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1章 呪いの女
175話 聖女の対応
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聖女の強制的に崇拝させる力の恐ろしさの認識を改めて、スズナにも聞いてみた。
「スズナは聖女に目の前で自害しろと言われて抗えるか」
「・・・無理ね。なんの躊躇いなく死ねそうよ。
貴方に言われて改めて思い返してみたら、私も聖女の前ではちょっと調子おかしくなるわね。
でも彼女はそんなことするのかしら?」
「わかんねえけどそれが出来てしまうというのは危険だよな」
「危険なのは分かってるわ。それに魂を歪めてしまえば彼女の言いなりになるのと同じなのでしょ。それを意識的にしていれば国を乗っ取る事も余裕だわ。
目的がわからないけど放っては置けないわね」
「教皇使って悪しき魂と判断した奴らを殺させてたわけだから、それを理由に捕まえられねえかな。捕まえるのむずそうだけど」
「教皇の件も呪いで人々の意識を変えてしまっているのも理由にはなるのだけれど、証拠を示せないとだめね。それこそ王家が認めるぐらいの」
「リリエス教ってそんなに権威あるのか?」
「聖女の信用はあるわ」
「めんどくさ」
聖女が強制的に敬わせてくる能力があるのでその信用もどうなんだか。
「まあ証拠集めは貴方なんかよりもずっと優秀で信頼ある人に任せるわ」
「嫌味だぞ、せっかく知らせてやったのに」
「事実だもの、国が認める冒険者よ。
貴方のことは信用はするけど、もっと使える信用を得てちょうだい」
「厳しいなー、事実だから反論しようがねえじゃん。
俺が信用得るために必要な時は言ってくれ。
言い出した分は働いてやるから。
ギルドにはほぼ毎日顔を出してる」
関われば確実に面倒なのだが、昔馴染みと住んでる町の為、何よりエドガーがまた狙われたらたまったもんじゃないからその為だ。
「ありがと。
・・・聖女って人じゃ無いって言ってたわよね?」
「多分な。魂が見えない。人とは違う反応の魂なのかそもそも無いのかが分かってないな。そいえば鑑定出来なかったとかも聞いたな」
「もしも討伐するとなったらあなたは勝てる?」
「今すぐには無理だ。俺には姉ちゃんの加護もたぶん無いし。
一応対策の当てはなくもないがな」
呪いを溜め込みすぎた人間なのか、はたまた呪いそのものが動いているのか。
何にしてもあれは人の域を逸脱した存在だろう。
魔族っぽい。
だが普通に殺したところで呪いは動き続けるだろう。
だから確実に呪いを払う必要がある。
魔族みたいに一瞬でできることではない。
俺は親父や姉ちゃんから呪いの祓い方をしっかりと教わっていない。
俺ができるのは強力な氣をぶつけて呪いを吹き飛ばして散らす力技だけだ。
あれだけの呪いを散らすには相当時間がかりそうだ。
その間俺は聖女の魅了に耐え続けなければいけないし、魂を歪められない対処法も考えなければいけない。
魅了耐える練習は当てがある。
魂を歪められない対処は姉ちゃんがスズナにした加護だが、まるでわからん。
スズナの魂にも魔力にも特に姉ちゃんの何かしらを感じない。いったい何したんだ?
俺は姉ちゃんにも親父にも何かされた覚えは無い。何かしといてくれたら良かったのに。
とにかく無いものは仕方がないので、魂を守る手段を考えないといけない。
魂に対して氣纏った防御や魔法を使ったことがないので試してみるつもりだ。
「対策は早めに立てておいて貰いたいの。
彼女、来月の初めに王城に招かれてるのよね。それは阻止しておきたいわ。
どうなるかわからないから貴方にも動いてもらう可能性はある」
「そりゃまずいな、わかった。
最悪俺の独断で誘拐して山にでも放り出してくるわ。俺も対策出来なきゃ聖女と心中だな。絶対嫌だから頑張る」
「あなたに何かあれば百花に申し訳が立たないわ。対策どうにかしなさい」
「めちゃくちゃだな。でもやってやるさ」
とりあえず決まったな。
スズナは聖女の処遇について考えて動いてくれる。
俺は聖女に対抗する手段を身につける。
「ねえ・・夫は、聖女に魂を歪まされた人は元に戻るの?」
「それはわからねえ。聖女の呪いと同じぐらい強力な祝福を受ければあるいは?
お前が旦那の中で聖女以上の存在になれるよう懸命に愛してやれよ。そうすりゃ聖女への想いも薄くなるだろ」
「そうよね、当たり前のことだったわ。あんな女になんて負けはしない」
「その意気だ」
「祝福は、百花ほどの巫女はいなくても素質があるものをたくさん集めて試して見るしかないわね」
祝福や呪いというのは原初の魔法と言われている。
人がまだ魔力の操作ができなかった頃は、祈りによって魔法をなした。
強い祈りは星に流れる魔力やマナと反応して事象を起こす事がある。
起これば奇跡そのぐらいの確率で起こる事象はコントロールの効かない魔法であるため強力だ。
時折そんな奇跡を事象も定めて起こしやすい人間が居る。それが巫女だ。
巫女は昔であれば当然崇拝の対象となり時には人を導き国を成したり宗教が起こったりもしたという。
リリエスなんて神の名前は聞いたこともないし、元は崇拝された巫女なのかもしれない。
今では人は魔法を覚え奇跡とされていた事象をコントロールできる為、巫女というのは魔法の扱いに秀でた才能を持った人程度だ。
姉ちゃんが巫女だったなんて話は聞いたことが無かったが、あれだけ規格外に魔法使いまくってたのだからそうだったのだろう。
「スズナは聖女に目の前で自害しろと言われて抗えるか」
「・・・無理ね。なんの躊躇いなく死ねそうよ。
貴方に言われて改めて思い返してみたら、私も聖女の前ではちょっと調子おかしくなるわね。
でも彼女はそんなことするのかしら?」
「わかんねえけどそれが出来てしまうというのは危険だよな」
「危険なのは分かってるわ。それに魂を歪めてしまえば彼女の言いなりになるのと同じなのでしょ。それを意識的にしていれば国を乗っ取る事も余裕だわ。
目的がわからないけど放っては置けないわね」
「教皇使って悪しき魂と判断した奴らを殺させてたわけだから、それを理由に捕まえられねえかな。捕まえるのむずそうだけど」
「教皇の件も呪いで人々の意識を変えてしまっているのも理由にはなるのだけれど、証拠を示せないとだめね。それこそ王家が認めるぐらいの」
「リリエス教ってそんなに権威あるのか?」
「聖女の信用はあるわ」
「めんどくさ」
聖女が強制的に敬わせてくる能力があるのでその信用もどうなんだか。
「まあ証拠集めは貴方なんかよりもずっと優秀で信頼ある人に任せるわ」
「嫌味だぞ、せっかく知らせてやったのに」
「事実だもの、国が認める冒険者よ。
貴方のことは信用はするけど、もっと使える信用を得てちょうだい」
「厳しいなー、事実だから反論しようがねえじゃん。
俺が信用得るために必要な時は言ってくれ。
言い出した分は働いてやるから。
ギルドにはほぼ毎日顔を出してる」
関われば確実に面倒なのだが、昔馴染みと住んでる町の為、何よりエドガーがまた狙われたらたまったもんじゃないからその為だ。
「ありがと。
・・・聖女って人じゃ無いって言ってたわよね?」
「多分な。魂が見えない。人とは違う反応の魂なのかそもそも無いのかが分かってないな。そいえば鑑定出来なかったとかも聞いたな」
「もしも討伐するとなったらあなたは勝てる?」
「今すぐには無理だ。俺には姉ちゃんの加護もたぶん無いし。
一応対策の当てはなくもないがな」
呪いを溜め込みすぎた人間なのか、はたまた呪いそのものが動いているのか。
何にしてもあれは人の域を逸脱した存在だろう。
魔族っぽい。
だが普通に殺したところで呪いは動き続けるだろう。
だから確実に呪いを払う必要がある。
魔族みたいに一瞬でできることではない。
俺は親父や姉ちゃんから呪いの祓い方をしっかりと教わっていない。
俺ができるのは強力な氣をぶつけて呪いを吹き飛ばして散らす力技だけだ。
あれだけの呪いを散らすには相当時間がかりそうだ。
その間俺は聖女の魅了に耐え続けなければいけないし、魂を歪められない対処法も考えなければいけない。
魅了耐える練習は当てがある。
魂を歪められない対処は姉ちゃんがスズナにした加護だが、まるでわからん。
スズナの魂にも魔力にも特に姉ちゃんの何かしらを感じない。いったい何したんだ?
俺は姉ちゃんにも親父にも何かされた覚えは無い。何かしといてくれたら良かったのに。
とにかく無いものは仕方がないので、魂を守る手段を考えないといけない。
魂に対して氣纏った防御や魔法を使ったことがないので試してみるつもりだ。
「対策は早めに立てておいて貰いたいの。
彼女、来月の初めに王城に招かれてるのよね。それは阻止しておきたいわ。
どうなるかわからないから貴方にも動いてもらう可能性はある」
「そりゃまずいな、わかった。
最悪俺の独断で誘拐して山にでも放り出してくるわ。俺も対策出来なきゃ聖女と心中だな。絶対嫌だから頑張る」
「あなたに何かあれば百花に申し訳が立たないわ。対策どうにかしなさい」
「めちゃくちゃだな。でもやってやるさ」
とりあえず決まったな。
スズナは聖女の処遇について考えて動いてくれる。
俺は聖女に対抗する手段を身につける。
「ねえ・・夫は、聖女に魂を歪まされた人は元に戻るの?」
「それはわからねえ。聖女の呪いと同じぐらい強力な祝福を受ければあるいは?
お前が旦那の中で聖女以上の存在になれるよう懸命に愛してやれよ。そうすりゃ聖女への想いも薄くなるだろ」
「そうよね、当たり前のことだったわ。あんな女になんて負けはしない」
「その意気だ」
「祝福は、百花ほどの巫女はいなくても素質があるものをたくさん集めて試して見るしかないわね」
祝福や呪いというのは原初の魔法と言われている。
人がまだ魔力の操作ができなかった頃は、祈りによって魔法をなした。
強い祈りは星に流れる魔力やマナと反応して事象を起こす事がある。
起これば奇跡そのぐらいの確率で起こる事象はコントロールの効かない魔法であるため強力だ。
時折そんな奇跡を事象も定めて起こしやすい人間が居る。それが巫女だ。
巫女は昔であれば当然崇拝の対象となり時には人を導き国を成したり宗教が起こったりもしたという。
リリエスなんて神の名前は聞いたこともないし、元は崇拝された巫女なのかもしれない。
今では人は魔法を覚え奇跡とされていた事象をコントロールできる為、巫女というのは魔法の扱いに秀でた才能を持った人程度だ。
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