綴り継ぐ寓話

みどりマン

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想像以上!が、地獄だ

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 ここはどこだ。
 俺は、灼熱の世界をさまよっていた。
 暑い。太陽の光と熱が頭上から焼き付け、地面からの照り返しに下から炙られる。太陽が輝くほど、命くすむ。
 どこをさまよっている。さっきまで砂の上を歩いていた気もする。いつだったか歩いたことのある鳥取砂丘のようだった。いや、この暑さだ。サハラかゴビのような砂漠だったのだろう。
 喉がカラカラだ。飲み物を手に入れたいが、オアシスは無い、水売りがいたとしても金も無い。金はどうして無くしたのだったろう、やたらに使った気がする。立ち食いそばを食べた時に使ってしまった… いやそれはおかしい、立ち食いそばに4千円も出したはずがない。記憶が混乱している…
 少しでも暑さをしのごうと日陰を探した。わずかな日陰を見つけたが、そこは数珠のように空中に繋がれた岩石の下だった。いつ頭上に落ちてきて潰されるか分からない。こんな所に居られたものではない。
 辺りからは、かすかに卵の腐ったような硫黄のような臭いがする。そうだ、いつか行った温泉地の地獄谷のような臭いだ、危険なガスが漂っているのだ。酸欠や中毒、爆発の危険があるのではないか?
    灼熱、砂漠、岩石、ガス、俺の頭の中で全てが繋がった。ここは地獄なのだ。私は死んで、地獄に落ちたのに違いない。地獄とはこんな所だったのか、想像以上!が、地獄だ。
 周りには私と同じような人々が、やはりさまよい歩いていた。私と同じ、この巨大な輪の中の地獄に落とされた亡者たちなのだろう…
 私は暑さに耐えられなくなり、ついに倒れた。もうろうとした意識さえも今途絶えようとしている。私は、どうなってしまうのだろう…
「おい、大丈夫か! 」
 遠くから声が聞こえた。
 そこから無の世界へ…
 私が意識を取り戻したのは、病院のベッドの上だった。
「気がついたの、よかった! 」ベッドの脇にいた母が私の手を握って涙を流した。
 あれは、夢… 地獄をさまよったと思っていたのは臨死体験だったのだろうか、それとも現実?
「お母さん、俺はどうして…」
 母が言った
「覚えてないの? あんたは熱中症で命を落とすところだったのよ、真夏の万博会場で。」
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