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12歳《中等部》
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しおりを挟むヒタヒタと言う足音と共に流れる魔力が変わった。
本当に最悪だ。
第1陣の騎士たちに魔法薬を飲むように指示をだす。テオも魔法薬を飲んで頷いてくれた。本当にいい子。絶対に殺させないから前線は頼んだよ。
僕も結界を張って光魔法の準備をしていく。直ぐに発動できるように簡略化はしてるけど即死なら笑えないからね。
1発だけ僕の魔法を打って始めたい。だから光の槍を適当に放つ。正直大きさも形も分からないから見えたらいいなくらいの感覚で。
なにかの悲鳴と一緒に見えたのは人間より大きなラミア。上半身が人間とか殺りにくい。というか僕はいいとして他の騎士は殺せるの?テオ様でも生物殺すの躊躇ってたんだよ。
まずは視界の確保かな。
《ライト》
フワッと僕の周りから光を出す。生活魔法レベルの魔法。使えるのは光魔法と火魔法の使い手くらいだけどね。火魔法は酸素使うからこういう洞窟じゃおすすめしない。
早くも影を使ってテオ様が後ろに回り込んでる。僕と数人の魔法師は支援だから攻撃魔法じゃなくて身体強化や防御魔法をかけてく。騎士は鍛えたらそれでいいけど魔法師はまず魔法の才能がなきゃ練習すらできないからね。探すのに苦労した。しかも支援系が得意なのを探してたから片手で数えられるくらいしかいない。
僕はテオ様特化だし、刻魔法使わないといけないから私兵たちにはなにもしてあげられない。1人あたりの魔力だってこんだけ少なかったら限られてる。みんながみんな僕やテオ様、ルディみたいに多いわけじゃない。騎士たちは頑張ってふんばってね。死んでも生き返らすから死ぬ心配はいらないよ。
テオ様の攻撃に気づいたのかラミアが蛇のしっぽでぶっ叩く。あのくらいならテオ様で防御できる。と思うけどテオ様の背中側にクッションとなる防御魔法をかけてあげる。
テオ様が1番に懐に飛び込んでくれたおかげで行き遅れた騎士たちは無事。あれ当たってたら肉片になって僕が治さなきゃいけなくなった。しっかりして欲しい。
案の定、数人の騎士たちが足踏みしてる。ほんと…どうしようもないな。
僕が彼らにさっきを飛ばしてやっと歩を進めた。殺気に気づいたラミアも僕を見たけど。
ラミアって魔法が使えるはずなんだよね。
《プロテクション》
空間魔法を付与した防御魔法を張って攻撃魔法も準備する。テオ様が頑張ってるんだもん。隙くらいは作ってあげたい。
生物としての弱点は斬撃。気をつける点は魔法を使うこと。これだけ育ったのなら魔力も多いだろうからね。
ブンッと水の玉がラミアの周りに浮かぶ。詠唱もなしでそれか。本当に魔獣って恐ろしい。
案の定気配を消したテオ様は無視して、怯えてる騎士たちも無視して、バチくそ殺気を向けてる僕に向かって魔法を打ってきた。
もちろん空間転移でラミアに当てる。テオ様にだけは当てないように細心の注意は払ってるよ。
でもまぁ魔法はあまり効果なさそうなんだよね。
貫通力のある魔法なら効くのかな。ラミアは書籍でしか知らないから手探りにしかならないのが手痛いよね。人間の強みなんて培った知識しかないのにさ。
テオ様も奥の方で立ち上がったから隙を作るためにダークランスを出してラミアに向ける。こうすれば嫌でも僕を見るでしょ。テオさまはその隙に切りつけてね。
まだ人が死んでないのは行幸だね。数年かけて鍛えた甲斐が有る。
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