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第三章 謎の暗殺者
ユキの好奇心
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頭が真っ白になった。
目の前でヒューさんが魔獣たちに貪り喰われ、血の塊へと化している…。どうすればいい?私は…どうすればいいのだろうか?
「ヒューさん!ヒューさん!!」
叫ぶことしか出来ない私に腹が立った。この役たたずめ!
震えが止まらない。
知り合いが目の前で残酷な死を迎えようとしているなかでの悲しみなのか、救えぬ自分への怒りなのか…ドロドロと気持ちが暗く沈んで行く。
ハタリと周りが暗くなるのを感じた。少年を包む光が無くなったのだ。
少年はスゥスゥと寝息を立てて気持ちよさそうに寝ていた。傷が癒えたのだ。
私は少年の胸へ耳を押し付けた。
トォクン、トォクン
生きている。
ここで、ボーとしていたら魔獣たちが標的を変え、私たちを襲ってくるに違いない。そしたら、せっかく少年の繋がれた命が一つ消えてしまう。
『嬢ちゃん、それが終わったらそいつを連れて早く逃げるんだ!!』
さっき言われたヒューさんの言葉が耳をザワりと撫でた。
逃げる?でも、そしたらヒューさんが…
私はヒューさんを見つめた。涙で視界が滲む。が、私はヒューさんの目を見た。
俺が食われているうちに逃げろ、時間が無い…!!
そう言われている気がした。
『別に…恨まれたら怖いから』
私はアルさんとの最初の頃のやりとりを思い出した。多分本当に気まぐれで助けたんだと思う。それでもいいと私は思った。だって、私生きてるもん。
「せっかく助けてもらったのに…かっこ悪いね私…」
私は少年のサラサラした髪を撫でた。ヒューさんは命懸けで私やこの子を守ってくれている。それに応えないでどうすんだ!
しかし、私はヒューさんが望む応えをするつもりなどサラサラない。
「どぉけえぇぇぇぇええ!!」
私はヒューさんを貪る魔獣たちへ突っ込んだ。
応え方なんてたくさんある。用意されたものだけが最善とは限らない。自分の意志で選択する。
「ば…か…、なんで…」
その言葉を発するのを最後にヒューさんはガクリと力尽きた。
私はヒューさんの喉元へ噛み付いている魔獣に体当たりをして吹き飛ばした。魔獣は大型犬くらいの大きさで、私の体当たりで簡単に飛ぶ。
魔獣たちは警戒のためかヒューさんの体からパット引いて距離を取り離れた。
警戒の対象外だったやつが、いきなり参上したためどう対応すべきか迷っているように感じる。ギョロギョロと沢山の目玉を回している。
正直のところ、飛び込んで体当たりまで成功した私だが…私も次の行動をどうするべきか迷っている。
そんな私の元に一匹の魔獣が突っ込んできた。ヒューさんの最初の状況と同じだ。様子見ってとこか…。
おんなじ状況の中、ヒューさんの場合は鋭い爪で軽々と魔獣を薙ぎ払ったが…そんなこと鋭い爪や強靭な肉体を持たない私に出来るはずない。
「さて…どう倒そうか…」
魔獣たちの狙いは私の後ろにいる少年だ。その少年を守りながら、ヒューさんも守る。
さらに、ヒューさんの怪我の具合を見るに、今すぐにさっきの回復魔法?を掛けてあげなければいけないのに…
「グルァァ!!」
突っ込んできた魔獣が私の喉元をめがけて口を開けた。咬み殺す気か。
「ふぅんぬ!!」
私はその攻撃を全力で避けた。魔獣は勢いの余韻で少しタタッと走り、また突っ込んできた。
この時私はある事を思い出すとともに、ある好奇心が湧いた。
ある事とは私の固有魔法のこと、そして好奇心というのは“私の固有魔法の全力の威力”…。
今まで私は魔力の制御の特訓に力を入れていた。だから、一度も全力を出したことが無い。
私は突っ込んできた魔獣をもう一度避けた。この魔獣は私で遊んでいるのだ。だから、ヒューさんの時のようなスピードも怖さもない。離れて見ている魔獣たちも茶化すかのようにケタケタと笑っている。
「その油断が仇となるんだよ」
魔獣たちがすべて同じ方向にいることを確認し、私は両手をパーにして前に出した。
私が少し変に動いたためか、また警戒して魔獣たちは動かない。好都合だ。
「女だからって舐めちゃダメだよ?」
私は今までに無いくらいの魔力を手に込めた。
目の前でヒューさんが魔獣たちに貪り喰われ、血の塊へと化している…。どうすればいい?私は…どうすればいいのだろうか?
「ヒューさん!ヒューさん!!」
叫ぶことしか出来ない私に腹が立った。この役たたずめ!
震えが止まらない。
知り合いが目の前で残酷な死を迎えようとしているなかでの悲しみなのか、救えぬ自分への怒りなのか…ドロドロと気持ちが暗く沈んで行く。
ハタリと周りが暗くなるのを感じた。少年を包む光が無くなったのだ。
少年はスゥスゥと寝息を立てて気持ちよさそうに寝ていた。傷が癒えたのだ。
私は少年の胸へ耳を押し付けた。
トォクン、トォクン
生きている。
ここで、ボーとしていたら魔獣たちが標的を変え、私たちを襲ってくるに違いない。そしたら、せっかく少年の繋がれた命が一つ消えてしまう。
『嬢ちゃん、それが終わったらそいつを連れて早く逃げるんだ!!』
さっき言われたヒューさんの言葉が耳をザワりと撫でた。
逃げる?でも、そしたらヒューさんが…
私はヒューさんを見つめた。涙で視界が滲む。が、私はヒューさんの目を見た。
俺が食われているうちに逃げろ、時間が無い…!!
そう言われている気がした。
『別に…恨まれたら怖いから』
私はアルさんとの最初の頃のやりとりを思い出した。多分本当に気まぐれで助けたんだと思う。それでもいいと私は思った。だって、私生きてるもん。
「せっかく助けてもらったのに…かっこ悪いね私…」
私は少年のサラサラした髪を撫でた。ヒューさんは命懸けで私やこの子を守ってくれている。それに応えないでどうすんだ!
しかし、私はヒューさんが望む応えをするつもりなどサラサラない。
「どぉけえぇぇぇぇええ!!」
私はヒューさんを貪る魔獣たちへ突っ込んだ。
応え方なんてたくさんある。用意されたものだけが最善とは限らない。自分の意志で選択する。
「ば…か…、なんで…」
その言葉を発するのを最後にヒューさんはガクリと力尽きた。
私はヒューさんの喉元へ噛み付いている魔獣に体当たりをして吹き飛ばした。魔獣は大型犬くらいの大きさで、私の体当たりで簡単に飛ぶ。
魔獣たちは警戒のためかヒューさんの体からパット引いて距離を取り離れた。
警戒の対象外だったやつが、いきなり参上したためどう対応すべきか迷っているように感じる。ギョロギョロと沢山の目玉を回している。
正直のところ、飛び込んで体当たりまで成功した私だが…私も次の行動をどうするべきか迷っている。
そんな私の元に一匹の魔獣が突っ込んできた。ヒューさんの最初の状況と同じだ。様子見ってとこか…。
おんなじ状況の中、ヒューさんの場合は鋭い爪で軽々と魔獣を薙ぎ払ったが…そんなこと鋭い爪や強靭な肉体を持たない私に出来るはずない。
「さて…どう倒そうか…」
魔獣たちの狙いは私の後ろにいる少年だ。その少年を守りながら、ヒューさんも守る。
さらに、ヒューさんの怪我の具合を見るに、今すぐにさっきの回復魔法?を掛けてあげなければいけないのに…
「グルァァ!!」
突っ込んできた魔獣が私の喉元をめがけて口を開けた。咬み殺す気か。
「ふぅんぬ!!」
私はその攻撃を全力で避けた。魔獣は勢いの余韻で少しタタッと走り、また突っ込んできた。
この時私はある事を思い出すとともに、ある好奇心が湧いた。
ある事とは私の固有魔法のこと、そして好奇心というのは“私の固有魔法の全力の威力”…。
今まで私は魔力の制御の特訓に力を入れていた。だから、一度も全力を出したことが無い。
私は突っ込んできた魔獣をもう一度避けた。この魔獣は私で遊んでいるのだ。だから、ヒューさんの時のようなスピードも怖さもない。離れて見ている魔獣たちも茶化すかのようにケタケタと笑っている。
「その油断が仇となるんだよ」
魔獣たちがすべて同じ方向にいることを確認し、私は両手をパーにして前に出した。
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