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第3章 光と「クリチュート教会」
77話 走れ!
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「!! それは・・・何ですか!?
ヴェールが馬のかぶり物を、目を丸くしながらまじまじと見つめる。
「まさか・・今のルージュの物まねって・・」
ハッと我に返る。あの声はまさしく・・あのロボ。未来から来た猫型のアイツにそっくりだ。
しかもクオリティ高けぇ・・ルージュはモノマネの才能もあるんだな、と妙なところで感心しながらアマリージョに目をやると、必死に笑いをかみ殺している。
――こいつら、ヒカリにアニメを見せてもらっていたな・・・
『――よくおわかりで。二人ともアニメが気に入ったようで、データにあるものはほとんど、視聴していましたよ。ルージュはロボット系のアニメが、アマリージョはこの猫型ロボットが好きで、特に妹のロボットがお気に入りだったようです』
「で、ルージュ。それ・・どうするの?」
呆れつつ、ルージュに尋ねる。
「うふふ、これはね・・・こうやってクロードくんに被せると・・・馬の3倍のスピードで走れる〝うまズラー〟っていう道具なんだよ」
「・・・」
ルージュがさらに本物そっくりの口調で説明しながら、俺の頭に馬のかぶり物をスッポリ被せた。
ここでアマリージョが耐えきれずに吹き出した。
「見たことも無い魔道具? ですが・・・それは凄いですね・・・どこでお買い求めになられたのですか?」
ヴェールは真面目な顔で、感心したように聞いてきた。
「えっっ!? え、あの・・これは・・・えっと、その、あっ!! 村に魔道具職人がいるのよ! うん、そうそう職人がいるのよね。多分いたような気がするわ!」
ヴェールの予期せぬ質問に、ルージュがこの上なく慌てふためいて、アタフタと答える。
――ルージュのアホめ! そんなにしどろもどろじゃ、怪しさ満点だろうが・・・
「へぇぇぇーー、それは凄いですね! 是非お会いしたいものです。でも、これで本当に大丈夫なのでしょうか?」
ヴェールが目をキラキラさせながら感嘆の声を上げる。
――ヴェールは純粋なのか・・・それとも演技なのかな? 内心バカだな~とか思いながらも優しい聖女だから付き合ってくれているのか・・・
「・・・フン。それで、そんなバカみたいなかぶり物で何をしようというんだ?」
こちらの盛り上がりとは別に、馬車の外からテスターの冷ややかな声が飛んでくる。
――こうなった以上、もう仕方ないな・・・
「テスター副団長様、失礼しました。私はこれから馬車を引いて村まで向かいます。明日もここまで引っ張って戻りますので、馬はそのまま野営の方で休ませて頂いて問題ありません」
馬のかぶり物を脱ぎ、なるべく相手を刺激しないよう、丁寧な口調で言う。
「引っ張るだと!? お前が? この大きさの馬車がお前の力でどうこうなる訳ではあるまい。それともその馬のかぶり物を被ると馬の気分で楽しく引けるのか? しかしまあ、やりたいなら好きにしろ! 俺たちはしっかりと横で護衛の任についてやるから、まあ、お手並み拝見といこうじゃないか!」
テスターは皮肉をたっぷりな、心底バカにしたように口調で告げた。
彼の部下達もニヤニヤしながらこちらを見ている。
「クソ成金野郎が・・ことごとくカチンと来る奴だな・・・」
ボソッと小声で呟きながら、再び〝うまズラー〟を被り直しテスターの方に向き直る。
「では、私たちは村へ向かいますので。それと・・・テスター副団長様、さすがに重いので全力を尽くして走ろうかと思いますが・・・その場合、皆さんの馬がついて来れなくなるかも知れません・・・」
「はぁぁ? 馬が? あっはっはっはっはっ 馬がついて来れないと言うのか! 笑わせてくれるよな・・・・大丈夫だ、その馬も置いていくという全力の走りを見せてもらおうじゃないか! ああ、こちらは振り返らなくていいぞ。お前の後ろにピッタリとついて、聖女様の護衛をしてやるからな!!」
テスターと部下たちは、侮蔑と嘲笑の入り交じった笑い声を上げる。
「テ・・・」
状況を見かねたヴェールが、テスターを諫めようとした瞬間、ルージュが「シッ!」と人差し指を口に当てる。
「大丈夫よ・・・」
ルージュが笑ってヴェールに告げると、ルージュから通信が入った。
「――クロード、死ぬほど走ってあいつら置き去りにしてちょうだい。そうしなきゃ私があいつら5秒で殺すわよ」
声だけでも、ルージュがこの上なく殺気立っているのがわかった。
「――あぁ、言われなくても全力でいくよ。アマリ、聞こえてるよね? あいつらに分からないようにそっと魔法をかけてくれ」
「――了解です。クロードさん。頑張ってくださいね」
アマリージョは落ち着いた口調だったが、内心ワクワクしているのが伝わってくる。
「・・・では出発しますので。テスター副団長様。ピッタリ護衛のほどよろしくお願いします」
そう言って、一礼すると馬車を引き始めた。
テスター達は、なおもこちらを見て笑っている。
馬車に乗っているルージュ達の事も考えて、少しずつ速度を上げていく。
笑っていたテスター達から、徐々に笑い声が消えていく。
更に速度を上げる。既に馬車が出すスピードではない。
テスター達は必死に馬の速度を上げていく。
「――一気に加速するぞ」
ルージュとアマリージョに通信で連絡する。
「ヴェール、速度が上がるからつかまって・・・」
ルージュがヴェールに寄り添い、馬車の揺れに備える。
「・・・フォローウインド」
アマリージョが馬車全体に魔法をかける。
馬車全体が軽くなったことを確認し、全力で走る。
速度が上がっていく。
テスター達は遥か後方、馬も限界を迎えているようだった。
草原の遥か後方にテスター達の馬群が消えたのを確認しても構わず走る。
そして、行きとほぼ同じ時間で村へ帰還する。
――ヒカリ、あいつらが村に来るまでにはどれくらいかかる?
『馬の状況も考えると3時間というところでしょうか』
――わかった、ありがとう
「よし、到着・・・テスター達が追いつくまでには3時間くらいかかりそうだって」
ヒカリにお礼を言うと、馬のかぶり物を脱ぎながらルージュ達に報告する。
「うはぁー・・・かなり速かったわね。馬車がいつ壊れるかと思って、さすがにヒヤヒヤしたわよ!」
「本当ですよ!! こんなに速く走るなんて・・・怖かった・・」
馬車をのぞき込む俺に、ルージュが口を尖らせ、アマリージョが涙目で文句を言う。
「ごめんごめん、ついムキになっちゃってさ・・って、あれ? ヴェール?」
ヴェールは、ルージュにもたれ掛かりぐったりとしている。
「なんか・・気を失っちゃったみたいで」
ルージュがエヘッと柄にも無く舌を出す。
「そんなんで誤魔化せないから! 相手は聖女様だぞ・・何かあったら大変なんだから、気絶しそうなら途中で教えてくれよ」
自分のせいでヴェールの身に万が一のことがあったらと思うと、気が気でなかった。
「私も姉さんも、それどころじゃなくて・・・すみませんでした」
アマリージョが気を失っているヴェールを抱きかかえながら謝ってきた。
「まあ、そういう事だから・・・ごめんごめん!」
ルージュは相変わらず全く悪びれていない。
「でも、今さら言っても仕方ないか・・・とりあえず家に運んで寝かせよう」
大きくため息をつくと、今度はなるべく馬車を揺らさないよう慎重にそっと自宅の倉庫まで移動させる。
「私は、先に村長さんのところへ報告に行ってきますね。おそらく心配しているでしょうから」
アマリージョはそう言うと、村長の家に走って行った。
「じゃあ、私は先にベッドの用意をしてくるから。部屋は、私の部屋の隣・・・まだ3部屋空いてるからそこでいいわよね?」
ルージュが馬車を降りながら振り返る。
「え、一階でもいいんじゃ・・あ、でも布団ないのか・・・まあいいのかな?」
『――別に隠すつもりがないのであれば、私もどちらでも構いませんよ。知ったことで敵になるなら、すぐ排除しますしね』
ヒカリの冷静な声が響く。
――その辺は機械的なんだな・・・
「まあ、ヒカリもいいみたいだし・・・じゃあ、ルージュ、ベッドの用意ができたら水と冷たいおしぼりも頼むよ」
「わかったわ。じゃあ、クロード、あとよろしく。くれぐれもヴェールを落とさないでよ!」
ルージュはそう言い残すと小走りで二階へ駆け上がっていく。
「わかってるよ!」
そう言いながら、ヴェールを起こさないようにそっと抱え上げる。
抱え上げた彼女の体はびっくりするほど軽かった。
ヴェールが馬のかぶり物を、目を丸くしながらまじまじと見つめる。
「まさか・・今のルージュの物まねって・・」
ハッと我に返る。あの声はまさしく・・あのロボ。未来から来た猫型のアイツにそっくりだ。
しかもクオリティ高けぇ・・ルージュはモノマネの才能もあるんだな、と妙なところで感心しながらアマリージョに目をやると、必死に笑いをかみ殺している。
――こいつら、ヒカリにアニメを見せてもらっていたな・・・
『――よくおわかりで。二人ともアニメが気に入ったようで、データにあるものはほとんど、視聴していましたよ。ルージュはロボット系のアニメが、アマリージョはこの猫型ロボットが好きで、特に妹のロボットがお気に入りだったようです』
「で、ルージュ。それ・・どうするの?」
呆れつつ、ルージュに尋ねる。
「うふふ、これはね・・・こうやってクロードくんに被せると・・・馬の3倍のスピードで走れる〝うまズラー〟っていう道具なんだよ」
「・・・」
ルージュがさらに本物そっくりの口調で説明しながら、俺の頭に馬のかぶり物をスッポリ被せた。
ここでアマリージョが耐えきれずに吹き出した。
「見たことも無い魔道具? ですが・・・それは凄いですね・・・どこでお買い求めになられたのですか?」
ヴェールは真面目な顔で、感心したように聞いてきた。
「えっっ!? え、あの・・これは・・・えっと、その、あっ!! 村に魔道具職人がいるのよ! うん、そうそう職人がいるのよね。多分いたような気がするわ!」
ヴェールの予期せぬ質問に、ルージュがこの上なく慌てふためいて、アタフタと答える。
――ルージュのアホめ! そんなにしどろもどろじゃ、怪しさ満点だろうが・・・
「へぇぇぇーー、それは凄いですね! 是非お会いしたいものです。でも、これで本当に大丈夫なのでしょうか?」
ヴェールが目をキラキラさせながら感嘆の声を上げる。
――ヴェールは純粋なのか・・・それとも演技なのかな? 内心バカだな~とか思いながらも優しい聖女だから付き合ってくれているのか・・・
「・・・フン。それで、そんなバカみたいなかぶり物で何をしようというんだ?」
こちらの盛り上がりとは別に、馬車の外からテスターの冷ややかな声が飛んでくる。
――こうなった以上、もう仕方ないな・・・
「テスター副団長様、失礼しました。私はこれから馬車を引いて村まで向かいます。明日もここまで引っ張って戻りますので、馬はそのまま野営の方で休ませて頂いて問題ありません」
馬のかぶり物を脱ぎ、なるべく相手を刺激しないよう、丁寧な口調で言う。
「引っ張るだと!? お前が? この大きさの馬車がお前の力でどうこうなる訳ではあるまい。それともその馬のかぶり物を被ると馬の気分で楽しく引けるのか? しかしまあ、やりたいなら好きにしろ! 俺たちはしっかりと横で護衛の任についてやるから、まあ、お手並み拝見といこうじゃないか!」
テスターは皮肉をたっぷりな、心底バカにしたように口調で告げた。
彼の部下達もニヤニヤしながらこちらを見ている。
「クソ成金野郎が・・ことごとくカチンと来る奴だな・・・」
ボソッと小声で呟きながら、再び〝うまズラー〟を被り直しテスターの方に向き直る。
「では、私たちは村へ向かいますので。それと・・・テスター副団長様、さすがに重いので全力を尽くして走ろうかと思いますが・・・その場合、皆さんの馬がついて来れなくなるかも知れません・・・」
「はぁぁ? 馬が? あっはっはっはっはっ 馬がついて来れないと言うのか! 笑わせてくれるよな・・・・大丈夫だ、その馬も置いていくという全力の走りを見せてもらおうじゃないか! ああ、こちらは振り返らなくていいぞ。お前の後ろにピッタリとついて、聖女様の護衛をしてやるからな!!」
テスターと部下たちは、侮蔑と嘲笑の入り交じった笑い声を上げる。
「テ・・・」
状況を見かねたヴェールが、テスターを諫めようとした瞬間、ルージュが「シッ!」と人差し指を口に当てる。
「大丈夫よ・・・」
ルージュが笑ってヴェールに告げると、ルージュから通信が入った。
「――クロード、死ぬほど走ってあいつら置き去りにしてちょうだい。そうしなきゃ私があいつら5秒で殺すわよ」
声だけでも、ルージュがこの上なく殺気立っているのがわかった。
「――あぁ、言われなくても全力でいくよ。アマリ、聞こえてるよね? あいつらに分からないようにそっと魔法をかけてくれ」
「――了解です。クロードさん。頑張ってくださいね」
アマリージョは落ち着いた口調だったが、内心ワクワクしているのが伝わってくる。
「・・・では出発しますので。テスター副団長様。ピッタリ護衛のほどよろしくお願いします」
そう言って、一礼すると馬車を引き始めた。
テスター達は、なおもこちらを見て笑っている。
馬車に乗っているルージュ達の事も考えて、少しずつ速度を上げていく。
笑っていたテスター達から、徐々に笑い声が消えていく。
更に速度を上げる。既に馬車が出すスピードではない。
テスター達は必死に馬の速度を上げていく。
「――一気に加速するぞ」
ルージュとアマリージョに通信で連絡する。
「ヴェール、速度が上がるからつかまって・・・」
ルージュがヴェールに寄り添い、馬車の揺れに備える。
「・・・フォローウインド」
アマリージョが馬車全体に魔法をかける。
馬車全体が軽くなったことを確認し、全力で走る。
速度が上がっていく。
テスター達は遥か後方、馬も限界を迎えているようだった。
草原の遥か後方にテスター達の馬群が消えたのを確認しても構わず走る。
そして、行きとほぼ同じ時間で村へ帰還する。
――ヒカリ、あいつらが村に来るまでにはどれくらいかかる?
『馬の状況も考えると3時間というところでしょうか』
――わかった、ありがとう
「よし、到着・・・テスター達が追いつくまでには3時間くらいかかりそうだって」
ヒカリにお礼を言うと、馬のかぶり物を脱ぎながらルージュ達に報告する。
「うはぁー・・・かなり速かったわね。馬車がいつ壊れるかと思って、さすがにヒヤヒヤしたわよ!」
「本当ですよ!! こんなに速く走るなんて・・・怖かった・・」
馬車をのぞき込む俺に、ルージュが口を尖らせ、アマリージョが涙目で文句を言う。
「ごめんごめん、ついムキになっちゃってさ・・って、あれ? ヴェール?」
ヴェールは、ルージュにもたれ掛かりぐったりとしている。
「なんか・・気を失っちゃったみたいで」
ルージュがエヘッと柄にも無く舌を出す。
「そんなんで誤魔化せないから! 相手は聖女様だぞ・・何かあったら大変なんだから、気絶しそうなら途中で教えてくれよ」
自分のせいでヴェールの身に万が一のことがあったらと思うと、気が気でなかった。
「私も姉さんも、それどころじゃなくて・・・すみませんでした」
アマリージョが気を失っているヴェールを抱きかかえながら謝ってきた。
「まあ、そういう事だから・・・ごめんごめん!」
ルージュは相変わらず全く悪びれていない。
「でも、今さら言っても仕方ないか・・・とりあえず家に運んで寝かせよう」
大きくため息をつくと、今度はなるべく馬車を揺らさないよう慎重にそっと自宅の倉庫まで移動させる。
「私は、先に村長さんのところへ報告に行ってきますね。おそらく心配しているでしょうから」
アマリージョはそう言うと、村長の家に走って行った。
「じゃあ、私は先にベッドの用意をしてくるから。部屋は、私の部屋の隣・・・まだ3部屋空いてるからそこでいいわよね?」
ルージュが馬車を降りながら振り返る。
「え、一階でもいいんじゃ・・あ、でも布団ないのか・・・まあいいのかな?」
『――別に隠すつもりがないのであれば、私もどちらでも構いませんよ。知ったことで敵になるなら、すぐ排除しますしね』
ヒカリの冷静な声が響く。
――その辺は機械的なんだな・・・
「まあ、ヒカリもいいみたいだし・・・じゃあ、ルージュ、ベッドの用意ができたら水と冷たいおしぼりも頼むよ」
「わかったわ。じゃあ、クロード、あとよろしく。くれぐれもヴェールを落とさないでよ!」
ルージュはそう言い残すと小走りで二階へ駆け上がっていく。
「わかってるよ!」
そう言いながら、ヴェールを起こさないようにそっと抱え上げる。
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