異世界ファンタジーまとめ3【短編集】

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アルマーク戦記

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北の大地、凍える風が吹き荒れる荒野で、僕は育った。父は傭兵、母は…もういない。母の姿は、ぼんやりとしか覚えていない。父はいつも血まみれで、でも、僕には優しかった。

父は、いつも言っていた。「アルマーク、いつか南の魔法学院へ行くんだ。そこで、平和な暮らしを見つけろ。」  南?魔法?そんなもの、僕には縁のない言葉だった。剣と血と、凍える寒さだけが、僕の知っている世界だった。

父が亡くなったのは、僕が十五歳になった時だった。凍てつく雪原で、敵の矢が父の胸を貫いた。最後の言葉は、「約束…守れ…」だった。

約束。父の遺言。南の魔法学院へ行くこと。

北から南へ、それは途方もない旅だった。山を越え、川を渡り、危険な森を抜け、人里離れた村で食料を分けてもらったり、時には盗みを働いたりしながら、僕は南を目指した。魔法学院なんて、聞いたことも見たこともない。ただ、父が言ったから、行くんだ。

やっとたどり着いた学院は、僕の想像をはるかに超えていた。暖かく、華やかで、まるで別世界。生徒たちは皆、きれいで、上品な服を着て、魔法の杖を振るって楽しそうに話している。僕が今まで見てきた、血と泥にまみれた世界とは、全く違う。

入学式。緊張して、僕は硬直していた。周りの生徒たちは、僕を訝しげに見つめる。ボロボロの服、汚れた手、そして、鋭い眼光。明らかに、彼らは僕のような人間を見たことがなかった。

授業は、最初は全く理解できなかった。魔法なんて、まるで呪文みたい。魔法の杖を振っても、何も起こらない。先生は優しく教えてくれるけど、僕の頭はついていかない。他の生徒たちは、魔法の才能に溢れていて、あっという間に呪文をマスターしていく。僕は、いつも遅れをとっていた。

剣術の授業だけは、少しは自信があった。父の教え通りに、真剣に剣を振るうと、周りの生徒たちは驚きの声を上げた。素早い動き、正確な剣さばき。それは、戦場で培った、本物の技術だった。

学院生活は、苦難の連続だった。言葉遣いも、食事のマナーも、何もかもが初めての経験だった。何度も失敗し、笑われたり、無視されたりした。でも、少しずつ、友達ができた。

最初は警戒していたライラは、僕の剣の腕前を見て、少しずつ打ち解けてくれた。彼女は、魔法の才能はそれほど高くないけれど、明るくて、誰からも好かれる女の子だった。それから、少し変わり者だけど、魔法の才能がずば抜けているユアン。彼は、いつも本を読んでいて、魔法の理論について教えてくれた。そして、厳しくも優しい魔法教師のシルビア先生。彼女は、僕の才能を見抜き、厳しく指導してくれた。

ある日、学院に、北の傭兵団が襲撃してきた。彼らは、父が所属していた傭兵団の敵だった。学院は混乱に陥り、生徒たちは逃げ惑った。僕は、父の形見の剣を握りしめ、戦った。

今まで、自分の才能に気づいていなかった。魔法は苦手だったけど、剣術は誰にも負けない。僕は、北の荒野で培ってきた戦闘スキルを駆使して、敵を次々と倒していった。ライラとユアンも、必死に魔法で敵を攻撃する。

激しい戦いの末、敵は退散した。学院は大きな被害を受けたが、生徒たちは無事だった。その日、僕は、自分が本当に強くなったことを実感した。

南の魔法学院での生活は、僕にとって、大きな試練だった。でも、同時に、かけがえのない経験だった。父との約束を果たし、平和な世界を見つけられた。そして、大切な友達もできた。

北の荒野で育った僕は、魔法使いにはなれなかったかもしれない。でも、僕は、この学院で、自分だけの道を切り開いていく。父が望んでいたように、僕は、ここで、平和に生きていくんだ。そして、いつか、北の荒野に平和が訪れることを願っている。
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