ユメのあとさき

あおあおの部屋

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第29話 愛おしい仲間たち

奇襲にしてはお粗末

「みんないるぜ! アンリの屋敷に」





「きゃーっ!」
「あーっ!」





 シュウの言葉を遮ったのは、聞き覚えのある女の人と男の人の声。
 声がした方向を見れば一組の男女があたしとミナトに――飛びかかってきていた。





「マイダーリン! 会いたかったわーっ!」
「ユメちゃーん! 好きーっ!」





「わっ」

 急なことに反応できずにいると、グイ、と体を引き寄せられた。
 そう――気付いてたミナトは何も言わずに、あたしを連れて軽く避けてくれたんだ。
 そうなると、当然……。





「へぶっ!」
「ぐえっ!」





 その人たち――リアとトーマは顔から地面に突っ込んだ……!

「わわ、大変なことに……!」

 慌てるあたしと反対に、冷静なミナトは見下ろすだけだった。

「奇襲にしてはお粗末だねー」
「き、奇襲……なのかな? たぶん、嬉しくて飛び掛かってきたんだと……」
「えー、あれは奇襲だよー。ユメちゃんがやってくれる熱烈な歓迎なら喜んで受け止めるけどー。なんなら離さないしー」
「そ、それはそれで困る気が……」

 ……どう答えようもなくて、そのまま口を閉ざした。

「リア!? 大丈夫か!?」
「と、トーマも大丈夫……!?」

 一方で、慌てて駆け寄るシュウに抱き起こされたリアの顔は傷だらけ……か、可愛い顔が……!
 アサラも心配そうに覗き込むものの……トーマも痛いのか、うつ伏せのままピクピクしてる。

「ひ、酷いことになってる……!」
「何も酷くないよー。そいつらが勝手に突っ込んできて避けただけー」

 アサラの呟きに答えたミナトに、アサラは「確かに」って二の句は告げなかった。
 とはいえ、あまりに痛々しい。

「あたし、治癒術かけてくるよ。あれは可哀想」
「自業自得だから放っておけばいいのにー」
「うーん……でもほら、リアは女の子だし……とりあえずリアだけでも」
「……それもそっかー」

 助けてくれたお礼を言うとミナトの手が緩んだから、リアの前に膝をついて、顔に手をかざして治癒術をかける。

「リア……大丈夫?」
「ううぅ……ユメ、あんだはいづもやざじぃわねぇ……さすがは、マイフレンドよぉ~……!」
「うわー、涙と鼻水でグチャグチャ……リア、どんだけ泣くんだよ」
「えっと……傷にみない? 大丈夫?」

 おーいおいおい、って泣くリアにシュウもあたしも戸惑ってしまった。
 治癒術かけてる間にミナトはトーマに寄ったみたいで会話が聞こえる。

「いってーな! 何すんだ、ミナトー! ユメちゃんとの再会、邪魔すんなー!」
「何すんだってお前が勝手に突っ込んだんじゃーん。自業自得、因果応報。自分の行動が怪我を招くってことをいい加減体で覚えてくださーい」
「うるせー!」
「トーマ、元気そう……」

 ……あれだけ元気なら、トーマは治癒術いらないかな……。
 ちょうどリアの顔の傷が治る頃、「お前たち、無事に着いたか」って声がかかった。
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