異世界ファンタジーまとめ【短編集】

テタの工房

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交渉スキル至上主義

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俺は、森岡弘人。元・MMORPG「エターナル・マギア」のトッププレイヤー。今は、ただの引きこもり高校生。三年間、部屋から一歩も出てない。

ゲームの世界では、最強だった。誰もが欲しがる強スキル「ソードマスター」とか「魔法使い」じゃなくて、誰も取らない「交渉術」を極めたんだ。おかげで、どんな相手とも仲良くなれたし、無理難題もクリアできた。ゲーム内では、コミュ力最強って呼ばれてたけど、リアルじゃコミュ障。話しかけられると、固まっちゃうんだ。

そんな俺の人生は、ゲームのアカウントがハックされて、全てを失ったところで終わった。絶望してたら、トラックが……

次に目が覚めたら、赤ん坊だった。しかも、異世界。

「おいおい、冗談だろ?」

頭の中は、ゲームのデータが残ってた。ステータス画面も表示される。

【名前】 弘人
【年齢】 0歳
【種族】 人間
【スキル】 交渉術LV MAX、赤ちゃん言葉LV1

交渉術がMAX!これは、使える!

しばらくは、赤ちゃん言葉で必死に生き抜いた。ミルクを貰うのも、オムツを替えてもらうのも、全て交渉術。泣き叫ぶより、笑顔で「ミルクください!」ってお願いした方が効果的だった。

成長すると、交渉術の使い道はもっと広がった。

村長に「畑を貸してください!」と交渉し、野菜を育てて売った。最初は誰も相手にしてくれなかったけど、粘り強く交渉して、少しずつ信頼を得た。

次に狙ったのは、村の嫌われ者、ゴブリン退治で有名な「勇者」だった。

「勇者様、ゴブリン退治の報酬、半分私にください!」

勇者、顔面蒼白。

「は、半分だって!? 俺が命懸けで倒したゴブリンを…」

「勇者様は勇猛果敢で素晴らしいです!でも、ゴブリンの皮や牙は、私が市場に売って利益を最大化できます!半分は、勇者様の勇気を称えるための祝宴に使いましょう!」

勇者、まんまと乗せられた。

【名前】 弘人
【年齢】 10歳
【種族】 人間
【スキル】 交渉術LV MAX、赤ちゃん言葉LV10、説得LV5、商人LV3

その後も、交渉術を使って、村をどんどん発展させた。

ある日、森で迷子の少女、リサと出会った。彼女は、奴隷商人から逃げてきたらしい。

「リサちゃん、一緒に村に戻ろう。助けよう」

「でも…奴隷商人たちが追いかけてくる…」

「大丈夫!奴隷商人とも交渉するよ。お金で解決できる問題だ!」

奴隷商人は、金に目がくらんでいて、あっさりリサを売ってくれた。

【名前】 弘人
【年齢】 15歳
【種族】 人間
【スキル】 交渉術LV MAX、赤ちゃん言葉LV10、説得LV10、商人LV10、家畜テイムLV5

リサは、俺の交渉術に驚いていた。

「すごい…弘人、まるで魔法みたい…」

「魔法じゃないよ。交渉術だよ。どんな相手とも、うまくやっていけるんだ」

リサと暮らすようになって、俺の心は、少しずつ温かくなった。ゲームの世界では味わえなかった感情だ。

そして、ある日、異世界に転生した幼なじみ、美咲と再会した。

美咲は、俺を覚えていた。

「弘人…本当に…あなた?」

「ああ、美咲。久しぶりだな」

美咲は、俺の交渉術を見て、目を丸くした。

「相変わらず、すごい交渉術ね…」

「まあな。人生、交渉術次第だ」

俺たちは、一緒にこの異世界を生き抜くことを決めた。

交渉術で、友情も、そして、恋も手に入れた。

ゲームで培ったスキルが、リアル、いや、異世界で役に立つとはな。

人生、捨てたもんじゃないな。
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