ユメのあとさき

あおあおの部屋

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第10話 この街を救いたい

守るべき街

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「! まさか!」

 あたしとアンリが近くにあった窓から外を見る。

 【強欲】の放った魔術が街中にある建物を爆破したらしく、人々が混乱して逃げ惑ってる。

 どうして、結界は……!?

「ここに来るまでに、結界を壊しておいて正解。あれぐらいの強度なら、私たち上級魔族でも簡単に壊せる」

「!」

 アンリは目を見開いていた。

  

  

  

 彼女が守るべき者が、逃げ惑う。

 守るべき街が、火に包まれる。

 怪我をした人も、いるかもしれない。

 ――守るために、戦っていたはずなのに。

  

  

  

「どうだい? 結果的に守れなかった気分は?」

「……黙れよ」

 低いミナトの声と斬撃。

 爆発の衝撃か、火が街に広がっていく。

 このままじゃ……こうなったら!

「アンリ! 水の魔術で鎮火を!」

「! ユメ」

「急いで!」

 あたしが呼びかけて詠唱を行うと、アンリもハッとしてすぐに詠唱をして2人で水の魔術を街の上空へと放つ。

 街の上で集まった魔術から雨のように水が広範囲へと降り注ぐ。

 見る見るうちに火は消えていく……よかった、正しかった。

 人々の混乱も収まっていく。

「は……助かった、ユメ。ありがとう」

 安心したように微笑むアンリに、あたしも笑った。

「これで、おあいこだね」

「ああ」

「ぐぅ……おのれ……!」

 悔しげな声が聞こえて振り向くと……【強欲】はミナトの前で膝をついていた。

 ミナトも無傷ではないけど……立って切っ先を突きつけてる。

 【強欲】は街への攻撃が失敗したことに気付き、「仕方ないね」とまた魔術を放った。

 四方八方に飛ばされた魔術はミナトだけではなく、あたしやアンリの方にも飛ばされ、ミナトの注意が逸れた一瞬に【強欲】が消えた。

 その瞬間……魔術も消え、目眩めくらましのための囮だったことがわかる。

「――ホント、逃げ足速いよねー」

 ミナトとアンリが剣をしまうと、そのタイミングで「よいしょ」って声が聞こえた。
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