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第1章

第12話(マルクコス視点)

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 念話で主様と話しているとどうやら悪魔用の魔法陣が使えた。と驚きの発言がやってきた。

 きっと、契約の相互作用だろうが一応心配であるから鑑定の水晶球を持っていく。

 彼のステータスはいったいどんなものなのだろうかとわくわくしながら彼の家まで飛んでいく。いつもより荷物が多いため今日は早く着けそうにないので念話で少し遅れそうなことを伝える。そう彼に伝えたら、全然問題ないと言われたが、迷惑をかけてしまっていることに変わりはないので取り敢えず急ぐことにした。

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 彼の部屋につくと、彼は木の桶に魔法陣を刻もうとして四苦八苦していた。ふふ、さすがは俺が見つけた素晴らしい主様だ。自分は何も教えていないのに魔道具の作成に取り掛かろうとしている。まあ、その件も色々と話したいが、取り合えず今は主様のステータスの確認と契約の相互作用が起こっているかどうかを見るのを急ごう。

 もし、彼に何かあったらと思うと震えが止まらない。今までは人間なんて、子供なんてと思っていた俺がここまで変わるなんて彼はすごい人なんだろう。いや、すごくないなんて言うわけがない。

 彼は物珍しそうに鑑定の水晶を見ているが、これは魔道具の中でも普及率が高く色々な公共施設においてあったりするのでまああとで、そんなんでもなかったんだなと思うだろう。まあ、そんなことはいい。

 それにしても、何回みてもなかなか、この鑑定時に起こる光にはなれないや。自分が悪魔だというのもあるし、それ以前に普通にこれはまぶしい。どうにかして光らないタイプのものができないかなと思っていたら、主様の鑑定結果が出てきた。

 そこに書いてあったのは、あまりにも桁外れなステータスであった。まず、HPの高さであろう。自分には圧倒的に及ぶわけではないがあまりにも平均と比べると高くなっている。というか、この年齢で自分よりMPがあるってどういう事?あと、さっき魔法使っていたけど魔力が満タンになっている回復速度はどうした。称号の豪華さなどなどいろいろと突っ込みどころが多い。

 思わず、放心状態になっていると

「自分のステータスで何かおかしかったところはありますか?」と首をかしげながら聞かれてしまった。

 どうやら無自覚のようだ。いろいろと彼に言っていくうちに少し素は出てきてしまったがまあ、魔法陣の件がどういうものか分かったかよかった。
と思って、もう一度彼のステータスを見てみたら、そこには驚くべきことが書いてあった。
そこには転生者と書かれていた。

 待てよ、彼は転生者だったのか。そうすると、彼の頭の良さはうなずける。

 それにしても彼は後悔しながら死んだらしいけど、何を後悔していたのだろうか。

 まあ、俺にはそんなことはわからないし、彼には使命などないからどこかに行く必要もない。俺は本当に素晴らしい主様を持ったものだと誇りに思いつつも、束縛感が心の中で育っていく。

 今は悪魔用の魔法陣に興味津々であるから、彼の好奇心を満たしつつ傍で自分も彼を観察するという欲求を見たそう。
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