異世界ファンタジーまとめ【短編集】

テタの工房

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おっとっと異世界転生

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久坂明日菜(くさか あすな)。S高に通う、ごく普通の高校2年生…のはずだった。

電車を降りて、いつものように学校へ向かっていた。いつものように、少し急いでいた。そして、いつものように、石畳につまづいた。「おっとっと…」と呟いた次の瞬間、視界がぐるりと回転した。

気がつくと、そこは煉瓦造りの広場。さっきまでとは明らかに違う、どこか古風な街並みが広がっていた。噴水から水が勢いよく流れ落ち、その音は耳障りなほど大きく響く。

「…え?ここどこ?」

パニックになりそうだったけど、まず落ち着こうと深呼吸。辺りを見回すと、見慣れない植物が咲き乱れ、空には見慣れない鳥が飛んでいる。まるで…ゲームの世界みたい?

そんなことを考えていると、私の傍に顔色が悪い男の子が立っていた。彼は、まるでガラス細工のように繊細で、綺麗な顔立ちをしていた。でも、その顔色は青白い。

「早く…魔力を回復させないと…死んじゃうよ…」

彼は震える声でそう言った。

「魔力?…は?どういうこと?」

彼の言葉の意味が分からず、戸惑っていると、彼は突然、私の腕を掴んだ。

「キス…して…くれないか…」

「キ、キス!?」

心臓がバクバクと音を立てて、顔は真っ赤になった。初めてのことで、頭が真っ白になった。キス…なんて、考えたこともなかった。

すると、周囲の人々がざわめき始めた。騎士のような格好をした男、貴族のような服装をした男、そして、耳が尖った不思議な生き物…様々な人々が私達を取り囲むように集まってくる。

「おい、何をしているんだ!」

騎士のような男が、剣を構えながら近づいてくる。

「これは…王国の魔法使い、リリア様じゃないですか!」

「リリア様?…魔法使い…?」

私は、自分が魔法使いだなんて、全く知らなかった。

「この子は、異世界から転移してきた者です。彼女の魔力を使って、この子を救わなければ…」

顔色の悪い男の子が、必死に訴える。

「…どういうことだ?」

騎士の男は、私を鋭い目で睨む。

「簡単に説明しますと、彼女は、この世界の魔法の力を宿しているのです。そして、この子は、その力を必要としている…」

そばにいた、真面目そうな顔をした男が、落ち着いて説明してくれた。彼は文官らしい服装をしていた。

その説明を聞いても、私はさっぱり分からなかった。

「とにかく、キスをすれば、この子の命が助かるんです!」

男の子は、泣きそうな顔で繰り返す。

「…でも、初めてだし…」

「そんなこと言ってる場合じゃないだろう!早くしろ!」

騎士の男が、剣をさらに強く握り締めた。

それから、何が何だかわからないまま、私は顔色の悪い男の子にキスをした。

すると、彼の顔がほんのり赤くなり、息遣いが安定してきた。

「…助かった…」

彼は、安堵したように目を閉じた。

その後、様々な出来事が起こった。

セクハラまがいのことをする傲慢な王子、謎めいた半妖精、プッツンしそうな犬騎士、そして、影のように暗躍する暗殺者…。

それぞれが、独自の目的を持って私を巻き込んでくる。

最初はただパニックになっていた私だったが、次第に、この世界の理不尽さ、そして、人々の複雑な思惑に翻弄されながらも、自分の力で生き抜こうと決意していく。

そして、様々な困難を乗り越え、私は、この世界で、自分だけの幸せを掴むことができた。


それは、予想だにしなかった、予想外のハッピーエンドだった。
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