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魔界編:第11章
欲望
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動かない体、朦朧とする思考、欲情して自分に触れてくる男。
何もかもがユキにとって絶望的な状況だ。
ズボンのチャックから手を差し入れられて、その先の動きを予測して、ユキは血の気が引いた。
「それ以上したら殺すッ! 殺す!」
「全部終わったら、好きにすればいい」
覇戸部の指先からぬるっとした液体が溢れて、それが肌を這いながら、奥へと向かってくる。
真里にも触らせた事がないところに、触れられる……!
強い嫌悪感と共に、フラッシュバックする記憶。
兄と慕った男に一方的に想いをぶつけられて、体を暴かれ、信頼を裏切られて、絶望した記憶が……。
暗がりから現れた、女の顔をした母親の記憶が……。
「ゔっ……」
ユキは全身の寒気と、鳥肌と、気色悪さで込み上げてきたものを吐き出した。
体が動かせないままの嘔吐は、ごぶっと口から溢れて自分の胸へボタボタと落ちる。
魔力を濃縮した真っ黒でドロドロした塊が、口から溢れて、出し切っても気持ち悪さは治ることがなかった。
覇戸部は思わずズボンから手を抜いて、どうすればいいのか分からず狼狽した。
真っ黒の吐瀉物は火傷するほど熱く、ユキは真里がこれを背中に受けながらも、自分を抱きしめてくれたことを思い出した。
「真里……」
嘔吐の気持ち悪さと、真里を想う気持ちでユキの視界が滲んだ。寒い……気持ち悪い、真里に触れたい、抱きしめて欲しい……。
嘔吐したせいで、ユキは魔力を大量に失った。顔は真っ青になり、寒さで震える体は本人でなくても異常事態だとわかる。
「こんなの、ならなかった……なんで!」
それを見た覇戸部の感情は、欲情よりも心配と焦りが上回る。五百年も想い続けた相手が、自分のせいで生命の危機にあると思い、狼狽していた。
一方ユキは体の魔力量が減り、魔力の流れが生まれはじめていた。
その流れはめちゃくちゃで、とても制御できるようなものではなく、気持ち悪さは増していくばかりだった。
それでも、自分の中の魔力の一部が、形を作ろうと集まっていく感覚にユキは希望を見出した。
「ユキ……ッ、どうすれば」
「俺の前から……消えろ!」
ユキが硬直したまま動かせなかった体を、無理矢理動かそうとする。
硬った体を軋ませて、全身の力を込めて動き出そうとする姿からは、今にも壊れそうだった印象は消え失せた。
禍々しい魔力が少しずつ増えていって、ユキの周囲に黒いモヤが覆う。それが少しずつ形を作っていき、その形はまるで……。
「犬……!」
ユキの口元からは、いつもより鋭く犬歯が伸びていて、獣のようにグルルルと唸るような声が聞こえた。
ユキの中の魔力は大幅に減っていたはずなのに、圧倒されるほどのプレッシャーに、覇戸部の顎には冷や汗が流れ落ちる。
黒いモヤの犬が、プレッシャーと共に覇戸部に襲い掛かろうとした瞬間、覇戸部は自身の生命の危機を感じて、思わずユキの首に手を伸ばした。
ユキの意識は、自身に取り憑く犬神に支配されて朦朧としていた。しかし、覇戸部に首を掴まれた瞬間ハッと我にかえる。
まずい、コイツの特技は……!
覇戸部の特技は、相手の首から自身の魔力を逆流させて、失神させることだ。
ユキが引き離そうと体を動かそうとした時には、目の前が真っ暗になっていた。
はぁ、はぁ……と、ただテーブルが置いてあるだけの空間に荒い呼吸が響いた。
覇戸部は確実に生命の危機を感じていた、ユキの事を本気で怖いと思ったのは初めてだった。
テーブルの上には、意識を手放しぐったりとしたユキの身体が横たわっていて、自分が乱した服と、顕になった肌に、再び欲情の火が灯った。
ユキの白くて薄い腹を撫で上げて、ゴツゴツとした肋骨の感触を楽しみ、ヘソに舌を入れて舐め上げて、静かに息をして上下する胸に釘付けになった。
先程は噛まれそうになり、ろくに触れられなかった唇に触れて、指で少し開いて貪る。
しかし、何度触れても、舌を差し込もうとしても反応はなく、高揚する気持ちと一緒に虚しさを感じた。
俺が許されることはないだろう。この計画を考えた時から、覇戸部の根底にあった思いだった。
自分のものにならないのなら、ユキへの想いを諦めろと言うのなら、恨まれても憎まれても構わないから、その心と記憶に自分を刻みたかった。
ユキを諦めるふりをしてこのままこの世で過ごすくらいなら、その身体に自分を植え付けて、ユキの手で消されたいとさえ思っていた。
その妄想は、まともな頭では実行できるはずもなく、実際にユキを見れば、恨まれたくも憎まれたくもなくなった。
昔のように、自然に笑いかけてくれる仲に戻りたかった……せめて好きでいることくらい許して欲しいなんて思いが募って、どうしたってユキを想うだけの行動に留めてしまう。
そしてあの拠点制圧の日、事故でこの薬を被ってしまった覇戸部は、薬の勢いでユキから貰った飴を摂取した。
長い間想い続けた相手の魔力を体に取り込む行為は、今まで味わったことがないほどの快感だった。
その体を直接舐めれば、どれだけ甘美な味がするのか……自分がその体に魔力を注ぎ込めば、どれだけ乱れてくれるのか。
どうしてもその願いを叶えたくなって、まだ薬の効果が残るうちに今回の計画を立てた。
覇戸部が被った薬には、自分を制御する能力を衰えさせて、欲望に忠実になる作用があった。
特にユキに何をするかは、数えきれないほどたくさん浮かんだ。
ユキの白い首筋に、赤く所有の印を残したい。
ぢゅっと音が鳴るほどに吸い付いて、ユキの首に覇戸部がつけた赤い痕が残る。
ユキの首の傷痕に触れて、キスしたい。
そのまま唇を下ろして、ユキが服の中に隠していた首輪を持ち上げて、その下の傷痕にキスした。
ユキの弱点で、性感帯である場所を……意識があるときに愛撫したかった。
この凛として強い男が、甘い声をあげて、感じて、自分に組み敷かれるところを……。
いっそ連れ帰って閉じ込めてしまおうか、意識が戻る前に服を脱がせて、動けないようにしてしまえば……。
考えれば我慢ができなくなるのが、覇戸部が体に取り込んでいる薬の効果だ。
いつもの覇戸部では、妄想したとして実行なんて絶対にできないことだった。真面目で、誠実で、ユキの側にいるだけで嬉しくなってしまうような純粋な男だからこそ、簡単に薬に飲まれてしまった。
ユキを連れ帰ろうかと、ほとんど使用していない自宅への転移陣を探しだした時、大嫌いな魔力が強いプレッシャーを燃え上がらせながら近付いてくる事に気付いた。
尋常ならざる速さで近付いてくるそれに、覇戸部は気を動転させながら、ユキを抱き上げた。
「ユキッ……!」
バタンとその扉を開けた人物と目が合った。
相手は当然、真里だった。
ただでさえ大きなその瞳は見開かれて、覇戸部が抱くユキの姿を凝視していた。
一瞬の沈黙の後、燃え盛っていた真里の魔力は更に激しくなった。
「お前っ、ユキに何をした!!」
そのプレッシャーは周囲に炎の幻覚を見せる程強く、建物ごと焼き尽くす勢いだった。
あまりに圧倒された覇戸部は、思わず抱いていたユキを落としてしまい、ユキは意識を失ったままぐったりと床に横たわった。
それが更に真里の怒りに火をつけて、一瞬のうちに覇戸部は真里の手で、床に叩きつけられていた。
何もかもがユキにとって絶望的な状況だ。
ズボンのチャックから手を差し入れられて、その先の動きを予測して、ユキは血の気が引いた。
「それ以上したら殺すッ! 殺す!」
「全部終わったら、好きにすればいい」
覇戸部の指先からぬるっとした液体が溢れて、それが肌を這いながら、奥へと向かってくる。
真里にも触らせた事がないところに、触れられる……!
強い嫌悪感と共に、フラッシュバックする記憶。
兄と慕った男に一方的に想いをぶつけられて、体を暴かれ、信頼を裏切られて、絶望した記憶が……。
暗がりから現れた、女の顔をした母親の記憶が……。
「ゔっ……」
ユキは全身の寒気と、鳥肌と、気色悪さで込み上げてきたものを吐き出した。
体が動かせないままの嘔吐は、ごぶっと口から溢れて自分の胸へボタボタと落ちる。
魔力を濃縮した真っ黒でドロドロした塊が、口から溢れて、出し切っても気持ち悪さは治ることがなかった。
覇戸部は思わずズボンから手を抜いて、どうすればいいのか分からず狼狽した。
真っ黒の吐瀉物は火傷するほど熱く、ユキは真里がこれを背中に受けながらも、自分を抱きしめてくれたことを思い出した。
「真里……」
嘔吐の気持ち悪さと、真里を想う気持ちでユキの視界が滲んだ。寒い……気持ち悪い、真里に触れたい、抱きしめて欲しい……。
嘔吐したせいで、ユキは魔力を大量に失った。顔は真っ青になり、寒さで震える体は本人でなくても異常事態だとわかる。
「こんなの、ならなかった……なんで!」
それを見た覇戸部の感情は、欲情よりも心配と焦りが上回る。五百年も想い続けた相手が、自分のせいで生命の危機にあると思い、狼狽していた。
一方ユキは体の魔力量が減り、魔力の流れが生まれはじめていた。
その流れはめちゃくちゃで、とても制御できるようなものではなく、気持ち悪さは増していくばかりだった。
それでも、自分の中の魔力の一部が、形を作ろうと集まっていく感覚にユキは希望を見出した。
「ユキ……ッ、どうすれば」
「俺の前から……消えろ!」
ユキが硬直したまま動かせなかった体を、無理矢理動かそうとする。
硬った体を軋ませて、全身の力を込めて動き出そうとする姿からは、今にも壊れそうだった印象は消え失せた。
禍々しい魔力が少しずつ増えていって、ユキの周囲に黒いモヤが覆う。それが少しずつ形を作っていき、その形はまるで……。
「犬……!」
ユキの口元からは、いつもより鋭く犬歯が伸びていて、獣のようにグルルルと唸るような声が聞こえた。
ユキの中の魔力は大幅に減っていたはずなのに、圧倒されるほどのプレッシャーに、覇戸部の顎には冷や汗が流れ落ちる。
黒いモヤの犬が、プレッシャーと共に覇戸部に襲い掛かろうとした瞬間、覇戸部は自身の生命の危機を感じて、思わずユキの首に手を伸ばした。
ユキの意識は、自身に取り憑く犬神に支配されて朦朧としていた。しかし、覇戸部に首を掴まれた瞬間ハッと我にかえる。
まずい、コイツの特技は……!
覇戸部の特技は、相手の首から自身の魔力を逆流させて、失神させることだ。
ユキが引き離そうと体を動かそうとした時には、目の前が真っ暗になっていた。
はぁ、はぁ……と、ただテーブルが置いてあるだけの空間に荒い呼吸が響いた。
覇戸部は確実に生命の危機を感じていた、ユキの事を本気で怖いと思ったのは初めてだった。
テーブルの上には、意識を手放しぐったりとしたユキの身体が横たわっていて、自分が乱した服と、顕になった肌に、再び欲情の火が灯った。
ユキの白くて薄い腹を撫で上げて、ゴツゴツとした肋骨の感触を楽しみ、ヘソに舌を入れて舐め上げて、静かに息をして上下する胸に釘付けになった。
先程は噛まれそうになり、ろくに触れられなかった唇に触れて、指で少し開いて貪る。
しかし、何度触れても、舌を差し込もうとしても反応はなく、高揚する気持ちと一緒に虚しさを感じた。
俺が許されることはないだろう。この計画を考えた時から、覇戸部の根底にあった思いだった。
自分のものにならないのなら、ユキへの想いを諦めろと言うのなら、恨まれても憎まれても構わないから、その心と記憶に自分を刻みたかった。
ユキを諦めるふりをしてこのままこの世で過ごすくらいなら、その身体に自分を植え付けて、ユキの手で消されたいとさえ思っていた。
その妄想は、まともな頭では実行できるはずもなく、実際にユキを見れば、恨まれたくも憎まれたくもなくなった。
昔のように、自然に笑いかけてくれる仲に戻りたかった……せめて好きでいることくらい許して欲しいなんて思いが募って、どうしたってユキを想うだけの行動に留めてしまう。
そしてあの拠点制圧の日、事故でこの薬を被ってしまった覇戸部は、薬の勢いでユキから貰った飴を摂取した。
長い間想い続けた相手の魔力を体に取り込む行為は、今まで味わったことがないほどの快感だった。
その体を直接舐めれば、どれだけ甘美な味がするのか……自分がその体に魔力を注ぎ込めば、どれだけ乱れてくれるのか。
どうしてもその願いを叶えたくなって、まだ薬の効果が残るうちに今回の計画を立てた。
覇戸部が被った薬には、自分を制御する能力を衰えさせて、欲望に忠実になる作用があった。
特にユキに何をするかは、数えきれないほどたくさん浮かんだ。
ユキの白い首筋に、赤く所有の印を残したい。
ぢゅっと音が鳴るほどに吸い付いて、ユキの首に覇戸部がつけた赤い痕が残る。
ユキの首の傷痕に触れて、キスしたい。
そのまま唇を下ろして、ユキが服の中に隠していた首輪を持ち上げて、その下の傷痕にキスした。
ユキの弱点で、性感帯である場所を……意識があるときに愛撫したかった。
この凛として強い男が、甘い声をあげて、感じて、自分に組み敷かれるところを……。
いっそ連れ帰って閉じ込めてしまおうか、意識が戻る前に服を脱がせて、動けないようにしてしまえば……。
考えれば我慢ができなくなるのが、覇戸部が体に取り込んでいる薬の効果だ。
いつもの覇戸部では、妄想したとして実行なんて絶対にできないことだった。真面目で、誠実で、ユキの側にいるだけで嬉しくなってしまうような純粋な男だからこそ、簡単に薬に飲まれてしまった。
ユキを連れ帰ろうかと、ほとんど使用していない自宅への転移陣を探しだした時、大嫌いな魔力が強いプレッシャーを燃え上がらせながら近付いてくる事に気付いた。
尋常ならざる速さで近付いてくるそれに、覇戸部は気を動転させながら、ユキを抱き上げた。
「ユキッ……!」
バタンとその扉を開けた人物と目が合った。
相手は当然、真里だった。
ただでさえ大きなその瞳は見開かれて、覇戸部が抱くユキの姿を凝視していた。
一瞬の沈黙の後、燃え盛っていた真里の魔力は更に激しくなった。
「お前っ、ユキに何をした!!」
そのプレッシャーは周囲に炎の幻覚を見せる程強く、建物ごと焼き尽くす勢いだった。
あまりに圧倒された覇戸部は、思わず抱いていたユキを落としてしまい、ユキは意識を失ったままぐったりと床に横たわった。
それが更に真里の怒りに火をつけて、一瞬のうちに覇戸部は真里の手で、床に叩きつけられていた。
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