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第31話 美少女ゴーレム、新しい形態を使ってレアモンスターを乱獲する
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今日の冒険者ギルドは、騒然としていた。
「すみません、何かあったんですか?」
僕はいつもの受付のお姉さんに聞いてみる。
「あ! 丁度良いところに来てくれましたねナットさん! 緊急クエストが発令されたんですよ!」
「マスター、緊急クエストとは何ですか?」
――緊急クエスト。冒険者ギルドが重要性が極めて高いと判断した場合にのみ発令されるクエストだ。
例えば、モンスターの群れが街に向かって進行しているので迎撃せよとか、飢饉が起きたのでモンスターの肉を調達せよだとか。
緊急クエスト発令中は、他のクエストは全て停止される。
「今回の緊急クエストは、『レインボーリザードの角の納品』です」
レインボーリザードとは、中型のトカゲモンスターだ。
大きさは成体でも1メートル程度。戦闘能力は高くなく、棒を持った一般人程度でも倒せる。
しかし、体の色を変えて周囲の風景に完全に同化する能力があり、見つけるのは非常に困難なのだ。
「今回、街の外れで疫病が発生しました。特効薬を作るためには、レインボーリザードの角が必要なのです」
「分かりました、それは一大事ですね。一冒険者として、全力で頑張ります!」
「ナットさんがそう言っていただけるなら、心強いです。よろしくお願いします!」
受付のお姉さんが何度も頭を下げる。いつもよりも、少し雰囲気が変だ。
緊急事態なので動揺しているのだろうか?
「行こうアルカ、一刻も早くレインボーリザードの角を集めよう」
――――
F級ダンジョン、ナーフィーの森。
前に薬草を摘みに来たこの森に、僕とアルカは再び来ていた。
「いたぞ、追えー!!」
先にダンジョンに着いていた冒険者たちが、レインボーリザードを追いかけている。
しかし、レインボーリザードは素早く木々の間に飛び込み、体の色を変える。
「クソ、見失った!」
「探せ探せ! まだ近くにいるはずだ!」
冒険者たちが手当たり次第に武器を振り回すが、当たらない。
そのまま冒険者たちはダンジョンの奥へ行ってしまった。
レインボーリザードを捕まえるのは並大抵のことではない。
しかし、僕には秘策がある。
「アルカ、索敵モードに変身だ!」
「了解しました。形態変更、索敵形態!」
アルカを虹色の光が包んでいく。
新しく追加した形態は、前に大量捕獲したモンスター”ラージラビット”の耳を使った索敵特化の形態だ。
頭の上に取り付けたウサギの耳で、モンスターのわずかな音も聞き逃さない。
さらに、服の面積も少なくして、肌で空気の流れを感じ取れるようにしている。
――のだが。
虹色の光が消え、現れたアルカはいわゆるバニースーツを着ていた。
頭に取り付けたウサ耳も合わさって、完全にバニーガール姿である。
脚の付け根ギリギリまであらわになっているその姿は、とても目に悪い。
歩くたびに豊かな胸の谷間が揺れている。
腕がいいと評判の防具屋に行って、肌をできるだけ出した防具が欲しいとだけリクエストしたら作ってきたのがこの装備だったのだ。
アルカは何故か気に入ってくれているみたいなので良いのだが……。
「じゃ、じゃあ早速レインボーリザードを探そう! アルカ、聞こえるか?」
「やってみます、行きますよ……!」
アルカが目を閉じて聴覚に集中する。ウサ耳がピコピコと揺れる。
「複数のモンスターの音が聞こえますが、レインボーリザード程度の大きさのモンスターは……居ました、あの茂みです!」
僕は小さめのインスタントゴーレムを10体呼び出し、レインボーリザードを包囲していく。
「今だ、かかれ!」
インスタントゴーレム10体に一斉に襲い掛かられて、レインボーリザードはなすすべなく捕まった。
「流石マスターです! この形態、すごく索敵性能が高いですよ!」
アルカが嬉しそうにピョンピョン跳ねる。
そのたびに上下する胸のふくらみを直視できず、僕は目をそらした。
「あ、あっちにもレインボーリザードがいますよマスター!」
僕はなるべくアルカを視界に入れないようにしながら、レインボーリザードがいるという方向についていく。
……最終的にこの日は、40体ものレインボーリザードを捕獲することができた。
「すみません、何かあったんですか?」
僕はいつもの受付のお姉さんに聞いてみる。
「あ! 丁度良いところに来てくれましたねナットさん! 緊急クエストが発令されたんですよ!」
「マスター、緊急クエストとは何ですか?」
――緊急クエスト。冒険者ギルドが重要性が極めて高いと判断した場合にのみ発令されるクエストだ。
例えば、モンスターの群れが街に向かって進行しているので迎撃せよとか、飢饉が起きたのでモンスターの肉を調達せよだとか。
緊急クエスト発令中は、他のクエストは全て停止される。
「今回の緊急クエストは、『レインボーリザードの角の納品』です」
レインボーリザードとは、中型のトカゲモンスターだ。
大きさは成体でも1メートル程度。戦闘能力は高くなく、棒を持った一般人程度でも倒せる。
しかし、体の色を変えて周囲の風景に完全に同化する能力があり、見つけるのは非常に困難なのだ。
「今回、街の外れで疫病が発生しました。特効薬を作るためには、レインボーリザードの角が必要なのです」
「分かりました、それは一大事ですね。一冒険者として、全力で頑張ります!」
「ナットさんがそう言っていただけるなら、心強いです。よろしくお願いします!」
受付のお姉さんが何度も頭を下げる。いつもよりも、少し雰囲気が変だ。
緊急事態なので動揺しているのだろうか?
「行こうアルカ、一刻も早くレインボーリザードの角を集めよう」
――――
F級ダンジョン、ナーフィーの森。
前に薬草を摘みに来たこの森に、僕とアルカは再び来ていた。
「いたぞ、追えー!!」
先にダンジョンに着いていた冒険者たちが、レインボーリザードを追いかけている。
しかし、レインボーリザードは素早く木々の間に飛び込み、体の色を変える。
「クソ、見失った!」
「探せ探せ! まだ近くにいるはずだ!」
冒険者たちが手当たり次第に武器を振り回すが、当たらない。
そのまま冒険者たちはダンジョンの奥へ行ってしまった。
レインボーリザードを捕まえるのは並大抵のことではない。
しかし、僕には秘策がある。
「アルカ、索敵モードに変身だ!」
「了解しました。形態変更、索敵形態!」
アルカを虹色の光が包んでいく。
新しく追加した形態は、前に大量捕獲したモンスター”ラージラビット”の耳を使った索敵特化の形態だ。
頭の上に取り付けたウサギの耳で、モンスターのわずかな音も聞き逃さない。
さらに、服の面積も少なくして、肌で空気の流れを感じ取れるようにしている。
――のだが。
虹色の光が消え、現れたアルカはいわゆるバニースーツを着ていた。
頭に取り付けたウサ耳も合わさって、完全にバニーガール姿である。
脚の付け根ギリギリまであらわになっているその姿は、とても目に悪い。
歩くたびに豊かな胸の谷間が揺れている。
腕がいいと評判の防具屋に行って、肌をできるだけ出した防具が欲しいとだけリクエストしたら作ってきたのがこの装備だったのだ。
アルカは何故か気に入ってくれているみたいなので良いのだが……。
「じゃ、じゃあ早速レインボーリザードを探そう! アルカ、聞こえるか?」
「やってみます、行きますよ……!」
アルカが目を閉じて聴覚に集中する。ウサ耳がピコピコと揺れる。
「複数のモンスターの音が聞こえますが、レインボーリザード程度の大きさのモンスターは……居ました、あの茂みです!」
僕は小さめのインスタントゴーレムを10体呼び出し、レインボーリザードを包囲していく。
「今だ、かかれ!」
インスタントゴーレム10体に一斉に襲い掛かられて、レインボーリザードはなすすべなく捕まった。
「流石マスターです! この形態、すごく索敵性能が高いですよ!」
アルカが嬉しそうにピョンピョン跳ねる。
そのたびに上下する胸のふくらみを直視できず、僕は目をそらした。
「あ、あっちにもレインボーリザードがいますよマスター!」
僕はなるべくアルカを視界に入れないようにしながら、レインボーリザードがいるという方向についていく。
……最終的にこの日は、40体ものレインボーリザードを捕獲することができた。
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