【2章完結】超古代技術【ゴーレム】を扱える世界唯一の少年、不当に勇者パーティを追放されるが、戦闘も農業も全自動化し、世界最強に成りあがる!!

音速炒飯

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【ざまぁ回】第22話 ゴーレム技師、マッサージしてあげていたつもりが圧倒的戦闘力で勇者パーティーメンバーを叩きのめしていた

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「ぽぎゃああああああああああぁ!?」

 なすすべなく殴り飛ばされたカカは、間抜けな悲鳴を上げてぶっ飛んでいった。

 闘技場の地面でワンバウンド。そして、そこから受け身を取って体勢を立て直す。

「こ、この程度で俺にダメージを与えたつもりか?」

「与えたつもりだけど」

 カカの膝はガックガク震えている。立ち上がるのも精一杯といった感じだ。

「甘いぜナット! ヒールにはな! こう言う使い方もあるんだよ!」

 カカが自分の胸に手を当てて、

「ヒール!」

 と叫ぶ。

 手から緑色の光が放たれる。

 すると、カカの体がみるみる回復していく。

「へっへっへ、見たかナット! ヒールは他人の体力を回復させるだけじゃなく、”自分の体力を回復させる”って使い方もあるんだぜ!」

 そりゃそうだろう。

「驚いたか? これでお前の計画は丸潰れだぜ」

 全然そんなことはないぞ。

 今のところ計画通りだ。

「行け、インスタントゴーレム!」

「何度も喰らうかよ!」

 カカが剣でインスタントゴーレムのパンチを防ぐ。

「今度はこっちから行くぜ! 喰らえ必殺、トリプルスラッシュ!」

 トリプルスラッシュ。剣士の扱える上位技で、瞬く間に3連撃を叩き込む。

 ゴーレムがダメージを受ける。

 だが、この程度ではやられはしない。

 すぐにゴーレムは拳を構えて反撃する。

“ドガッ! バキッ!”

 ゴーレムの拳とカカの剣が何度も交錯し、互いにダメージを与える。

 そして激闘を制したのは・・・。

「はぁ、はぁ! ほんのちょっぴり危なかったが、俺様の勝利だ!」

 カカが得意げに剣を振り上げて見せる。ヒールを何度も使ったので魔力は結構消耗しているはずだ。

 一方のゴーレムはダメージを受け過ぎて土に還ってしまった。

「こんな土人形ごとき、俺様の敵じゃねえぜ! 10体でも20体でもかかって来やがれ!」

「じゃあそうするね」

 カカの周りの地面から、インスタントゴーレムが10体立ち上がる。

「……へ?」

「最初のインスタントゴーレム1体は、このインスタントゴーレム達を作るための時間稼ぎだよ」

「え……? 嘘だろおい……」

 多分今本気で魔力を振り絞れば、あと20体は追加でインスタントゴーレムを呼べるだろう。

 カカは真っ青になった顔で自分を取り囲むインスタントゴーレム達を見渡す。

 ゴーレムよりもカカの方がはるかに小さいので、まるで1人の子供を大人が囲んでいるみたいだ。

「へっ、こんな土人形如きに負ける俺じゃねえ。喰らえ、必殺トリプルスラッーー」

“べシン!”

 カカを囲んでいたインスタントゴーレムの1体が、カカの剣をはたき落とす。
 
 更に別のゴーレムが、剣を拾おうとしたカカの背中を踏みつける。

”ゲシッゲシッゲシッゲシッ!”

 ゴーレム達が寄ってたかってカカの背中を踏みつける。

 ちょ、ちょっとやり過ぎか……!?

「カカ、大丈夫!?」

「あ?? 俺の心配だと? ナットのくせに調子に乗るな! この程度屁でもねぇ! マッサージくらいのもんだ! むしろもっと強くしてほしいくらいだぜ!」

「わかった。じゃあもっと強くするね」

「えっ」

 僕はやり過ぎないように、インスタントゴーレム達にはリミッターを掛けていた。

 が、大丈夫そうなのでそれを外す。

 全力を出せるようになったゴーレム達がカカを踏んづける。

”ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!!”

「ぐわあああああああぁ!」

 カカがうめき声をあげている。それほどマッサージが気持ちいいらしい。

”ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!!”

 ゴーレム達が休むことなくカカを踏みつける。

 やっていることはマッサージなのだが、カカ1人を巨体のゴーレムたちが蹴っているため、まるでゴーレム達がカカを袋叩きにしているようにも見える。

”ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ゲシ!! ”

『……はい、ナットさんストップです! それ以上やると死んでしまいますよ♪』
 
「えっ」

 僕はゴーレム達に停止命令を出す。

 ゴーレム達に囲まれていたカカは、なんと白目を剥いて気絶していた。

 マッサージ程度にしか効かないと言っていたのは、強がりだったのか……?

『カカ選手、戦闘不能です!』

「マスター、こちらも片付きました」

 アルカが、気絶したキキを引きずって戻ってくる。

「と、いうことは……」

『キキ選手も戦闘不能! これにて決着です!! 勝者、ナット&アルカペア!』

 リエルさんが宣言すると、競技場内がワッと盛り上がった。
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