悪役ですが、死にたくないので死ぬ気で頑張ります!!!

モツシャケ太郎

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第二章 乙女ゲーム?

"サザンカ"

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 そう言って、エンゼルランプ様は救護室から出ていってしまった。
 救護室の目の前に中庭があるからそこで気持ちを落ち着つかせていなさい、と言って優しく頭を撫でて下さった。 

 頭を撫でられたのは、母上が撫でて下さった以来で、なんだかまた泣きそうになってしまった。




 中庭には、色とりどりの植物があった。
 前世で見た事あるような植物もあったし、初めて見る植物もあった。 

 ふと、前世で言うツバキのような植物の前で足を止めた。
 懐かしい、と思って植物の名称を見てみると、"サザンカ"と書いてあった。


 ───俺と同じ名前の花だ。


 俺は"サザンカ"の前で立ち止まった。


 俺は母上の死を乗り越え、ヴァルカンという執事を味方につけて、この日々に平気なフリをしていた。 

 もう大丈夫だ、何も心配いらない。
 俺を愛してくれた人の記憶はちゃんとあるし、俺の味方だってちゃんといる。 

 そう誤魔化していた。……誤魔化していたに過ぎなかったのだ。


 でも本当は限界だったんだ俺の心は。
 だからあの家から逃げ出して、助けを求めてしまった。 

 俺の事情で、まだ知り合って浅いエンゼルランプ様に迷惑をかけて、気を遣わせてもらって、俺は一体何をしているんだ。 

 でも。でも、
 エンゼルランプ様は、「任せなさい」と言った。その言葉を信じてもいいのだろうか。
 本当に、あの地獄から抜け出せるのだろうか。


 "サザンカ"がゆらゆらと揺らいだ。


 だけど、俺の事で気を遣わせてもらっていいのだろうか。俺は本当に、何もしなくていいのだろうか。


 "サザンカ"は、美しく咲き誇って、俺に問いかける。


はどうしたいんだ?』



 ──────····俺は、


「貴方、誰ですか。」



 思考の海に潜っていた俺を引き上げたのは、可愛らしい声だった。 

 声のする方を振り返ると、俺よりも小さな、彫刻のように美しい幼子がそこにいた。 

 その子の髪は陽の光のように輝いていて、見ているだけでなんだか温かくなる。そしてそのアーモンド型の目の中の瞳はアメジストのようにキラキラと輝いていた。


 あまりにも綺麗で、その幼子が天使に見えて思わず口が滑ってしまった


「天使?」
「妖精?」



 俺と天使の声が重なった。
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