として一日一緒に出掛けてほしいと頼まれ」
「絶対にイヤだ!!!!!」
思わず食い気味に断った、そんなの承諾できるはずがないじゃないか!
「なんで菖寿……?」
思わず自分の口元を手で覆った、声に出してしまったのだから今更遅いのだけど。
ユキのはじめての相手が菖寿丸だったらどうしよう。でも赤の他人より、自分の前世が相手だったのなら……なんて、そう考えれば幾分か気が晴れる気が……。
しない! イヤだ! 絶対にイヤだ!
自分でも、なんでそんなにイヤだと思うのか、明確には分からないけど……対抗意識? 絶対的な敗北を感じるから? 自分でも子供っぽい感情だとは思うけど、菖寿丸にはやっぱり負けたくない。
「ユキの……その、初めての相手って……」
「はっ!? 違う! 菖寿じゃない!!!」
否定するのと同時に、ユキの犬耳がピンッと立って目が見開かれる様子が可愛くて、否定してくれたのが嬉しくてあからさまにホッとした。
「じゃあ、菖寿丸とはエッチな事はしなかったの?」
「……」
ユキが沈黙したまま、僕と合わせていた視線を少し外した……。
「したんだ」
「いやぁ……どうだったかな、千年以上前の話だから覚えてないな」
耳を伏せ気味に目線を逸らすなんて、明らかにユキが都合が悪い時の仕草じゃないか!
正直面白くはない、けど自分から聞いておいて、その結果に文句を言うのはあまりにも子供っぽすぎる。
さすがに呆れられてしまいそうで、モヤモヤする気持ちを押さえ込んだ。
せめて今目の前にいるユキを独占したくて、横に寝転ぶユキの体にくっついた。
ユキはそのまま僕を抱きしめてくれるから、僕からも腕を回して思いっきりギュッと抱きしめる。
今こうやって触れられるのも、体温を感じるのも、心臓の鼓動を聞けるのも、僕だけだ。
それでいいじゃないか、今ユキの目の前にいるのは僕なんだから、それ以上の幸福なんてない。
「ユキ……大好きだよ」
「俺も、真里が大好きだ」
包み込まれる様に抱きしめられて、幸せを噛みしめて胸が熱くなる。
「ユキ……あの……さ、僕の初めてをユキが貰ってくれる時はさ」
「お、おぅ……」
この話をすると、ユキも緊張するというか、体が少し強張るところが可愛い。
「絶対、幸せな気持ちにさせるから……すっごく、すっごく気持ちを込めるから……!」
「――っ!」
相手への愛情が深いほど、その行為で受け止めた魔力の快感は強くなる。僕が毎日ユキに愛されてるのと同じくらい、それより多いくらいの気持ちで、ユキを愛したい。
「あの、覚悟しててね?」
「あー……うん、そうだな」
そっけない声で返事をされて、僕としては愛しい気持ちを込めて伝えた言葉だから、薄い反応に少し寂しい気がした。
恐る恐るユキの胸の中から顔を上げると、そこには顔を真っ赤にして、照れて仕方ないようなユキの顔が……。
「俺も、真里に愛されてみたいよ」
僕が不満そうにしたのを察してか、ユキは口元を隠しながら、目線を逸らして、すごく小さな声でそんな事を言うから! そんなのムラッとしないわけがなかった。
ユキを抱いてみたい……この愛しい人を腕の中で可愛くして、愛して、乱れさせたい……! 僕の魔力を注いで、どれだけ僕が君を愛しているのか、感じてほしい。
もう我慢なんかしない! 待つけど我慢はしない!
「ユキッ……!」
思わずユキに覆いかぶさって、上からキスをしようとしたら、口元を手で押さえられて……ストップをかけられてしまった。いつもと逆だ!
「待て……今はまだ!」
「分かってる、でも今ユキとすごくシたいから……ユキの事愛したいんだ、だから、僕が上に……乗るから……」
言いながら、だんだん恥ずかしくなってきて、声は尻すぼみになっていった。
でもしっかり聞き取って、僕の意図を察してくれたユキは、キラキラと目を輝かせるように僕の腰を掴んだ。
「真里から俺の上に乗ってくれるなんて……最高だな」
腰を引き寄せられて、ユキの腰の上にお尻を下ろすと、ユキのそこは既に熱を持ち始めていた。
「えっ……もう!?」
「今日はいっぱいしていいんだな? もっと俺に欲情して……キスしてくれるんだろう?」
可愛くキス待ち顔をされて、もうたまらない……! 抱きたいのか、抱かれたいのか、そんなのどっちでも構わない。ユキを愛したい……!
上からユキにキスして、閉じたユキの唇を開いて、舌を差し入れる。チュッと吸われて、ユキの口の中で愛撫されて、思わず腰が揺らいだ。
僕の腰を掴んでいたユキの手が下りてきて、僕の割れ目の奥へと指を進ませる。
「あっ……!」
「もっとキスして、真里……愛してくれるんだろう」
期待に満ちた顔で僕を見上げる顔に、愛しさが募る。この唇も、食べたいほどに愛おしい。
「う、ん……ふぅっ……!」
キスをしながら中に指を入れられたら、思わず声が漏れる。
自分でも不器用だと思いながら、必死にユキの唇に貪りつくと、嬉しそうにユキは応えてくれた。
そのあとは僕が動こうと思っていたのに、結局散々下から突き上げられて、上に乗っている僕が翻弄される事になってしまった……。
気分が盛り上がっていたとはいえ、三回もしてしまった! しかも一回の時間が長いから、いつもならとっくに寝てしまっている時間になっている。
なのに今日はまだ眠気はきていないし、ユキに抱かれて意識を飛ばすこともなかった。
体が慣れてきているのだろうか……だとしたら嬉しい、ユキを一人にさせる時間が短くなるんだから。
寝転がる僕の頭を優しく撫で続けるユキを見上げると、ユキは少し驚いたように僕と目を合わせた。
「今日は眠くならないんだな」
「僕も今そう思ってたところ、もっとユキと一緒に居たいって思ってるからかな」
「悪魔の体は、願えば応えてくれるからな」
ユキが嬉しそうに笑って、僕までつられてふにゃんと頬が緩む。
僕の負担を考えてくれているのか、これ以上回数を増やすような触り方をしないユキに、愛されてるなって幸せを感じてしまう。
きっと今は何をされたって愛されてるなーって感じてしまうのかもしれないけど。
「僕が眠くなるまで、今日の話教えてよ」
「今日って、ハルキのところの話か? クスリの解析をしただけだぞ」
「ユキがやってること教えてほしい、どんなことでもユキの事なら知りたい」
こんな事言われて嫌じゃないかな? なんて思ったりもしたけど、ユキは嫌な顔一つせず僕を見つめてくる。
ただ、すぐに話さずに少し妙な沈黙の間があって、僕はそれにソワッとするような違和感があった。
「こう言うのも情けない話なんだが、正直よく分からないクスリだった」
「え!? ユキでも分からないの!?」
「あぁ、初めて見るタイプだった……捕まえた奴らの話だと、行動を制限することができるらしい」
ユキは甘い顔から、仕事モードに入ったような少し厳しい表情になった。
こんな風にオンオフ切り替えてるところも、カッコよくて好きだなー……なんて真面目な話してるのに、こんな考えじゃダメだよね!
僕のそんな感情を察してか、ユキは少しだけフッと可笑しそうに笑った。
「解析したところ、確かに何かを制限する……というより絶つ? といった感じがしたんだが……実際に試そうとしたらハルキに止められてな」
「えっ! ダメだよ!! 止めるに決まってるよ!」
思わずユキの手首を掴んで体を起こせば、ユキは僕に心配性だと言わんばかりの少し呆れたような顔をした。
「ユキは僕に自分を犠牲にするなって言ったよね! ユキだって自分の事を大事にしてよ!」
「俺は自分で対処できるから、犠牲とはまた違うだろう?」
「初めて見るタイプだったなら、対処できないかもしれないじゃないか!」
ユキは大袈裟だとでも言わんばかりの顔をしたけど、少し慢心が過ぎる気がする。
確かに魔王様に次ぐ実力を持ってて、しかも千年以上の知識の蓄積がある。
経験も、知識も、対応力も、解決力も、誰にも負けない自信があるし、実際にそうなんだろうけど……。
「僕も自分の事、軽んじないように……ユキの為に自分を大事にするから……ユキも僕の為に、自分を大事にしてね」
「わかったよ」
ユキのその口調は、子供をあやすようで……絶対分かってないなと感じるものだった。
僕が疑いの目でじーっと見つめると、ユキは少し困ったようにしてから口を開いた。
「あー……真里は反対しそうだから言い出しにくかったんだが、一つ承諾してほしい事があってだな」
「えっ……!」
そう改まったような口調で言われると、嫌な予感しかしない。
「今回覇戸部があの拠点を探し当てたらしく、ハルキからの要請で……報酬として一日一緒に出掛けてほしいと頼まれ」
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