黄昏一番星

更科二八

文字の大きさ
149 / 519
1章 呪いの女

148話 タイガの過去-情けない初めて

しおりを挟む
さて話を戻そう。
「俺が鬼の魔物としての力があるのはわかったと思うから話を戻すぞ。
つまり俺が魔物にならないように鬼族の中だけで育てようとしたわけだ。
結果は今この通り、俺は食人衝動を知らないまま大人になれて人として生きていけている」
「よかったな!」
「そうだな、この事がわかったのは俺が故郷を出て魔法学園で調べたからなんだけどな。家族や村の鬼たちには感謝してる。
そんな訳で鬼の村に移った俺は5歳の頃までは母ちゃんが面倒見ててくれて平和だったと思う。全然覚えてないけどな。
またちょっと話逸れるがこの鬼の村ってのは、母ちゃんが親父と会う前に、爺ちゃん達や他強い鬼を大勢集めて国落としをしようと暴れてたらしくてな。親父が1人で倒したらしいんだが、その生き残りでも特に危なっかしい奴らを一所に集めて軟禁しておく為の村だったんだ」
「タイガの両親なんか凄い馴れ初めなんじゃないか?」
「だよな、親父の一目惚れだったらしいぞ。1人で全員倒して結婚しろと迫ったらしいぞ。その男気に母ちゃんも惚れたらしい。かっけえよな」
「確かにかっけえ!」

規格外な親父らしいと思うが、鬼の中でも特に恐れられていた母ちゃんに臆する事なく求婚するのだから鬼以上に男らしいと思う。
将軍の補佐であり軍隊を取り仕切っていた凄い地位の高い人物なのに、そんな人物が国を落とそうと行動した女と結婚することについて、将軍でさえ異を唱えられなかったらしい。
本当かっこいい。今からしようとしている話よりもこの話の方が面白いと思う。

「話を戻して、5歳の頃だが、俺がもう1人でもできることが増えて手がかからなくなったからだと思うが、母ちゃんが村を出て行った。後から聞いたけど親父と離れるのが辛かったらしい。なんだかんだ親父と母ちゃんめちゃくちゃ仲良かったからな。
そんで唯一の女が出ていって男だけの村になったわけだが、母ちゃんが出てった夜には村をあげて大宴会をしてたのを覚えてる。相当母ちゃんが怖かったらしい。俺は母ちゃんがいなくなってめちゃくちゃ不安だった。
そんな感じてしばらく不安がって過ごしてたら村の奴に相当馬鹿にされて。母ちゃんにビビってたくせに。そんで俺はムカついて食って掛かったが、それはもう戦いなんて微塵も知らないガキだから逆にボコボコにされた上で犯された。
これが初めて、情けない話だろ」
「・・・・・情けないというかエグいぞ」
「弱い奴は犯されて当然というのがその村だ。俺もまあ悔しくて悔しくて今でもしっかり覚えてる。
そんで痛い体引きずって爺ちゃんの家に戻ってその事言ったら弱いてめえが文句を言うなって怒鳴られたな。そんでまた悔しくて爺ちゃんにも食ってかかったらボコされて掘られた。ガキの俺によ、今の俺と同じぐらいあるちんぽを遠慮なくぶちこんできてもう体の中ぐちゃぐちゃで沢山血も吐いて、鬼じゃなければ死んでたがこのぐらいじゃ死なないと分かってるもんだから容赦なかった」
「うわゎ・・・」

エドガードン引きだ。
誰でもそうかもな。
鬼という魔物は非常に回復力が高く、その特性を引き継ぐ鬼族も同じだ。
重症程度ならまず死なず2日もすれば綺麗に治る。四肢がちぎれたって拾って適当につけてもちゃんと繋がる。
確実に殺そうと思うと頭や心臓をしっかりと潰すか胴体の殆どを削るか切断するしかない。
血を飲みまくった魔物の鬼は首だけになっても死ななかったとか言われるから、俺も姉ちゃんの血を飲んだし普通の鬼よりかは耐久力高いかもしれない。

「あの時は2、3日ぐらいは体痛すぎて動けなかったと思う。弱いことがずっと悔しくてこの時にこの村の誰よりも強くなって、俺を馬鹿にした奴は全員同じようにしてやろうと決めた。
そんでまずは勝てるようにならなきゃいけないから勝つまで何度でも挑み続けようと思ったんだ。
動けるようになったら爺ちゃんに稽古つけてもらうように頼んだらあっさりと引き受けてくれた。稽古といっても容赦ないからぼこぼこにされるし、爺ちゃんの発散のためにまた掘られもした。爺ちゃんもぜってえ負かして犯すって決めてたから悔しくても耐えた。
村の手伝いもさせられてたけど、俺はその時になんでも勝負事にして挑むようにした。
村の鬼たちもよくやることだったし俺もそうしたんだ。まあこの頃は全然勝てる事なかったな、負けても良いから勝負をする事に拘っていたんだ。挑まないという事をしたくなかった」
「なんか最初から凄い気合の入った子供だったんだな、というか普通に子供なのに犯すのヤバくないか」
「まあ、やべえよな。でも俺だけじゃなくて他の鬼たちも同士もみんな何かと競ってたし、負けたやつは掘られてたから子供ながらにそうするのが当たり前だと思ってた」

よく覚えていないが、村の鬼たちからそうするように言い聞かされたような気がする。
最初に対抗心出したのは確実に俺の意思なんだろうが結局鬼ってどいつも闘争心の塊だ。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】World cuisine おいしい世界~ほのぼの系ではありません。恋愛×調合×料理

SAI
ファンタジー
魔法が当たり前に存在する世界で17歳の美少女ライファは最低ランクの魔力しか持っていない。夢で見たレシピを再現するため、魔女の家で暮らしながら料理を作る日々を過ごしていた。  低い魔力でありながら神からの贈り物とされるスキルを持つが故、国を揺るがす大きな渦に巻き込まれてゆく。 恋愛×料理×調合

陰陽師と結ばれた縁

サクサク
ファンタジー
2本に古くから続く一族の直系に生まれた女の子、安倍咲月は一族の中では霊力と神力が少なく、使用人や分家の親族からは“役たたず”と呼ばれていた。 だが、現当主である成親は彼女に最大限の愛情を注いでいる。 そして、そんな彼女の傍には強い力を持たないのその姿を見る事すっらできない、守護神である十二神将が控えていた。 18歳の誕生日に他の兄妹と同じように、一族内での成人式裳儀に挑むことになるのだが・・・・・。 ※なろう、カクヨムでも同じ小説を掲載中です。 どうぞよろしくお願いいたします。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

聖女召喚2

胸の轟
ファンタジー
召喚に成功した男たちは歓喜した。これで憎き敵国を滅ぼすことが出来ると。

私はいけにえ

七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」  ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。  私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。 ****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

30年待たされた異世界転移

明之 想
ファンタジー
 気づけば異世界にいた10歳のぼく。 「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」  こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。  右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。  でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。  あの日見た夢の続きを信じて。  ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!  くじけそうになっても努力を続け。  そうして、30年が経過。  ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。  しかも、20歳も若返った姿で。  異世界と日本の2つの世界で、  20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

みんなが蔑ろにしたせいでアレクシアは壊れてしまいました!!!「お前のせいです。あーあ( ・᷄д・᷅ )」

頭フェアリータイプ
ファンタジー
物語は大きくふたつに分けることが出来る。 正確に小説内の事実に基づいて描かれた例えば推理小説のような物語と、 信用出来ない語り手による物語に。 これは、信用出来ない一人の語り手による再生の物語 学生時代、貧乏くじを引き続けてきたアレクシア。とある出来事をきっかけに精神の均衡を壊し心がばらばらになってしまう。アレクシアは自分らしさを取り戻せるのか? 想定外の展開になってしまったため改題しました。 小説は生き物! (旧題: 婚約破棄されて勘当されました。父母を見限って、出生の秘密があったことにします。)

処理中です...