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第2章 光と「ウール村」
幕間-03 「聖女ヴェール」
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時間は少し戻り1週間前・・・
玄人たちの住むブルクハント王国、その王都ブルクハント。
国教であるクリチェート教の王都支部の一室。
「聖女様~、聖女様~、あぁ、こちらにおられましたか、聖女様」
「聖女ではありません。シスターです。その名では呼ばないでと何度言えば・・・」
「あ、いえ聖女様は、シスターの中でも特別なシスターなのです。それに信徒が・・・いえ民の皆が聖女様をお慕いして、そうお呼びするのですから・・・」
「もう、分かりました。幼馴染で私の方が年上とは言え、あなたは同じ教会の人間で、位は私より上なのですから、名前を呼び捨てにくれればよいものを・・・それが無理ならせめてシスターと呼んでください」
「はぁ・・・ではなるべくそういたします」
「なるべくではなく、そうしてください! それで、マリク助祭は、何を慌てていたのですか?」
「あ、はい。そうだ。司祭様が急用だそうで呼びに参りました」
「バーナード司祭様ですか? では急いで行きますね」
ヴェールが身支度を済ませて、私室を出る。
長い廊下を歩き、階段を登り上の階にある司祭の部屋を目指す。
「聖・・・あ、いえ、シスター?」
後ろからついてくるマリクが申し訳なさそうに話しかける。
「はい?」
「なぜ、シスターはそんなに聖女と呼ばれるのをお嫌いになるのですか? 私にはさっぱり分かりません。嬉しいことではないのでしょうか?」
素朴に感じた疑問なのだろう。
頭の上にはたくさんの?が浮かんでいるような顔をしていた。
「マリク・・・まあ、あなたは男性ですしね。分からないかも知れません」
「はあ・・・」
「あなたは、その年で高位の神聖魔法が使える天才だと評判です」
「あ、いや・・・でもそれはシスターの方が。教会、いや世界でも3人しか使えない封印魔法を使える一人なのですから」
「だからですよ。あなたは実力もあって、異例の若さで助祭になりました。このままいけば司祭にも、司教にもなれると思います。しかし、私は女性です。いつまでもシスターはシスターでしかない。あ、別に位が欲しい訳ではないのですよ」
「・・・はぁ」
「私はただ、シスターとして困っている人々を救いたい。それだけなのです。政治に興味はありませんから。それに私はまだ生きています。亡くなってもいないのに聖女と言われ、崇められる。マスコットとして矢面に立たされるのは仕方ないとしても、そのために助けたい人々と距離が出来てしまうのは、私が望むことではないのです」
「ですが・・・」
「あなたはあなたの道を行ってください。いつまでも応援しますから。そして偉くなってご自分の思うような教会になるよう改革をしてください。私は私で、多くの人々を救うために努力をし続けますから」
「・・・」
「ほら、もう着きましたので。では、マリク・・・いえ、助祭様。今日は話が出来て嬉しかったです」
「はい。私もです。シスター・ヴェールにも神のご加護を・・・」
マリクはそう言うと、お辞儀をして来た廊下を戻っていった。
♣
「ヴェールです。失礼します」
ヴェールがドアをノックして、部屋に入る。
「おお、来てくれたか。すまない呼び出してしまって」
広めの部屋の奥にある椅子に腰掛けたバーナード司祭が、笑顔でヴェールを迎える。
「いえ、そんなことは・・・それよりも急用だと伺いましたが・・・」
「おお、そうだ。今、茶を・・・とりあえずそこにかけてくれ」
司祭は近くにいた修道士にお茶を持って来るよう指示し、中央にある応接用のテーブルを挟んで座るようにヴェールを促した。
「それでだ・・・話というのは厄災についてなんだが」
「司祭さま。その件でしたら討伐後にも、二度現地に赴き確認をしておりますので、問題ないかと思われます」
「ああ、そのことは報告を受けている。だが今回はその件ではなく、別の厄災の件だ」
「別の・・・ですか? でも次が現れるには少し早すぎませんか。これまでの事を考えても、現れるのは3~4年に一体という感じでした。前回の討伐が半年前ですし、いくらなんでも・・・」
「あぁ、すまなかった。説明不足だったな。厄災は厄災でも、眷属の方だ」
「え? 眷属が見つかったのですか? それは珍しいですね」
「まあ、発見自体は偶然だろうがな。それはそうとして、今回は君にその眷属の討伐に参加して欲しくな」
「しかし、司祭様。こう言ってはなんですが、眷属では私の封印魔法も効果がありませんし、回復魔法は、高威力過ぎて使い所も少ないかと思いますが・・・」
「・・・ヴェールよ、お前は厄災が生まれる過程について、教会でなんと教わっている?」
「はい。厄災は欲を持った魔物が眷属化し、その眷属が集まって召喚すると聞いています・・・え? 違うのですか?」
「いやいや違わん。教会でもそう教えているし、世間でもそう信じられている」
「では、それが何か?」
「ヴェールは、疑問に思ったことはないか? 魔物がなぜ欲を持つようになるのか。そして召喚の儀式とはどんな儀式なのかと・・・」
「はい、確かに儀式については思った事はあります・・・何かの召喚術で魔法の一種かと想像していましたが・・・」
「それもそうか。教会としては、あまり詳しく説明しないからな」
「詳しく? ですか・・・」
司祭が何を言いたいのか、意図が分からず困惑する。
「そうだな・・・では・・・まず魔物は、動物や他の魔物を襲って成長する。これは知っているな?」
「はい・・・魔物の魔素は倒すことで外に漏れ出します。その漏れ出た魔素を吸収することで強くなると・・・その原理は人が魔物を倒して強くなる原理と同じだと・・・そう教わりました」
「そうだ。では魔物が眷属になる条件はなんだ?」
「条件ですか? ・・・同じく魔物を倒す・・・ではないでしょうか?」
「それも強くなるには必要なことなんだが、魔物が眷属になる決定的な条件は、人間を殺しているかどうかなんだ」
「人を!?・・・ですか?」
「あぁ、人は魔素量が魔物と比べると少ないのでな、魔物が人を殺す理由は無いようにも思えるのだが、魔物は人間を殺すことで魔素の代わりにその人間の持っている知恵と欲を手に入れる。つまり眷属は少なからず人を殺していて、殺す数が多いほど、強く、狡猾なうえに巧妙で、厄災に近いということだ」
「穏やかな話ではありませんが、そう聞くと・・・納得出来る話ですね」
「それからだ・・・眷属が厄災になる召喚方法だが・・・これは魔法の類いではなく、ただの殺し合いだ」
「殺し合いって・・・それだけですか?」
「そうだ、殺し合って生き残ったものが、他の眷属の力を吸収し、厄災へと進化する。意外と単純で明快な話だ」
「ということは・・・その眷属の強さは・・・1人ずつ人を殺した眷属から生まれる厄災より、10人ずつ人を殺した眷属の方が強いという事ですか?」
「その通りだ。まぁ・・・その辺は邪神も同じ話で、世間では偶発的に生まれる悪魔みたいに思われているが、実際は7種類いる厄災の一体が、ほかの6種を殺して吸収すること邪神に進化するということだな」
「そうだったのですね。それで今は厄災が2体以上世界に同居しないように、生まれる度にすぐ討伐をする。そういう事なのですね」
「あぁ、そうだ。600年前に厄災・・・世間では邪神という事になっているがな。その厄災は、4体の厄災を吸収していたそうだ。それでも世界の人口は3分の1にまで激減したと言われている。まぁ邪神か厄災かの定義は正直どっちでもよいのだが・・・」
「600年前の聖戦については、教科書に載っているくらいですから・・・しかし、それでも完全な邪神ではなかったとすると・・完全体になると世界が滅ぶというのも頷けます・・・でも、それが今回の討伐と関係があるのでしょうか?」
「遠回しにし過ぎてしまったな。今回討伐に参加して欲しい理由は、この見つかった眷属は、すでに人を数十人、少なくとも20人は下らない数を殺していると報告が来たからなんだ」
「えっ!? そんな人数を殺されていたらもっと問題になっているのでは・・・?」
「そうだな。だが今回これが問題にならなかったのは、殺されたのがほとんど渡り人だったからだ」
「渡り人ですか!?」
「知っての通り魔素を持たない渡り人は、この世界では貴重な存在。石一つでも利用価値は高く、そこに魔素を注入することで、様々なことが起こる」
「はい、人工魔石ですね。性能は同じサイズの魔石の数倍だとか・・・」
「そうだ。石一つでその性能だ。それを人間とは言え、魔物が喰らったらどうなるか・・・。しかも人数は少なくとも20名。下手をしたら今すぐにでも殺し合いの儀式を抜きに厄災に進化するかも知れない・・・そうなれば・・・」
「分かりました。私はその討伐に参加して、眷属が、もしも厄災に進化するような事があれば私の封印魔法で止めろと・・・そういう事ですね」
「そうだ。例によって教会からは護衛として、クリチュート騎士団が同行する」
「・・・そうですか」
ヴェールの眉間にしわが寄る。
「騎士団は嫌いか?」
「あ、いえ・・・」
「私が至らないばかりに苦労をかけるな・・・」
図星を突かれて言いよどんでいると、司祭が視線を落として小さくため息をついた。
「いえ! そんな事はありません。私とマリクは、司祭様がいらっしゃらなければ、あの時どうなっていたことか・・・ですから。それに・・・今は人々を救える力がある。それだけで十分です」
「・・・そうか。そう言ってもらえると助かるよ」
「では、行って参ります」
「くれぐれも・・・気をつけてな」
ヴェールが部屋を出ると、司祭は彼女の身を案じながら、大きなため息をついた。
玄人たちの住むブルクハント王国、その王都ブルクハント。
国教であるクリチェート教の王都支部の一室。
「聖女様~、聖女様~、あぁ、こちらにおられましたか、聖女様」
「聖女ではありません。シスターです。その名では呼ばないでと何度言えば・・・」
「あ、いえ聖女様は、シスターの中でも特別なシスターなのです。それに信徒が・・・いえ民の皆が聖女様をお慕いして、そうお呼びするのですから・・・」
「もう、分かりました。幼馴染で私の方が年上とは言え、あなたは同じ教会の人間で、位は私より上なのですから、名前を呼び捨てにくれればよいものを・・・それが無理ならせめてシスターと呼んでください」
「はぁ・・・ではなるべくそういたします」
「なるべくではなく、そうしてください! それで、マリク助祭は、何を慌てていたのですか?」
「あ、はい。そうだ。司祭様が急用だそうで呼びに参りました」
「バーナード司祭様ですか? では急いで行きますね」
ヴェールが身支度を済ませて、私室を出る。
長い廊下を歩き、階段を登り上の階にある司祭の部屋を目指す。
「聖・・・あ、いえ、シスター?」
後ろからついてくるマリクが申し訳なさそうに話しかける。
「はい?」
「なぜ、シスターはそんなに聖女と呼ばれるのをお嫌いになるのですか? 私にはさっぱり分かりません。嬉しいことではないのでしょうか?」
素朴に感じた疑問なのだろう。
頭の上にはたくさんの?が浮かんでいるような顔をしていた。
「マリク・・・まあ、あなたは男性ですしね。分からないかも知れません」
「はあ・・・」
「あなたは、その年で高位の神聖魔法が使える天才だと評判です」
「あ、いや・・・でもそれはシスターの方が。教会、いや世界でも3人しか使えない封印魔法を使える一人なのですから」
「だからですよ。あなたは実力もあって、異例の若さで助祭になりました。このままいけば司祭にも、司教にもなれると思います。しかし、私は女性です。いつまでもシスターはシスターでしかない。あ、別に位が欲しい訳ではないのですよ」
「・・・はぁ」
「私はただ、シスターとして困っている人々を救いたい。それだけなのです。政治に興味はありませんから。それに私はまだ生きています。亡くなってもいないのに聖女と言われ、崇められる。マスコットとして矢面に立たされるのは仕方ないとしても、そのために助けたい人々と距離が出来てしまうのは、私が望むことではないのです」
「ですが・・・」
「あなたはあなたの道を行ってください。いつまでも応援しますから。そして偉くなってご自分の思うような教会になるよう改革をしてください。私は私で、多くの人々を救うために努力をし続けますから」
「・・・」
「ほら、もう着きましたので。では、マリク・・・いえ、助祭様。今日は話が出来て嬉しかったです」
「はい。私もです。シスター・ヴェールにも神のご加護を・・・」
マリクはそう言うと、お辞儀をして来た廊下を戻っていった。
♣
「ヴェールです。失礼します」
ヴェールがドアをノックして、部屋に入る。
「おお、来てくれたか。すまない呼び出してしまって」
広めの部屋の奥にある椅子に腰掛けたバーナード司祭が、笑顔でヴェールを迎える。
「いえ、そんなことは・・・それよりも急用だと伺いましたが・・・」
「おお、そうだ。今、茶を・・・とりあえずそこにかけてくれ」
司祭は近くにいた修道士にお茶を持って来るよう指示し、中央にある応接用のテーブルを挟んで座るようにヴェールを促した。
「それでだ・・・話というのは厄災についてなんだが」
「司祭さま。その件でしたら討伐後にも、二度現地に赴き確認をしておりますので、問題ないかと思われます」
「ああ、そのことは報告を受けている。だが今回はその件ではなく、別の厄災の件だ」
「別の・・・ですか? でも次が現れるには少し早すぎませんか。これまでの事を考えても、現れるのは3~4年に一体という感じでした。前回の討伐が半年前ですし、いくらなんでも・・・」
「あぁ、すまなかった。説明不足だったな。厄災は厄災でも、眷属の方だ」
「え? 眷属が見つかったのですか? それは珍しいですね」
「まあ、発見自体は偶然だろうがな。それはそうとして、今回は君にその眷属の討伐に参加して欲しくな」
「しかし、司祭様。こう言ってはなんですが、眷属では私の封印魔法も効果がありませんし、回復魔法は、高威力過ぎて使い所も少ないかと思いますが・・・」
「・・・ヴェールよ、お前は厄災が生まれる過程について、教会でなんと教わっている?」
「はい。厄災は欲を持った魔物が眷属化し、その眷属が集まって召喚すると聞いています・・・え? 違うのですか?」
「いやいや違わん。教会でもそう教えているし、世間でもそう信じられている」
「では、それが何か?」
「ヴェールは、疑問に思ったことはないか? 魔物がなぜ欲を持つようになるのか。そして召喚の儀式とはどんな儀式なのかと・・・」
「はい、確かに儀式については思った事はあります・・・何かの召喚術で魔法の一種かと想像していましたが・・・」
「それもそうか。教会としては、あまり詳しく説明しないからな」
「詳しく? ですか・・・」
司祭が何を言いたいのか、意図が分からず困惑する。
「そうだな・・・では・・・まず魔物は、動物や他の魔物を襲って成長する。これは知っているな?」
「はい・・・魔物の魔素は倒すことで外に漏れ出します。その漏れ出た魔素を吸収することで強くなると・・・その原理は人が魔物を倒して強くなる原理と同じだと・・・そう教わりました」
「そうだ。では魔物が眷属になる条件はなんだ?」
「条件ですか? ・・・同じく魔物を倒す・・・ではないでしょうか?」
「それも強くなるには必要なことなんだが、魔物が眷属になる決定的な条件は、人間を殺しているかどうかなんだ」
「人を!?・・・ですか?」
「あぁ、人は魔素量が魔物と比べると少ないのでな、魔物が人を殺す理由は無いようにも思えるのだが、魔物は人間を殺すことで魔素の代わりにその人間の持っている知恵と欲を手に入れる。つまり眷属は少なからず人を殺していて、殺す数が多いほど、強く、狡猾なうえに巧妙で、厄災に近いということだ」
「穏やかな話ではありませんが、そう聞くと・・・納得出来る話ですね」
「それからだ・・・眷属が厄災になる召喚方法だが・・・これは魔法の類いではなく、ただの殺し合いだ」
「殺し合いって・・・それだけですか?」
「そうだ、殺し合って生き残ったものが、他の眷属の力を吸収し、厄災へと進化する。意外と単純で明快な話だ」
「ということは・・・その眷属の強さは・・・1人ずつ人を殺した眷属から生まれる厄災より、10人ずつ人を殺した眷属の方が強いという事ですか?」
「その通りだ。まぁ・・・その辺は邪神も同じ話で、世間では偶発的に生まれる悪魔みたいに思われているが、実際は7種類いる厄災の一体が、ほかの6種を殺して吸収すること邪神に進化するということだな」
「そうだったのですね。それで今は厄災が2体以上世界に同居しないように、生まれる度にすぐ討伐をする。そういう事なのですね」
「あぁ、そうだ。600年前に厄災・・・世間では邪神という事になっているがな。その厄災は、4体の厄災を吸収していたそうだ。それでも世界の人口は3分の1にまで激減したと言われている。まぁ邪神か厄災かの定義は正直どっちでもよいのだが・・・」
「600年前の聖戦については、教科書に載っているくらいですから・・・しかし、それでも完全な邪神ではなかったとすると・・完全体になると世界が滅ぶというのも頷けます・・・でも、それが今回の討伐と関係があるのでしょうか?」
「遠回しにし過ぎてしまったな。今回討伐に参加して欲しい理由は、この見つかった眷属は、すでに人を数十人、少なくとも20人は下らない数を殺していると報告が来たからなんだ」
「えっ!? そんな人数を殺されていたらもっと問題になっているのでは・・・?」
「そうだな。だが今回これが問題にならなかったのは、殺されたのがほとんど渡り人だったからだ」
「渡り人ですか!?」
「知っての通り魔素を持たない渡り人は、この世界では貴重な存在。石一つでも利用価値は高く、そこに魔素を注入することで、様々なことが起こる」
「はい、人工魔石ですね。性能は同じサイズの魔石の数倍だとか・・・」
「そうだ。石一つでその性能だ。それを人間とは言え、魔物が喰らったらどうなるか・・・。しかも人数は少なくとも20名。下手をしたら今すぐにでも殺し合いの儀式を抜きに厄災に進化するかも知れない・・・そうなれば・・・」
「分かりました。私はその討伐に参加して、眷属が、もしも厄災に進化するような事があれば私の封印魔法で止めろと・・・そういう事ですね」
「そうだ。例によって教会からは護衛として、クリチュート騎士団が同行する」
「・・・そうですか」
ヴェールの眉間にしわが寄る。
「騎士団は嫌いか?」
「あ、いえ・・・」
「私が至らないばかりに苦労をかけるな・・・」
図星を突かれて言いよどんでいると、司祭が視線を落として小さくため息をついた。
「いえ! そんな事はありません。私とマリクは、司祭様がいらっしゃらなければ、あの時どうなっていたことか・・・ですから。それに・・・今は人々を救える力がある。それだけで十分です」
「・・・そうか。そう言ってもらえると助かるよ」
「では、行って参ります」
「くれぐれも・・・気をつけてな」
ヴェールが部屋を出ると、司祭は彼女の身を案じながら、大きなため息をついた。
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