異世界ファンタジーまとめ【短編集】

テタの工房

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カオスの愛に溺れて

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6歳の私、リリアは、鮮やかな赤い絨毯の上で転がっていた。ふわふわで気持ちいい。でも、頭が痛い。まるで、誰かに強く殴られたような。

ぼんやりと、記憶の断片が浮かび上がる。黒いドレス、冷たい刃、婚約者、アルフレッドの冷酷な顔。そして、彼の唇から吐かれた言葉。「首を刎ねよ」。

21歳のリリアは、アルフレッドによって殺されたのだ。冤罪で。彼には、別の女性がいた。

「……アルフレッド…嫌だ…」

小さな声は、震えていた。6歳のリリアは、21歳の記憶を断片的にしか思い出せない。でも、アルフレッドの顔と、あの冷たすぎる言葉だけは、鮮明に刻まれていた。

それから、少しずつ、21歳の時の記憶が蘇ってきた。アルフレッドとの出会い、幸せな日々、そして、裏切りと殺害。全てが、まるで昨日のことのようにリアルだった。

もう一度、同じ人生を歩むのは嫌だ。アルフレッドに殺される未来を、私は変えなくてはならない。

まずは、家族を守る。21歳のリリアには、優しい両親と、可愛らしい妹がいた。その家族を、絶対に守るんだ。

リリアは、過去を繰り返さないために、必死に勉強した。21歳のリリアは、優秀な頭脳の持ち主ではなかったが、6歳なら、まだ間に合う。彼女は、先生の話に真剣に耳を傾け、宿題にも真面目に取り組んだ。

学校では、いつも一番後ろの席に座っていた控えめなリリアは、少しずつ変わっていった。積極的に質問するようになり、友達もできた。

特に仲良くなったのは、クラスで1番人気の少年、レオだった。レオは、明るくて、優しくて、いつもリリアを笑わせてくれた。彼は、リリアが抱える暗い過去には気づいていなかった。

レオとの時間は、リリアにとって、かけがえのないものだった。21歳のリリアには、こんな幸せな時間はなかった。アルフレッドとの関係は、常に緊張感と不安に満ちていた。

レオは、リリアに、初めて本当の愛情を教えてくれた。純粋で、温かい、そして、自分を大切にしてくれる愛。

時間は流れ、リリアは成長していった。彼女は、アルフレッドとの婚約を避けるために、あらゆる努力をした。アルフレッドとの関係を断ち切るには、彼と同じくらい、あるいはそれ以上の力が必要だった。

彼女は、政治や経済、法律など、あらゆる分野の知識を身につけ、強い意志と知性を磨いていった。

そして、ついに、リリアは、アルフレッドの策略を打ち破る機会を得た。それは、アルフレッドが企てた、王国のクーデターだった。

リリアは、自分の知恵と勇気、そしてレオの力も借りて、アルフレッドの陰謀を暴いた。アルフレッドは、逮捕され、処罰された。

リリアは、家族と平和な日々を送ることができた。そして、レオとの愛も、ますます深まっていった。

21歳で死んだはずのリリアは、6歳で人生をやり直すことで、本当の幸せを掴んだ。それは、アルフレッドのような冷酷な愛ではなく、レオのような温かい愛だった。

かつて、カオスの神に祈りを捧げたリリアは、今、レオの腕の中で、深い眠りについた。二度と、悲しみを知ることはないだろう。彼女の未来は、希望に満ち溢れていた。  21歳の記憶は、彼女にとって、決して忘れられない、痛々しい過去であると同時に、今の幸せをより一層輝かせる、大切な経験となった。

そして、リリアは悟った。幸せは、誰かが与えてくれるものではなく、自分で掴むものなのだと。  彼女は、自分の力で、未来を切り開いていったのだ。
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