未完成

同じ境遇。

「はい……？」

「みち～？俺だよ～」

「あぁ、秋か。いいよ、勝手に入っても合鍵渡しただろ。」 

「あっ、そーだったぁ！忘れてたよ～」






門秋(かど あき)
未知の唯一の理解者であって親友だ。
秋は大学の空手のサークルで知り合った。
性格は明るくて、未知とは真逆な性格だ。
そしてこの不思議な夢を見るプレイヤーでもある。





それがわかったのは夢での再会である。
お互い初めてあった時は動揺を隠せずゲームオーバーしてしまったが、それからは協力してプレイしている。



秋と会ったことは利点が多かった。
ゲーム(夢)のルールがわかったのと死ななくて済むということだ。
人を殺しても夢から出れる。
自殺してもでれる。
朝の6時になれば勝手に目が覚めるということ。
そこから二度寝をすると、次起きるのは死んだ時、殺した時、次の日の6時にまた目を覚ますか。になる。


二度寝をするのはまずないだろう。
プレイヤーは極力寝ることを避けると思う。
事実僕はそうだ。
死んだ時感じる痛みは、夢とは思えないほどの苦痛だからだ。
プレイヤーで寝るのが好きなやつは、マゾヒスティックしかいないだろう。
それかもうひとつの裏のルールがあるのかもしれない。



外は暗い。
真っ赤に燃えるような夕日が姿を消していた。
どす黒い空に1匹のカラスが飛んでいるのが見えた気がした。