普通の夏休みのはずだった

おばあちゃんと過ごした日々

僕には、お母さんとお父さんがいない。僕が生まれてすぐ、交通事故で、亡くなった。そんな僕を引き取ってくれたのがばあちゃん！今、僕いやオレは、15歳！もうすぐ中学卒業する。
こんなに大きくなったのはおばあちゃんのおかげだ！オレが引き取られた時、おばあちゃんは、若かった。今は、歳もとって、ほとんどが、寝て過ごす日々。オレは卒業したら、東京で一人暮らしをするつもりだ。東京で働いて、稼いで、おばあちゃんに親孝行したい！好きなものを買って上げたり、今までしてくれたこと恩返ししたい。でもそんな願いは叶わなかった。東京に着いて、1週間ほどたった時、電話が鳴った。病院からだ｡それは、おばあちゃんが昨日倒れて、入院したという知らせだった。俺は、言葉をうしなった。俺は、すぐ準備をして、おばあちゃんが、入院してる病院へ、向かった。着いてすぐ、医者からとんでもないことを、言われた。「あなたのおばあちゃんは、今日ぐらいしか、もたないでしょう。最後までそばにいてあげて下さい。」俺は、、突きつけられた、現実を受け止められなかった。俺は、おばあちゃんのそばにかけよった。しっかりと、手を握った。おばあちゃんに、できる親孝行。それは、何かを買ってあげるとかではなく、最後まで、おばあちゃんのそばにいてあげるという事だと、俺は思った｡俺が、うつむいていると、おばあちゃんに、こんなことを言われた。「あなたは、心が強いから、！わたしが居なくなっても、現実を受け止められるわよね。あなたならやれる。誰にも負けないぐらい強いんだから。」おばあちゃんは、しだいに、力が弱くなってきた。最後におばあちゃんが、「ありがとう」その言葉を残し、この世を去っていった。俺は、膝を崩し、喉の奥から泣き叫んだ。結局なんにも出来なかった。今までしてくれたこと恩返し出来なかった。でも、おばあちゃんが居なくなっても現実を受け止めて。そう言われたから俺は、泣きたい気持ちを抑え、おばあちゃんのお葬式やお通夜が終わった次の日から、仕事復帰した。俺は、現実を受け止めた。これから前向きに進もうと、思った。俺は、何年か経ち、結婚した。結婚してしばらく経ち、子供も、生まれた。男の子だった。名前は健太にした。健太は、ときが流れると同時に、ぐんぐん成長していった。これからどんな事があっても、健太だけには不自由になってもらいたくない。それが俺たち、夫婦の願いだった。俺たちは、ずいぶん年をとった。健太は、ぐんぐん大きくなった。健太も中学卒業後東京へ、働きに出た。子供をきちんと育て上げた。その喜びでいっぱいだった。やっと夫婦水いらず伸び伸び暮らせると思うと、嬉しくて嬉しく仕方ない！あれから何年たっただろうか。俺たちは、ずいぶん年をとった｡そんな時、健太が、帰ってきたのだ。子供を抱きかかえて帰ってきたのだ。健太に聞くと、孫だった。俺たち夫婦は、心から喜んだ。これ程嬉しいことは無いと言うほど喜んだ。孫だけには、優しくし、何でも買ってあげたいと思った｡そんな願いも叶おうとしなかった。健太たちが帰って何年か経とうとしていたある日のことだった。俺は、洗濯物を取り込んでると、とつぜん息苦しくなった。とても立っていられる状態では無かった。倒れてる状態で幸いズボンのポケットに入れておいた携帯があったので、救急車を呼んだ。救急車で運ばれ病院で言われたのは、とてもショックな事だった。「あなたは、余命1週間です」
その言葉にショックを隠しきれなかった。嫌だ。また孫にもなんにも出来ないで嫌だ！だからちゃんと治して、出来るだけ長く生きなきゃ！しかし、時が過ぎるにつれ、俺は、動けなくなった。酸素マスクをしなきゃ息が出来なくなった。力が入らない。喋りずらい。ご飯さえ食べれなくなって、栄養剤を入れてる。トイレさえ行けない。身の回りの支度が、なんにも出来なくなった。まるであの時のおばあちゃんのような状態だった。でも、俺が死んだらおばあちゃんに会えるかな？みんなは悲しんでくれるかな？そんな気持ちを胸に、俺は、1滴の涙を流し、力が抜けるのを感じながら、旅立った。これからの未来を健太、孫に託し旅立った。みんなありがとう。おばあちゃんありがとう。天国で、会おうね！バイバイ！みんな大好きだよ！