異世界ファンタジーまとめ【短編集】

テタの工房

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王女のヒモと最強の剣

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砂埃が舞い上がり、喉が渇いた。空腹もしてきた。もう何日もまともに飯を食っていない。

フウタは、日陰でじっと座っていた。かつてはコロッセオの闘技場を沸かせた、最強の剣士だった。だが、今はただの、路頭に迷った男だ。

「強いだけじゃダメなんだよ…華がない…つまらない…」

観客の嘲笑が、今も耳に残っている。確かに、華やかさはない。派手な技も、言葉巧みな煽りも、フウタにはなかった。ただ、ひたすら強く、ひたすら戦い続けただけだった。

その強さが、裏目に出てしまった。八百長試合への参加。観客を欺いた罪は重く、国を追われることになった。

「もう…終わりだ…」

フウタは、空を見上げた。夕焼けが、燃えるように美しい。こんな美しい夕焼けを、もう二度と見ることができないのかもしれない。

その時だった。

「誰か…いますか…?」

かすかな声が聞こえた。辺りを探すと、そこにいたのは、一人の少女だった。美しい金髪が、夕日に輝いている。彼女は、上品なドレスを着ていたが、そのドレスは、泥で汚れていた。

「あなたは…?」

フウタは、声をかける。少女は、少し怯えた様子で、フウタを見つめていた。

「私は…リリアといいます。あなた…大丈夫ですか?」

リリアは、優しい目をしていた。フウタは、自分がどれほど惨めな姿をしているか、改めて認識した。

「私は…フウタです。…もう、何もないんです…」

フウタは、自分の境遇を、リリアに打ち明けた。リリアは、静かにフウタの話を聞いていた。そして、意外な言葉を口にした。

「…私と一緒に、来ませんか?」

リリアは、王女だった。そして、彼女は、最強の剣士を、探し求めていた。フウタは、リリアの提案に、戸惑いを隠せない。

「…どういう意味ですか?」

「私の家の食客になってください。たまの手合わせ相手として…後は、何もする必要はありません」

リリアは、穏やかな表情で言った。フウタは、言葉を失った。

「…ヒモ…ですか?」

「ええ、そう言っても構いません。ただ、たまに、私と剣を交えていただければ…」

リリアは、微笑んだ。それは、フウタが見たことのない、優しい微笑みだった。

こうして、フウタは、王女リリアの食客となった。

毎日、豪華な食事が振る舞われ、快適な部屋で眠ることができる。もう、空腹や寒さを感じることはない。そして、時折、リリアと剣を交える。それは、観客のいない、静かな決闘だった。

かつて、フウタは、観客の歓声を求めて戦っていた。だが、今は違う。リリアとの決闘は、純粋に、剣技を磨くため、そして、リリアと過ごす時間を楽しむために行われるものだった。

リリアは、剣の腕も相当に高い。フウタは、リリアと戦うことで、さらに強くなっていった。そして、リリアもまた、フウタとの決闘を通して、剣技を磨き、成長していく。

ある日、リリアのメイド、名前はミリアという、小柄で活発な少女が、フウタにパスタを作ってくれた。

「これは…美味しい!」

フウタは、感激して言った。ミリアは、照れくさそうに笑った。

「よかったです!また作ってあげます!」

フウタは、穏やかな日々を送っていた。コロッセオでの苦い思い出は、徐々に薄れていく。

リリアとの日々は、フウタにとって、かけがえのないものとなっていた。

かつて、フウタは、強さだけを求めていた。しかし、今は違う。リリアとの出会い、そして、穏やかな日々の中で、フウタは、本当の幸せを見つけたのだった。

夕焼けが、今日も美しい。フウタは、リリアと並んで、その夕焼けを眺めていた。

「フウタさん、今日はどんなパスタがいいですか?」

ミリアが、笑顔で聞いてくる。フウタは、幸せに満ちた気持ちで、答えた。

「今日は…ミリア特製の、ミートソースパスタで!」
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