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第二章 悪魔と妖精
キリオ
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「やっと私を呼んでくれた」
私は自室に戻ったあと、ベットの隣に椅子を持ってきてベットに座る私と向き合うような位置に設置した。
ベットに座っていてしばらく待つと、風がピュウと吹き、目の前の椅子にキリオが現れた。
「さてさて、まずどこから説明しましょうか…」
「はい!質問です!」
「はい、元気のいい声です!どうぞ!」
私は手をピーンと上げたまま質問した。
「キリオさんって、アイヌの人なんですか?」
「ピンポーン!大正解!!」
私はおぉ…と感動した。感動とともに新たな疑問が浮かんだ。
「いつ頃の…どのくらいの時代のアイヌの人なんですか?というか、召喚された時ってキリオさんは何をしてましたか?」
うーん、とキリオさんは腕を組んだ。
「確か確か…飛騨屋が不正な過剰取引を勝手に結んで…隣のジジ様が老体が疼くわいと、武器を集めて戦いの準備をしてたな~…。あぁ、そうだ。私は仲間にツキノエ様への報告を頼まれたんだが…道中キムンカイムにバッタリ会って…」
飛騨屋、不正取引、戦い、ツキノエ様…これらのキーワードを聞き、私は驚きのあまり口をだらしなくポケーと開けた。
「追いつかれてムシャボリ喰われているところを妖精の管理者…妖精の王にここへ召喚という形で連れてこられました」
なかなかグロっちぃ話をかるーくまとめているけど…キムンカイムって…ヒグマのことじゃ…結構痛かったんじゃないだろうか…。
私はキリオさんの話を聞いて若干ひいた。
「それから、妖精の王に私は魔法を手取り足取り教えこまれ、十年ほど前に妖精の王として私は妖精を管理し、統べるものになりました」
なるほど…。と私は頷いた。だから、先ほどマルさんが王の匂い…って言ってたんだ…。
十年ほど前って言ってるけど…二十代後半に見える二百年以上前から来たキリオさんは一体全体人間なのだろうか…。
「安心してください、人間です。魔力を高めたため、肉体を少し強化して普通の人より丈夫になっているだけです。だからこんなに長生きできるんです」
「へぇ…凄いですね…。というか、勝手に脳内を読み取るのやめて下さい」
おっと、ごめんごめん、つい癖で。とキリオさんは平謝りした。
「…と、言うわけで…私の事をだいたい理解することは出来ましたか?」
私は苦々しい顔をして、ゆっくり頷いた。
よろしい、とキリオさんはニコニコ拍手した。
「私の説明は終わりました。次はユキさんの番です。風の坊やから、あなたは私と同じで召喚されたと聞きました。妖精だけではなく、悪魔からも祝福を受けていると…」
私は知っている限りの範囲で答えた。もしかしたら、敵のグループを知っているかもしれない…もしかしたら、帰れるかもしれない…。
キリオさんは静かに表情を変えることなく聞いていた。話終えると、フーとため息をついて口を開いた。
「大変なものですね…まだ、こんな若いのに…」
キリオさんは同情を言葉にした。キリオさんの言葉は哀れみをもっての言葉ではなく、ただただ淡々としていた。同じ苦労を知っているからこその言葉だ。
「あなたは妖精界のなかでちょっとした時の人となっています。やたらちょっかいを掛けてくる子供たちがいるかもしれませんが、許してやってくださいね?」
キリオさんはヤレヤレと肩を落とした。随分と妖精達の管理には手を焼いているらしい。私はそんな彼を見てプッと吹き出した。
「見た目は随分若いのに…キリオさんって、随分中身がお年寄りですね」
彼はトホホと頷いた。
「随分と生きてますからね…しょうがない事です…」
ちょっと気にしているらしい…。
私はふと思った。もしかしたら、キリオさん…長い間ずっと肩身が狭かったのかなと…いくら、周りの人がいい人でも…寂しかったのんじゃないかなと…。
私はピーンとあることを思いついた。
「妖精の王ってことは…魔法大得意?」
そう聞くとキリオさんはモチロン!!と胸を逸らしてドヤ顔。
「あの…これから、夜の間だけでいいんで…魔法を教えてくれませんか…??」
そう聞くと、キリオさんは顔を輝かしてウンウン頷いて快く了承してくれた。やっぱり、話し相手が欲しかったのかな…??
「私は人間…だけど妖精でもある…。ユキ…君に教えてあげるかわりにこちらからのお願いを聞いてくれないでしょうか…」
ビクッと私は固まった…。まさか見返りを要求してくるとは思わなかった…。
私は身構えた。
「そう警戒しなくていいよ…。ただ、私の主になってほしい。妖精でもある私には契約が必要なんだ…。じゃないと、妖精としての魔力が解放できない。だからユキ…私と契約して主になり、私に第二の妖精としての名前をくれないか…?」
私は目を見開いた…。え?契約?
「じゃないと、ユキに魔法を教えませーん!」
「はぁ!?」
ピリピリした雰囲気が一変…キリオさんの最後の一言により緊張がぶち壊された。
ここに来て…その脅しは大人気ないですよキリオさん…
私は自室に戻ったあと、ベットの隣に椅子を持ってきてベットに座る私と向き合うような位置に設置した。
ベットに座っていてしばらく待つと、風がピュウと吹き、目の前の椅子にキリオが現れた。
「さてさて、まずどこから説明しましょうか…」
「はい!質問です!」
「はい、元気のいい声です!どうぞ!」
私は手をピーンと上げたまま質問した。
「キリオさんって、アイヌの人なんですか?」
「ピンポーン!大正解!!」
私はおぉ…と感動した。感動とともに新たな疑問が浮かんだ。
「いつ頃の…どのくらいの時代のアイヌの人なんですか?というか、召喚された時ってキリオさんは何をしてましたか?」
うーん、とキリオさんは腕を組んだ。
「確か確か…飛騨屋が不正な過剰取引を勝手に結んで…隣のジジ様が老体が疼くわいと、武器を集めて戦いの準備をしてたな~…。あぁ、そうだ。私は仲間にツキノエ様への報告を頼まれたんだが…道中キムンカイムにバッタリ会って…」
飛騨屋、不正取引、戦い、ツキノエ様…これらのキーワードを聞き、私は驚きのあまり口をだらしなくポケーと開けた。
「追いつかれてムシャボリ喰われているところを妖精の管理者…妖精の王にここへ召喚という形で連れてこられました」
なかなかグロっちぃ話をかるーくまとめているけど…キムンカイムって…ヒグマのことじゃ…結構痛かったんじゃないだろうか…。
私はキリオさんの話を聞いて若干ひいた。
「それから、妖精の王に私は魔法を手取り足取り教えこまれ、十年ほど前に妖精の王として私は妖精を管理し、統べるものになりました」
なるほど…。と私は頷いた。だから、先ほどマルさんが王の匂い…って言ってたんだ…。
十年ほど前って言ってるけど…二十代後半に見える二百年以上前から来たキリオさんは一体全体人間なのだろうか…。
「安心してください、人間です。魔力を高めたため、肉体を少し強化して普通の人より丈夫になっているだけです。だからこんなに長生きできるんです」
「へぇ…凄いですね…。というか、勝手に脳内を読み取るのやめて下さい」
おっと、ごめんごめん、つい癖で。とキリオさんは平謝りした。
「…と、言うわけで…私の事をだいたい理解することは出来ましたか?」
私は苦々しい顔をして、ゆっくり頷いた。
よろしい、とキリオさんはニコニコ拍手した。
「私の説明は終わりました。次はユキさんの番です。風の坊やから、あなたは私と同じで召喚されたと聞きました。妖精だけではなく、悪魔からも祝福を受けていると…」
私は知っている限りの範囲で答えた。もしかしたら、敵のグループを知っているかもしれない…もしかしたら、帰れるかもしれない…。
キリオさんは静かに表情を変えることなく聞いていた。話終えると、フーとため息をついて口を開いた。
「大変なものですね…まだ、こんな若いのに…」
キリオさんは同情を言葉にした。キリオさんの言葉は哀れみをもっての言葉ではなく、ただただ淡々としていた。同じ苦労を知っているからこその言葉だ。
「あなたは妖精界のなかでちょっとした時の人となっています。やたらちょっかいを掛けてくる子供たちがいるかもしれませんが、許してやってくださいね?」
キリオさんはヤレヤレと肩を落とした。随分と妖精達の管理には手を焼いているらしい。私はそんな彼を見てプッと吹き出した。
「見た目は随分若いのに…キリオさんって、随分中身がお年寄りですね」
彼はトホホと頷いた。
「随分と生きてますからね…しょうがない事です…」
ちょっと気にしているらしい…。
私はふと思った。もしかしたら、キリオさん…長い間ずっと肩身が狭かったのかなと…いくら、周りの人がいい人でも…寂しかったのんじゃないかなと…。
私はピーンとあることを思いついた。
「妖精の王ってことは…魔法大得意?」
そう聞くとキリオさんはモチロン!!と胸を逸らしてドヤ顔。
「あの…これから、夜の間だけでいいんで…魔法を教えてくれませんか…??」
そう聞くと、キリオさんは顔を輝かしてウンウン頷いて快く了承してくれた。やっぱり、話し相手が欲しかったのかな…??
「私は人間…だけど妖精でもある…。ユキ…君に教えてあげるかわりにこちらからのお願いを聞いてくれないでしょうか…」
ビクッと私は固まった…。まさか見返りを要求してくるとは思わなかった…。
私は身構えた。
「そう警戒しなくていいよ…。ただ、私の主になってほしい。妖精でもある私には契約が必要なんだ…。じゃないと、妖精としての魔力が解放できない。だからユキ…私と契約して主になり、私に第二の妖精としての名前をくれないか…?」
私は目を見開いた…。え?契約?
「じゃないと、ユキに魔法を教えませーん!」
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