8 / 63
第8話、少年時代4、料理をする
しおりを挟む何と! 驚く事に植えたトマトとキュウリが1カ月で実がなり、収穫出来そうだ。
真っ赤に熟れたトマトとキュウリをもぎ取り、篭に入れて僕が料理をするために台所に行くと母上が。
「その赤い物は果物なの? 」
「これは前世の野菜でトマトだよ。生で食べても美味しいよ。長い物はキュウリでこのままでも美味しいけれどサラダにすると美味しいよ」
母上がトマトにガブリと齧りつき、目を大きく目開き。
「わぁー! 甘酸っぱく香ばしい匂いがして美味しいわー、マリュウスは野菜と言ったけれど、これは絶対、果物よ」
母上が父上に食べさせる為に台所を出て行くと僕もトマトを食べて。
「何じゃー! これは。前世のトマトと違い桃の匂いがして甘酸っぱいわい。わしが知っているトマトと違い過ぎるわい」
興奮して思わず88歳の老人の言葉で言ってしまい、母上がいなくて良かった。
キュウリも食べてみたが、やはり前世のキュウリと違い少し甘みがある。
不思議だが、どうやらこの世界の土壌は地球と違うので出来る作物の味が違うみたいなのだ。
前世では料理も得意で孫たちは僕の作る料理は美味しいと言い、残さず食べていた。
父上と母上が来て父上が。
「あのトマトは美味しすぎる。もっとないのか? 」
「今晩の夕食は僕がトマトを使って作ってみるから今は我慢してよ」
「そうか。夕食が楽しみだ」
「母上、料理の材料は何処にありますか? 」
「マリュウスは料理も出来るの? そこの食料保存室にあるから自由に使いなさい。」
「はい、前世では料理も得意でした」
「楽しみね。手伝う事はある」
「今日は僕が全部しますのでたまには母上は休んでいてください」
「でも、手伝う事があった時は呼んでね」
食料保存室の扉をあけると、ひんやりしてよく見ると木の箱には氷が沢山いれてあるのは、母上が水魔法で氷を作り、食材が腐らないように入れておいたのだろう。
白菜とほうれん草に似た野菜、この世界では良く食べられているジャガイモとサツマイモの間みたいな黒い色をした黒芋は、形はサツマイモに、味は少し甘みのあるジャガイモに似ている。
レモンに似た果物あるので齧って見るとレモンと同じだ。
他には、鶏肉、何の魔獣の肉か分からないが肉と卵、調味料は残念ながら塩と甘い果物を絞った物と蜂蜜の甘味料だけだ。
どんな料理を作るか考えて、鶏肉を入れた肉野菜サラダ、ステーキ、トマトスープ、黒芋を油で揚げて父上の酒のつまみにポテトフライを作る事にした。
食後のデザートはプリンを作ることにした。
トマトを潰し液状にし、卵の黄身に酢の代わりにレモンの似たしぼり汁、塩と甘味料を加え特製のマヨネーズに似たドレッシングを甘酸っぱいものと、少し塩味を利かした2種類を作り、味見をして見ると思ったより美味しいではないか。
サラダとには甘酸っぱいドレッシングをステーキには塩味を利かしたドレッシング掛けて味を付けた。
スープは塩だけでトマトの自然の甘みが出て美味しく出来上がった。
ポテトフライは塩とレモン汁をかけておいた。
料理は見た目も大事なので綺麗に盛り付けておいた。
最後にプリンを作って出来上がりだ。
出来上がった事を知らせると母上とクレア姉さんが食堂に運んでくれて料理の盛り付けを見て父上が。
「これがマリュウスの作った料理か綺麗で美味しそうだな」
「黒芋を油で揚げたのは父上の酒のつまみだよ。食べて見て」
ポテトフライを口に入れた父上が。
「これが黒芋か。まるで別物で美味しいぞ。酒が進みそうだ」
クレア姉さんが。
「お父様だけ食べてずるいわ。わたしにも食べさせてよ」
クレア姉さんがポテトフライを食べて。
「美味いー! いつもの黒芋とは思えないわ。まるで別物だわ」
母上も食べて。
「美味しーい! マリュウスは料理の天才ね」
サラダとステーキを食べ始めると母親が。
「同じサラダとステーキと思えないわ。この掛けてある物の味は絶品ね。今度作り方を教えなさい」
父上とクリア姉さんは物も言わずに黙々と夢中で食べている。
最後のデザートのプリンを食べるとクリア姉さんが。
「こんな美味しい物は初めてだわ」
母上も。
「完全に胃袋を掴まれたわ。このプリンは美味しすぎるわ」
食べ終わると皆が絶賛してくれて又、食べさせてくれと言われて作った甲斐があって、これからも食生活の改善に力を入れる事にした。
作った料理は面倒なので全て日本料理だと言っておいた。
855
あなたにおすすめの小説
何故か転生?したらしいので【この子】を幸せにしたい。
くらげ
ファンタジー
俺、 鷹中 結糸(たかなか ゆいと) は…36歳 独身のどこにでも居る普通のサラリーマンの筈だった。
しかし…ある日、会社終わりに事故に合ったらしく…目が覚めたら細く小さい少年に転生?憑依?していた!
しかも…【この子】は、どうやら家族からも、国からも、嫌われているようで……!?
よし!じゃあ!冒険者になって自由にスローライフ目指して生きようと思った矢先…何故か色々な事に巻き込まれてしまい……?!
「これ…スローライフ目指せるのか?」
この物語は、【この子】と俺が…この異世界で幸せスローライフを目指して奮闘する物語!
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです
竹桜
ファンタジー
無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。
だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。
その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
1つだけ何でも望んで良いと言われたので、即答で答えました
竹桜
ファンタジー
誰にでもある憧れを抱いていた男は最後にただ見捨てられないというだけで人助けをした。
その結果、男は神らしき存在に何でも1つだけ望んでから異世界に転生することになったのだ。
男は即答で答え、異世界で竜騎兵となる。
自らの憧れを叶える為に。
ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。
千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。
気付いたら、異世界に転生していた。
なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!?
物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です!
※この話は小説家になろう様へも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる