黄昏一番星

更科二八

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2章 終末を呼ぶ狼

273話 初めての遠出

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タイガが街を出てから19日がたった。

朝起きてから眷属の繋がりを確認してタイガが生きている実感を得る。
聖女や王都のことはわからないが予定では聖女討伐は過ぎている。
だからきっともう大丈夫だしまた会える期待感で胸がいっぱいだ。

タイガがやっていた氣の鍛錬を真似た日課をこなしてから宿をでて、ガグと一緒にギルドの傭兵部門で依頼を選び受付に持って行くと、予想してなかった事が起こった。

「エドガーさんとガグさんに呼び出しが来ていますよ。デイバーの町のカンザキ商会まで来て欲しいそうです」
「デイバー?西の港町だよな?」
「そうだな、カンザキ商会は貿易商の店だったか。俺は依頼受けた事はないな」
「あー俺は荷物結構運んでたかも」

前職のことがあるとはいえ今この商会に呼ばれる理由はよくわからない。

「具体的な依頼があるなら直接会ってからになると思います。可能ならギルドを通してお仕事されるようにしてくださいね」
「断れないのか?」
「このギルドでの重要な取引先でもあるのでダメです。部長からも念を押されてますので。粗相のないようにお願いしますね」

個人主義を重んじるギルドでもこんな事ってあるんだな。
なる早で行けという圧を受けて今日これから支度をして出発する事になった。

「とりあえず一旦宿の部屋を出るか」
「居心地よかったんだけどなー。帰ってきたらまた借りられるといいな」
「酒飲んで直ぐ寝れるのがいいよな」
「そうそう、つい深酒しすぎて次の日寝坊するけどな」

タイガには寝坊に気をつけろと言われていたがガグと俺2人では無理だったので何度かやらかしている。

「デイバーまでは馬車で5日前後ってところだ、歩いて行くにはちょっとしんどい距離だけど俺のお勧めは徒歩だな」
「乗合馬車は使わないのか?」
「デイバー行きは人がかなり多くてな、ろくに身動きできない状態のまま5日間も過ごしたくないだろ。乗合馬車を使うとしても2つ目の街道沿いの宿場町のデュナからだな」
「確かに嫌かも。徒歩で全然いいぞ」
「決まりだな、それじゃあ午前中目処に旅支度をしてしまおう」
「何が必要なのか俺知らないから教えてくれ」
「ああ、もちろん!」

そうしてガグと一緒に買い物して周り昼過ぎになり支度は完了した。
もし俺がギルダナに戻る前にタイガが戻ってきた時のことを考えて宿屋のグーグさんには俺の行き先を伝えておいた。
タイガならあの宿に行くだろう。

「へへへ、ギルダナを出て別の町にいくの初めてなんだ。楽しみだ」

いつもスカスカなタイガに作ってもらったマジックバッグには旅用の食料や自分用の天幕やレインコートなどが買い足されていっぱいになってしまった。
そして普段身につけていない練習用の剣を腰に下げた状態が今の俺にできる旅装になった。
服とかはいつもと変わらない。
剣以外は傭兵感がまるでない。
それでも初めての旅に興奮してくる。

「ははは!デイバーまでの街道は馬車に轢かれさえしなければ、魔物も殆ど出ないから安全だ。初めての旅にはちょうどいいな。気楽に行こう」
「おう!」

ガグの格好はギルドに行く時と同じ簡単な防具と背中に大剣と大きな背嚢のマジックバッグだ
俺と違って凄く傭兵って感じだ。
俺もそのうちちゃんとした装備を整えたいな。

とりあえず今はデイバーを目指す旅だ。
海がある街だ。
タイガと行きたいと言っていた街に先に行ってしまうのは忍びないのだが、いつかきっとタイガとも行きたい。
今回は下見だ、タイガと行くときは案内できるようにしておこう。
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