30 / 63
第30話、キィウ王都に行く
しおりを挟む最近困っていることがある。
困っている事とは、アネット王女が10日に一度くらい手紙をよこし、近状報告、キィウ王都の出来事、王都の出来事、ボロニァ帝国の動きなどを知らせてくれて助かるが、最後に俺をどれだけ愛しているか、必ず俺と結婚出来るようにするからそれまでは結婚しないで待っていてくれと書いてある。
俺の本音はアネット以外の女と結婚する気はなく、アネットと結婚出来なければ一生独身で過ごすつもりだ。
俺の跡継ぎは優秀な子供を養子にすれば良いだけだ。
俺は2回に1度はアネットに返事をしているが、期待を持たせるようなことは書かずに近状報告だけにしている。
今は個人的な事は置いといて、そんな事より、塩を作る事に成功したのでこの世界になかったトマト、キュウリ、等も塩と一緒にキィウ王都まで売りに行くことにしたのだ。
同行するのは警護の為、警護隊から虎族のガルーダと警備隊10人、秘書官のアンだ。
アンは俺が召喚魔法で取り寄せた前世のスーツを着ているのでビシッと決めて前世のキャリアウーマンみたいだ。
俺も取り寄せたジーンズに革ジャンを着ている。
そのアンが。
「私はキィウ王都に行くのは初めてなので楽しみです」
「楽しみにするのは良いが、仕事だと言うのを忘れるな」
「勿論です。でもマリュウス様は塩を売る商人を知っているのですか? 」
ヤバイ! 売る相手を探していなかった。
ブレント王子かジャンナ学園長は顔が広いので聞いて紹介してもらえば何とかなるだろう。
電気トラックを召喚してみると、皆が驚き、ガルーダが剣を抜きトラックのライトを目と思ったのか。
「この怪物は俺が倒します」
「アッハッハッハー! ガルーダこれは怪物ではなく乗り物だ。それより用意した作物と塩をこの空間カバンに入れてくれ」
「ええー! これが乗り物ですか? 怪物かと思いましたぜ」
アンもビックリしたのか。
「王都に行くのにこれで行くのですか? 」
トラックなので警備隊は荷物は空間カバンに入れてあるので荷物を積む後部に乗り、アンは助手席に乗り俺がトラックを動かすと、最初はゆっくりだったがスピードを出すとアンは。
「うわー! 馬車より速く景色が飛んで行くわ」
トラックは俺も始めて見る屋根にはソーラパネル付きでスピードは普通のトラックより遅く、最高は時速60kmくらいしか出ないが、馬車に比べたなら倍以上は早いので皆は驚いている。
途中、魔獣や盗賊が出たが、初めて見るトラックを魔獣と思ったらしく、魔獣や盗賊は逃げ出したのには笑えた。
キィウ王都までは馬車で5日もかかるが、俺がアンに運転を教えたので夜もトラックを走らせながら交代で寝たので、思ったより早く2日目の朝にはキィウ王都が見える丘に着いた。
トラックで王都に行ったなら驚かれるのでトラックは空間カバンに入れておいて王都に行った。
王都の入り口の一般人の門の前には大勢の人が並んでいたが、俺は貴族なので身分証明書を見せて貴族専用門から待つこともなく直ぐに通された。
街に入ると、直ぐに宿を取りジャンナ学園長に商人を紹介してもらうために行こうとすると、ガルーダが護衛に、アンも付いて行くと言うので2人を連れて護衛の警備隊は宿に残して学園に向かったのだ。
学園に行き、学園長に面会を申し込むと直ぐに学園長室に通され学園長が。
「マリュウス、久し振りじゃのう。領地はどうじゃ」
「学園長、お久しぶりです。領地経営は順調で今日はお願いがあって来ました」
「婆にお願いとはどんな事じゃ」
「領地で取れた作物と海水から取った塩を売りに来たのですが、商人に知り合いがいないので出来たら紹介して頂けませんか」
「何と! 海水から塩を作れるのか」
「はい、前世では海水から塩を作るのはあたり前で誰でも知っています」
「そうなのか。今度ゆっくりと前世の世界の話を聞かしてくれんか、知っている商人は新興の商会だが会ってみるが良い」
やはり学園長に聞いて良かった。
紹介された商会は最近急激に伸びて来た若い女性が主人の商会で、父親の代は小さな店だったが後を継いだ2代目の娘が継ぐと業績を伸ばしたらしいので会うのが楽しみだ。
653
あなたにおすすめの小説
何故か転生?したらしいので【この子】を幸せにしたい。
くらげ
ファンタジー
俺、 鷹中 結糸(たかなか ゆいと) は…36歳 独身のどこにでも居る普通のサラリーマンの筈だった。
しかし…ある日、会社終わりに事故に合ったらしく…目が覚めたら細く小さい少年に転生?憑依?していた!
しかも…【この子】は、どうやら家族からも、国からも、嫌われているようで……!?
よし!じゃあ!冒険者になって自由にスローライフ目指して生きようと思った矢先…何故か色々な事に巻き込まれてしまい……?!
「これ…スローライフ目指せるのか?」
この物語は、【この子】と俺が…この異世界で幸せスローライフを目指して奮闘する物語!
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです
竹桜
ファンタジー
無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。
だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。
その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。
1つだけ何でも望んで良いと言われたので、即答で答えました
竹桜
ファンタジー
誰にでもある憧れを抱いていた男は最後にただ見捨てられないというだけで人助けをした。
その結果、男は神らしき存在に何でも1つだけ望んでから異世界に転生することになったのだ。
男は即答で答え、異世界で竜騎兵となる。
自らの憧れを叶える為に。
ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。
千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。
気付いたら、異世界に転生していた。
なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!?
物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です!
※この話は小説家になろう様へも掲載しています
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる