未完成

夢。リアル。

即死……



「銃殺……か。」





ポツリとベッドの上で、誰にも聞こえないくらいの声で言った。
まぁ、一人暮らしの自分の声など聞く人なんていないか。
そう思いながらふと枕を見た。
濡れている……
夢のせいで泣いたのか。
あんな夢を見たんだ、こうなってもおかしくないだろう。
そう思い枕カバーを外して洗濯機のほうに投げた。



昔から、変な夢を見る。
宇宙人とか幽霊とかそういうものじゃない。
夢で起こるのは、決まって殺し合い……
血の匂い。肉が腐敗した匂い。
夢とは思えないほどリアルなのだから逆に笑えてくる。
20代くらいの男女が殺し合う。
そんな夢を物心ついた時から、見ていた僕は鬱にかかり、寝ることが怖くなった。


しかし何歳のときでも、決まって夢に出てくるのは若い男、と決まっていた。
直感で自分なんだと、小さいながらも感じていた。
そして、今年20歳になった自分の容姿と、夢の自分が全く同じなことに驚いた。
最近自転車の事故でできた頬にある傷や、美容師さんが失敗して少し明るくなった茶髪の髪の毛、ずっとやっていた空手を最近やめて少し筋肉の落ちた色白の体。
世間一般で見たら身長も高い方で大学でもときたま、女子に声をかけられることはあった。
といっても、女子とは話せないので付き合うに発展したことは無いが、



小さい頃から大人の自分の容姿を想像出来ていた。
そう考えると自分は予知能力ができるのかと馬鹿げ妄想をしてしまう。


そんなことを考えながらコーヒーを入れる。
朝の日課だ。
そんな時インターホンが鳴った。