数学の先生が異世界に行ったとしたら

シュガー

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第1章

第10話

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 昼食を食べ終わり、食後の眠気に少しうつらうつらしていると脳内にもうちょっとしたら着くので待っていてください。と先生から念話が来たので眠気を覚ますために机の上に置いてある桶に水魔法を使って水を出して目を覚ました。

 これ、いちいち魔法陣を描くのもめんどくさいから、桶の底に刻んでおいて魔力があれば水が勝手に出るようにならないものか、と思ったので試行錯誤しながら少しずつ描いてみる。

 そうすると、どうやらただ単に溝を削っただけでは、うまく魔法が発動しなくて魔力がただ空中に消えていく廃棄物となってしまった。

 魔法陣を描くときに魔力を固定しながら書くので、きっと固定できないとうまく動かないのだろう。まあ、きっと普通の素材で作ると失敗してしまうのだろう。この話は仕方がないので、これも後で先生に聞くことにした。

 自分が今までにできた、悪魔用の魔法陣を魔力を使わずに書いて待っていることにした。

-----------------------------------

 そうしていること、2、3分、先生はやってきた。

 今日はいつもより、遅かったが何かあったのだろうか。まあ、そんなことよりも自分の今の状態について知るのが最優先だと思って、先生の方を向く。

 「いや、すみません。ちょっと、家で魔道具を探していたら遅れてしまいました。」

 そういって、先生が懐から取り出したのは、占いの水晶のようなものであった。

 まあ、十中八九、鑑定の用途で使う魔道具であろう。もし、そうでなかったら検討はつかないが。

 「詳しく見るために、一応鑑定の水晶を持ってきたので、少々遅れてしまいました。」

 と言って、今からすることの説明を受けた。

 「昨日、念話で話を聞いたことから契約の相互作用によって悪魔用の魔法陣を描けるようになったというのは確定だと思いますが、他にも何か変わったことがあるかもしれないと思ったので、持ってきました。まず、この目の前にある水晶に手を置いてもらって魔法陣を発動させるように魔力を流し込んで下さい。」

 確かに、他にも変化があったら早めに知っておくべきだと思い彼の判断は正しいと思った。また、本当に水晶に魔力を流すだけで自分の状況が分かるものなのであろうかと思っていたが、まあ自分はまだわからないから、あとで調べていこうと思って言われたとおりに水晶に魔力を流し込んでいく。

 すると、水晶が急に中心に一匹のホタルのように小さい光が発生した。しばらく魔力を流し込むとだんだんと光の大きさが大きくなっていき、最終的には水晶全体が光って元の状態に戻って、その水晶の上には何か紙が乗っかっていた。

 きっとそれに鑑定結果が出ているのだろうと思って、自分の体はどうなってしまったのだろうと希望と不安に体を支配されながらその紙を先生と一緒に見ることにした。水晶の光を見た残像が目に残っていて少し目が痛いが。
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