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11.居酒屋デート
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会社の最寄り駅から電車に乗って二駅目。『彼』が指定した場所は、駅前にある居酒屋チェーン店だった。
仕事を終えた真夜は居酒屋に入り、辺りを見渡してみる。……だが、それらしい人物はいない。
(まだ仕事が終わらないのかな)
真夜はテーブル席を希望して椅子に座った。
伊達眼鏡をケースに片付けて、店員に暖かいお茶と枝豆を頼む。
30分ほどぷちぷち枝豆を摘んでお茶を飲んでいたら、『彼』が「ごめんごめん」と謝りながらやってきた。
――望月巽。真夜の『セフレ』。
彼は二週間前と全く変わらない笑顔で、真夜の向かいに座った。
「ミーティングが長引いて参ったよ。あ、もしかして、気を使ってお酒を飲まないでいてくれた?」
「気を使ったわけじゃないですけど、何となく、最初のお酒は乾杯からが良いかなって思ったので」
真夜がそう言うと、巽は軽く笑った。
「相変わらず気遣い屋だね~」
注文を取りにきた店員にビールとつまみを頼んだ巽は、真夜にメニューを渡す。
「何か頼んだら? 遅刻したし、奢るよ」
「こんなの遅刻のうちに入りませんからお気になさらず。……そうですね、何を頼もうかな」
メニューをパラパラ見ていたら、おいしそうな焼き鳥が目に入った。しかし、すぐに色々な事を思い出し、真夜は野菜スティックとおぼろ豆腐を注文する。
「なに、ダイエット中か何かなの?」
真夜の頼んだ料理が夕飯にそぐわないと思ったのか、巽が不思議そうに訊ねる。
軽く首を傾げる顔は、可愛げに溢れていた。相変わらず見目の良い男性だ。
猫っ毛な髪や整った風貌に見蕩れたあと、真夜はばつが悪そうに目を伏せた。
「ええ。誰かさん曰く、だらしない体らしいですから」
拗ねたように呟くと、巽が目を丸くした。
「あはははっ!」
おかしそうに笑い出す。店員が持ってきた生ビールのジョッキを受け取りつつ、軽く手を振った。
「何を言っているんだよ。誰も悪いなんて言ってないし。俺は好きって言ったよ? なんでダイエットに走っちゃうかなー」
「す、好きでも、気になるんです。別に私、そこまでお肉があるわけじゃないんですからね?……座ったら、その、ちょっとお肉の輪っかができちゃうくらいで」
「うん、もちろん知ってるよ。だから言ったじゃない。俺はちょっとふにふにしてる子がいいの。ダイエットは別に止めないけど、ガリガリになったらダメだからね。そんな事したら許さないから」
くすくすと笑って、巽がジョッキを掲げた。「お疲れ様です」と定番の乾杯を交わして、真夜は生ビールの中ジョッキを両手で持ちつつ、首を傾げる。
「許さないって、どうするんですか」
「えー? ガリガリさんになっちゃったら俺、食わせるからね。俺好みのぷにぷにさんに戻るまで、肉やらお菓子やら無理矢理食べさせます。こう、口をぐわっと開けてどかどかーってね」
「ひ! そ、それは酷いです!」
「ふふ、酷いでしょ? だから適度にぷにぷにを維持していてね。はい、焼き鳥」
ビールを飲んで豆腐を食べようとしたところで、巽がニコニコと焼き鳥串を渡した。
焼き鳥は、好物だ。真夜は「うぅ」と躊躇した後、一本受け取った。早くもダイエットは終了しそうである。
「で、さ~。真夜ちゃん。俺、ちょっとだけショックだったんだけど、聞いてくれる?」
「はい。なんでしょう?」
巽がぱくぱくとホタテのバター焼きを食べながら、軽い口調で話し始めた。
こっくりとビールを飲んだ真夜が訊ねると、彼もビールを一口飲む。
「……二週間」
「……はい」
「ヤッた後、二週間、連絡ゼロだったよね、俺達」
「……はい」
決まり悪げに真夜が俯く。巽からメールが来る直前まで「彼との関係はもう自然消滅でいいかなー」等と思っていただけに、罪悪感がある。
「俺も連絡しなかったから人の事言えないけど、そもそも俺達の関係は、真夜ちゃんが提案してきた事だったんだよ? なのに一言も連絡がなくてさぁ。さすがに俺、傷ついたよ。これこそホントのヤリ捨てじゃない?」
「うっ、あのその、ごめんなさい。な、なんてメールしたらいいかわからなくて。つい……」
「何でもいいじゃん。昨日おつかれーとか」
「おつかれ……! そ、それはちょっと考えたんですけど、お疲れの内容が内容だけに、気が引けたといいますか」
結局何を言っても言い訳にしかならない。実際、自分はメールどころか、もっと薄情な事を考えていたのだ。ヤリ捨てと言われても仕方が無い。
真夜はしょんぼりして、両手を膝に乗せて深々と頭を下げる。
「すみません、何か一言連絡するべきでしたね。自分からお願いした事なのに」
「そうだよー。俺、用済みでポイされたのかと思っちゃった。今日のメールも実はドキドキしたんだよ。無視られたらどうしよう、みたいな」
「そ、そんな、無視なんてしません。……本当にごめんなさい。何か、こう、送るように努力しますから」
そう言いつつ内心では困り果てる。メールは真夜にとってトラウマであり、最も苦手な行為なのだ。面白い事が書けない返せない真夜は、いつもメール内容が簡潔で事務的になってしまう。顔文字絵文字デコレーションも、全てが難敵だ。
「あぁ、そっか。そういえば、真夜ちゃんはメールが苦手って言ってたね」
「……そうですね」
「じゃあさ、彼氏じゃなくて友達相手ならどんなメールしてるの?」
「友達も元彼と同じような感じです。簡潔で、内容によっては時間もかかって。だから私、友達もそんなに多くないんです。その……あまり長続きしなくて」
ほとほと困って、力なく焼き鳥を食べる。
真夜はとにかく、人間関係が長くもたないのが常だった。
ほとんど、生活の変わり目と共に疎遠になってしまう。真夜自身、自ら積極的に連絡するタイプではないし、時々送られるメールの返信はいつも事務的で面白みがない。
そんなだからいつも自然消滅してしまうのだ。昔つきあった彼氏のように。
「私、薄情なんでしょうね。人に対してそこまで強く思うことができないんです。ずっと友達でいたい……とか、ずっと恋人でいてほしい……とか」
「ふぅん。じゃあ俺にメールを返信する時も、めんどくさいなーとか思いながら返してたの?」
「そ、そんな事はないです。ちゃんと考えて返してるつもりです。ただ、苦手なだけで」
自分が長いメールを好まないから、どうしても文章が簡潔になってしまう。絵文字やデコレーションも使いどころがよくわからないし、むしろ無くても良いのではないか、とさえ思ってしまう。
だが、真夜の性質は他人から見ればただの無愛想で面白みの無い人間だ。だからいつも長続きしないのだ。
その事実を真夜は充分に自覚しているが、しかし自分を変えようとは思わなかった。何故なら彼女自身、独りが好きだからである。
学生時代は、その期間だけ生活に支障がない程度に知り合いができればいい。会社でもそうだ。円滑に仕事ができる程度に人間関係を構築できればいい。
つまり、真夜はそういう人間だった。そのあり方は確かに世間一般から見れば薄情に見えるだろう。
しかし巽は「ふーん」と軽く相槌を打つと焼き鳥を食べ、串をフリフリと振る。
「じゃあさ、提案なんだけど」
「提案?」
「うん。メール苦手なんでしょ? それなら一週間に一回はこうやって会うようにしようよ。メールのやり取りは、その為の日程調整とか連絡とかで済まそう。そういう事務的なメールならちゃんと打つんでしょ? 真夜ちゃんは」
「あ、そうですね。それならすぐに送れます」
「良かった。じゃあそれで決定ね」
ニッコリと笑って、巽は店員を呼び、ビールのおかわりを注文した。
彼の顔を見世物みたいにじろじろと見た店員が去って行き、真夜はぱく、とバーニャカウダにつけた野菜スティックを食べた。
「望月さんは、私のことを気遣い屋って言いましたけど、私からしてみれば、あなたのほうがよっぽど気遣い屋に見えます。私にそんな風に言ってくれた人、初めてですよ。事務的なメールでいい、なんて」
「俺もメールって長く打てない方なんだよね。だから気持ちが判らないわけじゃない。真夜ちゃんは愛想が悪いわけじゃないんだし、メールが苦手なら直接会って話したほうが双方にとって楽かなって思ったんだ。それだけだよ」
苦手なことを無理にしても楽しくないじゃない、と彼は笑う。しかしそうは言っても、その発想をしてくれる人が真夜の周りにはいなかったのだ。
だからやっぱり彼女は、巽を「優しい人だな」と思う。
それからしばらくの間、ふたりは酒と料理を交えつつ、楽しく会話をした。
仕事を終えた真夜は居酒屋に入り、辺りを見渡してみる。……だが、それらしい人物はいない。
(まだ仕事が終わらないのかな)
真夜はテーブル席を希望して椅子に座った。
伊達眼鏡をケースに片付けて、店員に暖かいお茶と枝豆を頼む。
30分ほどぷちぷち枝豆を摘んでお茶を飲んでいたら、『彼』が「ごめんごめん」と謝りながらやってきた。
――望月巽。真夜の『セフレ』。
彼は二週間前と全く変わらない笑顔で、真夜の向かいに座った。
「ミーティングが長引いて参ったよ。あ、もしかして、気を使ってお酒を飲まないでいてくれた?」
「気を使ったわけじゃないですけど、何となく、最初のお酒は乾杯からが良いかなって思ったので」
真夜がそう言うと、巽は軽く笑った。
「相変わらず気遣い屋だね~」
注文を取りにきた店員にビールとつまみを頼んだ巽は、真夜にメニューを渡す。
「何か頼んだら? 遅刻したし、奢るよ」
「こんなの遅刻のうちに入りませんからお気になさらず。……そうですね、何を頼もうかな」
メニューをパラパラ見ていたら、おいしそうな焼き鳥が目に入った。しかし、すぐに色々な事を思い出し、真夜は野菜スティックとおぼろ豆腐を注文する。
「なに、ダイエット中か何かなの?」
真夜の頼んだ料理が夕飯にそぐわないと思ったのか、巽が不思議そうに訊ねる。
軽く首を傾げる顔は、可愛げに溢れていた。相変わらず見目の良い男性だ。
猫っ毛な髪や整った風貌に見蕩れたあと、真夜はばつが悪そうに目を伏せた。
「ええ。誰かさん曰く、だらしない体らしいですから」
拗ねたように呟くと、巽が目を丸くした。
「あはははっ!」
おかしそうに笑い出す。店員が持ってきた生ビールのジョッキを受け取りつつ、軽く手を振った。
「何を言っているんだよ。誰も悪いなんて言ってないし。俺は好きって言ったよ? なんでダイエットに走っちゃうかなー」
「す、好きでも、気になるんです。別に私、そこまでお肉があるわけじゃないんですからね?……座ったら、その、ちょっとお肉の輪っかができちゃうくらいで」
「うん、もちろん知ってるよ。だから言ったじゃない。俺はちょっとふにふにしてる子がいいの。ダイエットは別に止めないけど、ガリガリになったらダメだからね。そんな事したら許さないから」
くすくすと笑って、巽がジョッキを掲げた。「お疲れ様です」と定番の乾杯を交わして、真夜は生ビールの中ジョッキを両手で持ちつつ、首を傾げる。
「許さないって、どうするんですか」
「えー? ガリガリさんになっちゃったら俺、食わせるからね。俺好みのぷにぷにさんに戻るまで、肉やらお菓子やら無理矢理食べさせます。こう、口をぐわっと開けてどかどかーってね」
「ひ! そ、それは酷いです!」
「ふふ、酷いでしょ? だから適度にぷにぷにを維持していてね。はい、焼き鳥」
ビールを飲んで豆腐を食べようとしたところで、巽がニコニコと焼き鳥串を渡した。
焼き鳥は、好物だ。真夜は「うぅ」と躊躇した後、一本受け取った。早くもダイエットは終了しそうである。
「で、さ~。真夜ちゃん。俺、ちょっとだけショックだったんだけど、聞いてくれる?」
「はい。なんでしょう?」
巽がぱくぱくとホタテのバター焼きを食べながら、軽い口調で話し始めた。
こっくりとビールを飲んだ真夜が訊ねると、彼もビールを一口飲む。
「……二週間」
「……はい」
「ヤッた後、二週間、連絡ゼロだったよね、俺達」
「……はい」
決まり悪げに真夜が俯く。巽からメールが来る直前まで「彼との関係はもう自然消滅でいいかなー」等と思っていただけに、罪悪感がある。
「俺も連絡しなかったから人の事言えないけど、そもそも俺達の関係は、真夜ちゃんが提案してきた事だったんだよ? なのに一言も連絡がなくてさぁ。さすがに俺、傷ついたよ。これこそホントのヤリ捨てじゃない?」
「うっ、あのその、ごめんなさい。な、なんてメールしたらいいかわからなくて。つい……」
「何でもいいじゃん。昨日おつかれーとか」
「おつかれ……! そ、それはちょっと考えたんですけど、お疲れの内容が内容だけに、気が引けたといいますか」
結局何を言っても言い訳にしかならない。実際、自分はメールどころか、もっと薄情な事を考えていたのだ。ヤリ捨てと言われても仕方が無い。
真夜はしょんぼりして、両手を膝に乗せて深々と頭を下げる。
「すみません、何か一言連絡するべきでしたね。自分からお願いした事なのに」
「そうだよー。俺、用済みでポイされたのかと思っちゃった。今日のメールも実はドキドキしたんだよ。無視られたらどうしよう、みたいな」
「そ、そんな、無視なんてしません。……本当にごめんなさい。何か、こう、送るように努力しますから」
そう言いつつ内心では困り果てる。メールは真夜にとってトラウマであり、最も苦手な行為なのだ。面白い事が書けない返せない真夜は、いつもメール内容が簡潔で事務的になってしまう。顔文字絵文字デコレーションも、全てが難敵だ。
「あぁ、そっか。そういえば、真夜ちゃんはメールが苦手って言ってたね」
「……そうですね」
「じゃあさ、彼氏じゃなくて友達相手ならどんなメールしてるの?」
「友達も元彼と同じような感じです。簡潔で、内容によっては時間もかかって。だから私、友達もそんなに多くないんです。その……あまり長続きしなくて」
ほとほと困って、力なく焼き鳥を食べる。
真夜はとにかく、人間関係が長くもたないのが常だった。
ほとんど、生活の変わり目と共に疎遠になってしまう。真夜自身、自ら積極的に連絡するタイプではないし、時々送られるメールの返信はいつも事務的で面白みがない。
そんなだからいつも自然消滅してしまうのだ。昔つきあった彼氏のように。
「私、薄情なんでしょうね。人に対してそこまで強く思うことができないんです。ずっと友達でいたい……とか、ずっと恋人でいてほしい……とか」
「ふぅん。じゃあ俺にメールを返信する時も、めんどくさいなーとか思いながら返してたの?」
「そ、そんな事はないです。ちゃんと考えて返してるつもりです。ただ、苦手なだけで」
自分が長いメールを好まないから、どうしても文章が簡潔になってしまう。絵文字やデコレーションも使いどころがよくわからないし、むしろ無くても良いのではないか、とさえ思ってしまう。
だが、真夜の性質は他人から見ればただの無愛想で面白みの無い人間だ。だからいつも長続きしないのだ。
その事実を真夜は充分に自覚しているが、しかし自分を変えようとは思わなかった。何故なら彼女自身、独りが好きだからである。
学生時代は、その期間だけ生活に支障がない程度に知り合いができればいい。会社でもそうだ。円滑に仕事ができる程度に人間関係を構築できればいい。
つまり、真夜はそういう人間だった。そのあり方は確かに世間一般から見れば薄情に見えるだろう。
しかし巽は「ふーん」と軽く相槌を打つと焼き鳥を食べ、串をフリフリと振る。
「じゃあさ、提案なんだけど」
「提案?」
「うん。メール苦手なんでしょ? それなら一週間に一回はこうやって会うようにしようよ。メールのやり取りは、その為の日程調整とか連絡とかで済まそう。そういう事務的なメールならちゃんと打つんでしょ? 真夜ちゃんは」
「あ、そうですね。それならすぐに送れます」
「良かった。じゃあそれで決定ね」
ニッコリと笑って、巽は店員を呼び、ビールのおかわりを注文した。
彼の顔を見世物みたいにじろじろと見た店員が去って行き、真夜はぱく、とバーニャカウダにつけた野菜スティックを食べた。
「望月さんは、私のことを気遣い屋って言いましたけど、私からしてみれば、あなたのほうがよっぽど気遣い屋に見えます。私にそんな風に言ってくれた人、初めてですよ。事務的なメールでいい、なんて」
「俺もメールって長く打てない方なんだよね。だから気持ちが判らないわけじゃない。真夜ちゃんは愛想が悪いわけじゃないんだし、メールが苦手なら直接会って話したほうが双方にとって楽かなって思ったんだ。それだけだよ」
苦手なことを無理にしても楽しくないじゃない、と彼は笑う。しかしそうは言っても、その発想をしてくれる人が真夜の周りにはいなかったのだ。
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