黄昏一番星

更科二八

文字の大きさ
226 / 519
1章 呪いの女

225話 ガグと組む

しおりを挟む
宿屋について俺らは部屋に荷物を置き、ガグも今日の宿屋はまだ決めてなかったようで部屋を借りていた。
1番奥の1人部屋で、以前エドガーの治療で血まみれにした部屋だ。
ちゃんと隅々綺麗にして出たので問題ないがエドガーはすこし気まずそうだった。

酒場へ降りて席に座ると適当に注文をした。

「それで、タイガの相談ってなんだ?」
ガグの方から話を切り出された。
酒飲む前がいいと思っていたので好都合だ。

「ああ、俺が明日から1月と少しの間仕事でこの街を離れることになってな、その間ガグに余裕がある時でいいからエドガーに傭兵の仕事教えてくれないかと思ってな。
エドガーにもまだ相談してないけど、2人はどうだ?」
「俺はいいぞ!剣とか弓とか鈍っちまいそうだし、1人でも討伐行くか考えてたんだ。
ガグがついててくれるなら心強いな」
「俺の方も構わんぞ!まだ暫くはBランク相当の良い依頼も少ないからな!」
「ほんとか!有難い!せっかくエドガーもやれる事が増え出したからな、解体だけで遊ばせておくのはもったいなかったんだ」

低ランクの面倒など手間だし、金にもならないから渋られるかもとは思っていたが、あっさりと了承してくれた。
ガグが頼みを聞いてくれてよかった、なんだかんだいい奴だ。
トレイやモーガンも俺と一緒に町を離れるので、本当頼れる奴がガグぐらいしか居なかった。
この街に一緒に来た傭兵のリザベルはあれ以来1度もギルドで見ていない。
遠出の依頼ばかり請けているとか言っていたので殆ど出払っているようである。
再開したら奢る約束もしたのにどうなるやら。

「2人をあまり見かけないと思っていたが解体の方で仕事をしていたのか、あまり稼げなくないか?俺も冬場なんかで傭兵仕事が極端に少ない時は解体もするが」
「そうかな、俺最近は1000ロング超える事もあるけどな!」
「そいや今日何匹捌いたんだ?」
「やっと10匹いったぜ!」
「おお、やったな!」
「いったい何を解体してるんだ?エドガーは最近登録したばかりなんだよな?」
「コボルトだせ、1匹捌けば100ロングだぞ、早く捌ければそれだけ儲かる。
タイガなんて最初に100匹近く捌いたんだよな!」
「やり過ぎると禁止になるからほどほどにな」
「そうか、下手な依頼受けるよりかは多少儲かるのか・・」

ガグは結構稼ぎをきにしているな。
ワーカーとしては当然なのだが、それ程こないだ買っていた旅人の輪が応えたんだろうか。
というかガグは普通に指に自前のはめてるな。
ちんぽにもしてんのかな?

「ガグは稼げる仕事したいんだなー」
「そりゃそうだろう」
「なんか目的はあるのか?」
「まあ、・・なくもない」

なんか急に言い淀む。大っぴらにできない使い道なのだろうか。

「ああ、そいやこないだガグに聞いた娼館役に立ったぞ、良かった。
ガグのこと受付の奴にいったら待ってるぞだとよ」
「そうか、役立ててもらって良かった!
俺ももう少し余裕が出れば行きたいのだけどなーしかし金も貯めたい、なかなかなあ」

ならなんであんな旅人の輪を買ったんだか。
いや俺も自分サイズあれば欲しくなるし欲には抗えないということか。
オーガの男はアクセサリー類で着飾る文化があるかららな。
男の象徴を飾り立てられて、効果付きの装飾品なら買わずにはいられなかったのか。

「ガグは調達とか魔物の素材狙いとかしないのか?討伐や護衛だけだと厳しくないか?」
「採集や小さな魔物の素材ぐらいならもちろんやるが、大きなやつは足がないからな。
俺のランクになると調達専門のやつはほぼチーム組んでいるし、1人での護衛仕事が多い俺はその都度調達のワーカー確保が難しいんだ」
「へーそんな事情があるんだな!」

ガグの場合は魔法に頼れないのも調達向かない要因だろう。
魔物を獲って持ち帰ろうとすると当然その場での処理が必要になってくるが、そこを素早くこなすのが調達の仕事をするものの腕の見せ所だ。
血抜きの処理や素早い素材の回収などで魔法がかなり役に立つ。
時間をかければ他の魔物も寄ってきたりする。
チームを組めば役割を分担して足りない部分を補えるのだが、現実は残酷で色々な事が出来るやつが優遇され、ガグのように力に特化した戦士は器用さがなく不人気だと聞く。
ガグがやむなくソロで討伐や護衛の仕事をしているのはこう言う事が関係しているのだと思う。

「エドガー達も稼ぎたいなら人脈作りは大事だぞ。
高ランクになると調達部門のやつの重要性がかなり高くなってくるからな」
「そこは俺がなんとでもするさ、魔法得意だしな。
ガグも何か獲ってきたいやつがあったら相談してくれていいぞ」
「本当か!それは有難いな、倒しても持ち帰れずに歯痒い思いをする事が多くてな。
俺の方が良い知り合いを得られたようだな!」

ガグには無駄に対抗意識が湧くが、それを抜きにして、ガグと組めれば受けれる依頼の幅はかなり広がる。
俺たちからしたらメリットがでかい。

「今度ガグとも仕事やってみたいぜ」
「それはすぐやるだろ、それを頼んだんだから」
「そうだった!よろしくなガグ!」
「ああ、エドガーよろしくな!」
「頼んだぞ」
「ああ、任された。タイガはエドガーの保護者みたいだな」
「まあ弟子みたいな感じだしな」
「へへへ、弟子か、師匠って呼ぶか?」
「いや、呼ばなくていい、対等な関係が良いしな」
「じゃあ俺のこと師匠って呼ぶか?」
「ガグって何歳?」
「26だ」
「俺と1つしか違わねーじゃん、ガグも対等が良い」
「ははは、冗談だ!師匠って柄じゃないしな!」

ガグ俺より年下だったのか。
俺よりデカいのに。
話もついたしムカつくから酒で潰してやろう。

「ガグ、俺の奢りだからじゃんじゃん飲めよ」
「おお、いいのか?どういうことだ?」
「タイガは自分が楽しむために人に酒飲ますから気にすんなよ」
「ははは!それじゃお言葉に甘えさせてもらうぞ!」

よーし乗ってきたな、楽しくなりそうだ。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

『これはハッピーエンドにしかならない王道ラブストーリー』

segakiyui
ファンタジー
出戻り姫と噂に高いシャルンは、5回目の婚儀を迎える。 今度の相手はカースウェル王国のレダン王。剣技に優れ、温厚誠実な王は結婚相手としては申し分ないはず。けれど、この結婚には決して成立されてはならない理由があった……。 辛い過去を乗り越え、シャルンは新たな世界へ踏み出す。 世界を滅ぼす龍を右手に、愛しいレダンに守られながら。 『花咲』と龍を巡るラブストーリー、再開。毎月第2、4火曜日連載。8月は8/26に。 第1話 出戻り姫と腹黒王 第2話 砂糖菓子姫とケダモノ王 第3話 花咲姫と奔流王

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生勇者が死ぬまで10000日

慶名 安
ファンタジー
ごく普通のフリーター・岩倉運命は謎の少年に刺され、命を落としてしまう。そんな岩倉運命だったが、サダメ・レールステンとして転生を果たす…

私はいけにえ

七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」  ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。  私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。 ****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。

聖女召喚2

胸の轟
ファンタジー
召喚に成功した男たちは歓喜した。これで憎き敵国を滅ぼすことが出来ると。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

処理中です...