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第二部 探索編~蛾楽
蛾楽の群れ(3)
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ふっと店の喧噪がやんだ。
店の炊事場で、主が煮炊きしている側で下働きをしている草太には、何が起こったのかはわからない。
気配を探った限りでは、客には別に怯えた様子もない。ただ、気を呑まれているような気配が伝わってくる。
さりげなく、酒瓶をもって店表に出てみた。
客が酒瓶を抱えた草太を認め、酒の替りを頼んだ。
他の客がぽかんとしたまま戸口を見ているので、草太も初めて気付いた、というふりをして戸口をみた。
女が立っていた。
あちこち綻びを繕い何度も水をくぐり、すっかり元の色も分からなくなった衣をまとった女。
だが、そのような粗末ななりであればあるほど、女の色香は隠し様がなかった。
顔は日にやけてはいたが、乳のような白い咽喉元。
その下に続く胸も、いくら襟元を掻きあわせても豊満な膨らみはこぼれるようであった。
適当に前を抑えるためだけに締めている帯の下の腰はなんと細いことだろう。
そこだけは濡れ濡れと艶のある黒い髪を無造作に束ね、戸口に立っていたその女はこの前みかけた女であった。
よくみれば口元にほくろがあり、息をするだけで艶めかしさを吐き出している女。こはとの清潔な美貌とは全く違う。どうして見違えたものか。
女は色香に匂わぬ、きっとした声をあげた。自分を注視している店内を睨みつけた。
「なに見てんだい。女がそんなに珍しいかよ?」
その声に客達は慌てて自分達の相手や、食べ物、酒肴に目を移した。
だが、ほの暗い店内に女の顔が白く浮かび上がり、客達はちらちらと女を盗み見していた。
草太がうっそりと頭をさげる。
女の声に主が出てきた。
「いらっしゃいまし」
女が主に声をかけた。
「うちのご主人さまが、ご酒宴を開きなさるのよ。
酒を買いにきたんだけど、酒屋の酒がもう売り切れなの。
すまないけど、酒を1樽買えないかしらね?」
主は愛想よく返事をした。
「へえ、ウチは構わねえですがね。お客さん、どうやって1樽も運びなさるね?
誰か男手でも連れてきなさってるのかい」
女は忌々しそうに舌をうった。
「それよ。酒屋の小僧と荷駄を借りようと思ったのだけど、それすら出払ってるのよ。
男手か、馬でも借りられるかしら?」
「うちは手押し車はあるがね」
主は困ったように言った。
「男はこいつしかおらなんだよ」
客がそっと草太をみた。
長身を不自由そうにかがめ、ぼんやりと床をみている男。
「この男でいいから、貸し出せないかしらね?」
女は草太のぼんやりとした、いかにも不自由そうな体つきをみて、いらいらしたように言った。
「まあ、この店はいんだけども。伍助。おまえ、行ってくるか」
主が草太を振り向いた。
草太はまた、うっそりと頭をさげた。
草太が酒樽を荷車に積み込むのを主も手伝い、草太と女は出発した。
城門を出て、山道を辿るまでどちらも口をきかなかった。
「あんた。」
唐突に女は口をきいた。
「いつまでそんな振りしてんのさ。あんた、時苧のところの忍ぶだろう?」
(見破られていたのか?)
衝撃ではあったが、草太はそのまま、「伍助」のままであった。カマをかけられたからといって馬脚をあらわすほど、幼くはない。
「この前さ、あんた、あたしに見ほれてただろう」
女は愉快そうに告げた。
「時苧の若い時分にそっくりだったものでね。で、その後あんたの後をつけさせたら、あの店に入っていったからさ。ああ、探索にきてるんだ、と思ったのよ」
「あんたは」
草太は思い当たることがあり、思い切って口の中で呟いた。常人には聞き取れないほどの幽かな呟き。
「吉蛾の『蜘蛛の糸』か」
その言葉に、女は反応した。それで充分だった。
「それと、時苧の宿代わりをね」
女はにやっと笑った。
(あのじじー)
草太は忌々しく思った。
(探索は女の探索も兼ねていたのか)
「あんたは若いけど、時苧の息子なの? 代替わりしたの?」
矢次早の質問に、草太は応えた。
「いや。オレは棟梁の孫だが、代替わりはしていない。
オレは棟梁の紡いだ『蜘蛛の糸』をもう一度張り巡らしにきたんだ」
祖父が肌を赦した女だ。
油断はできないが、すぐに命をやりとりすることもなかろうと踏んだ。
殺気は感じられない。
(だが、殺気を悟らせないほうが手練れだ)
草太は神経を研ぎ澄ませた。
「……ふん。諏和賀の殿がお亡くなりになって、吉蛾は壊滅させられたって聞いたけど。
『蜘蛛の糸』をもう一度張り巡らしにきたってことは、お家は再興したってことかい」
(……さすが、じじー。目が肥えてやがる。容姿もいいけど、頭も切れるな)
草太は素直に関心したが、まだこの女に全面的に心を許した訳ではなかった。
『蜘蛛の糸』は、忍ぶによって作られた情報網だ。
それが綻びていた今では、情報が欲しければ己が独自で探索するしか術はない。
諏和賀から1旬はかかるこの町で。諏和賀の情報をここまで知りながら、里の者にその存在すら知られておらぬとは、まことの同朋とはにわかには信じがたい。
「あたしは今、ある群落にお世話になっているのさ」
女が群落の名を告げた。
それは草太が目していた群落の一つで、中でも一番潜入方法を思案していた群だった。
願ってもない話だった。
(だが、話が上手すぎる)
おそらく、草太の隠密行動が水が漏れたのだ。
しかし、罠であっても、潜入できる好機を逸することは出来なかった。
「特殊な邑だけどね。あたしの男になるなら、歓待するよ」
女は楽しそうに言った。
草太の心は決まった。
「世話になろう」
店の炊事場で、主が煮炊きしている側で下働きをしている草太には、何が起こったのかはわからない。
気配を探った限りでは、客には別に怯えた様子もない。ただ、気を呑まれているような気配が伝わってくる。
さりげなく、酒瓶をもって店表に出てみた。
客が酒瓶を抱えた草太を認め、酒の替りを頼んだ。
他の客がぽかんとしたまま戸口を見ているので、草太も初めて気付いた、というふりをして戸口をみた。
女が立っていた。
あちこち綻びを繕い何度も水をくぐり、すっかり元の色も分からなくなった衣をまとった女。
だが、そのような粗末ななりであればあるほど、女の色香は隠し様がなかった。
顔は日にやけてはいたが、乳のような白い咽喉元。
その下に続く胸も、いくら襟元を掻きあわせても豊満な膨らみはこぼれるようであった。
適当に前を抑えるためだけに締めている帯の下の腰はなんと細いことだろう。
そこだけは濡れ濡れと艶のある黒い髪を無造作に束ね、戸口に立っていたその女はこの前みかけた女であった。
よくみれば口元にほくろがあり、息をするだけで艶めかしさを吐き出している女。こはとの清潔な美貌とは全く違う。どうして見違えたものか。
女は色香に匂わぬ、きっとした声をあげた。自分を注視している店内を睨みつけた。
「なに見てんだい。女がそんなに珍しいかよ?」
その声に客達は慌てて自分達の相手や、食べ物、酒肴に目を移した。
だが、ほの暗い店内に女の顔が白く浮かび上がり、客達はちらちらと女を盗み見していた。
草太がうっそりと頭をさげる。
女の声に主が出てきた。
「いらっしゃいまし」
女が主に声をかけた。
「うちのご主人さまが、ご酒宴を開きなさるのよ。
酒を買いにきたんだけど、酒屋の酒がもう売り切れなの。
すまないけど、酒を1樽買えないかしらね?」
主は愛想よく返事をした。
「へえ、ウチは構わねえですがね。お客さん、どうやって1樽も運びなさるね?
誰か男手でも連れてきなさってるのかい」
女は忌々しそうに舌をうった。
「それよ。酒屋の小僧と荷駄を借りようと思ったのだけど、それすら出払ってるのよ。
男手か、馬でも借りられるかしら?」
「うちは手押し車はあるがね」
主は困ったように言った。
「男はこいつしかおらなんだよ」
客がそっと草太をみた。
長身を不自由そうにかがめ、ぼんやりと床をみている男。
「この男でいいから、貸し出せないかしらね?」
女は草太のぼんやりとした、いかにも不自由そうな体つきをみて、いらいらしたように言った。
「まあ、この店はいんだけども。伍助。おまえ、行ってくるか」
主が草太を振り向いた。
草太はまた、うっそりと頭をさげた。
草太が酒樽を荷車に積み込むのを主も手伝い、草太と女は出発した。
城門を出て、山道を辿るまでどちらも口をきかなかった。
「あんた。」
唐突に女は口をきいた。
「いつまでそんな振りしてんのさ。あんた、時苧のところの忍ぶだろう?」
(見破られていたのか?)
衝撃ではあったが、草太はそのまま、「伍助」のままであった。カマをかけられたからといって馬脚をあらわすほど、幼くはない。
「この前さ、あんた、あたしに見ほれてただろう」
女は愉快そうに告げた。
「時苧の若い時分にそっくりだったものでね。で、その後あんたの後をつけさせたら、あの店に入っていったからさ。ああ、探索にきてるんだ、と思ったのよ」
「あんたは」
草太は思い当たることがあり、思い切って口の中で呟いた。常人には聞き取れないほどの幽かな呟き。
「吉蛾の『蜘蛛の糸』か」
その言葉に、女は反応した。それで充分だった。
「それと、時苧の宿代わりをね」
女はにやっと笑った。
(あのじじー)
草太は忌々しく思った。
(探索は女の探索も兼ねていたのか)
「あんたは若いけど、時苧の息子なの? 代替わりしたの?」
矢次早の質問に、草太は応えた。
「いや。オレは棟梁の孫だが、代替わりはしていない。
オレは棟梁の紡いだ『蜘蛛の糸』をもう一度張り巡らしにきたんだ」
祖父が肌を赦した女だ。
油断はできないが、すぐに命をやりとりすることもなかろうと踏んだ。
殺気は感じられない。
(だが、殺気を悟らせないほうが手練れだ)
草太は神経を研ぎ澄ませた。
「……ふん。諏和賀の殿がお亡くなりになって、吉蛾は壊滅させられたって聞いたけど。
『蜘蛛の糸』をもう一度張り巡らしにきたってことは、お家は再興したってことかい」
(……さすが、じじー。目が肥えてやがる。容姿もいいけど、頭も切れるな)
草太は素直に関心したが、まだこの女に全面的に心を許した訳ではなかった。
『蜘蛛の糸』は、忍ぶによって作られた情報網だ。
それが綻びていた今では、情報が欲しければ己が独自で探索するしか術はない。
諏和賀から1旬はかかるこの町で。諏和賀の情報をここまで知りながら、里の者にその存在すら知られておらぬとは、まことの同朋とはにわかには信じがたい。
「あたしは今、ある群落にお世話になっているのさ」
女が群落の名を告げた。
それは草太が目していた群落の一つで、中でも一番潜入方法を思案していた群だった。
願ってもない話だった。
(だが、話が上手すぎる)
おそらく、草太の隠密行動が水が漏れたのだ。
しかし、罠であっても、潜入できる好機を逸することは出来なかった。
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