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コンビニ袋と軽トラの異世界放浪記
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深夜のコンビニを出て、僕はいつものように愛車、ボロい軽トラ「ゴン太」に乗り込んだ。
今日の戦利品は、カップラーメンとポテチ、あと缶コーヒー。コンビニ袋に入れて、助手席に放り投げた。エンジンをかけ、いつものように近所のトンネルに向かう。このトンネル、ちょっと怪しいんだよね。いつも変な音がするし、薄暗くて、一人で通るとちょっと怖い。
でも、今日は特に怖くなかった。だって、眠かったんだもん。
トンネルの中は、いつもより暗かった。そして、いつもより音が大きかった。ゴーッという、風の音なのか、それとも機械の音なのか、よくわからない音が耳をつんざく。
そして、視界が白くなった。
目が覚めると、そこは緑が生い茂る森だった。ゴン太はちゃんと僕の隣にいて、エンジンは止まっている。コンビニ袋は、助手席にちゃんと置いてある。
「……え?」
状況が飲み込めない。さっきまで、あのトンネルを走っていたはずなのに。
周りを見渡すと、木々はどれも見たことのない種類で、空は妙に澄んでいる。鳥の鳴き声は、聞いたことのない不思議な音色だ。
「おい、ゴン太。大丈夫か?」
ゴン太に話しかけてみた。返事はない。当たり前だ。軽トラは話せない。
とりあえず、落ち着いて状況を把握しようと、コンビニ袋の中身を確かめた。カップラーメン、ポテチ、缶コーヒー。全部、ちゃんと入っている。
「よかった…」
現実逃避のように、ポテチを一枚食べた。しょっぱい。いつものポテチの味だ。
少し歩くと、小さな村に出た。家々は、木の枝や土で出来ていて、まるで絵本の中みたいだ。人々は、見たこともないような服装をしている。耳が尖っている人もいる。
「……異世界…?」
脳みそが追いつかない。僕は、勇者でも魔法使いでも、特別な能力を持った人間でもない。ただの、コンビニで夜食を買って帰ろうとしていた、ごく普通の大学生だ。
村人たちは、僕とゴン太を見て、驚きの表情を浮かべた。言葉は通じない。だけど、ジェスチャーでなんとか意思疎通を図ろうとしてくれる人がいた。
その女性は、綺麗な緑色の髪をしていて、耳は尖っていた。彼女は、僕を村長らしき人物に案内してくれた。
村長は、僕の話を真剣に聞いてくれた。いや、正確には、僕の言葉は通じなかったが、ゴン太とコンビニ袋を見て、理解してくれたらしい。
どうやら、この世界では、現代の乗り物やコンビニ袋なんてものは、見たことがないらしい。
「……つまり、俺、異世界に飛ばされたんだな」
現実を受け入れるしかなかった。
それからというもの、僕はこの異世界の村で暮らすことになった。言葉は通じないものの、村の人々は温かかった。ゴン太は、村の子供たちに大人気。コンビニ袋は、珍しい物として大切に扱われた。
村では、農業を手伝ったり、ゴン太を使って荷物を運んだりした。時々、森で不思議な生き物に遭遇することもあった。中には、襲いかかってくるものもいたが、ゴン太の頑丈なボディと、僕の必死の抵抗でなんとか乗り切った。
ある日、森の中で、大きな洞窟を発見した。その中には、古代文明の遺跡のようなものがあった。そこでは、この世界の歴史が書かれた石版を発見した。
石版には、この世界に似たような異世界から、人がやってくることがあるという記述があった。そして、その異世界の人々は、やがてこの世界に馴染んで、新しい文化を生み出していくという、まるで予言のような言葉が刻まれていた。
僕は、この世界で、新たな人生を歩み始めた。コンビニ袋とゴン太と共に。
それから何年も経ち、僕はこの世界の女性と結婚し、子供にも恵まれた。ゴン太は、すっかり老朽化して動けなくなったが、村のシンボルとして大切にされている。
ある日、子供たちが、僕に聞いてきた。「お父さん、あのトンネル、もう一度行ってみない?」
僕は、少し考え込んだ。あのトンネルを抜けたら、元の世界に戻れるのかもしれない。でも、僕はもう、この世界に根付いている。
「……いいよ、いつか行こう」
僕はそう答えた。コンビニ袋とゴン太、そしてこの世界の家族と共に、これからもこの異世界で生きていくと、心に決めた。 あのトンネルの謎は、永遠の謎として、僕たちの心に刻まれたまま。
今日の戦利品は、カップラーメンとポテチ、あと缶コーヒー。コンビニ袋に入れて、助手席に放り投げた。エンジンをかけ、いつものように近所のトンネルに向かう。このトンネル、ちょっと怪しいんだよね。いつも変な音がするし、薄暗くて、一人で通るとちょっと怖い。
でも、今日は特に怖くなかった。だって、眠かったんだもん。
トンネルの中は、いつもより暗かった。そして、いつもより音が大きかった。ゴーッという、風の音なのか、それとも機械の音なのか、よくわからない音が耳をつんざく。
そして、視界が白くなった。
目が覚めると、そこは緑が生い茂る森だった。ゴン太はちゃんと僕の隣にいて、エンジンは止まっている。コンビニ袋は、助手席にちゃんと置いてある。
「……え?」
状況が飲み込めない。さっきまで、あのトンネルを走っていたはずなのに。
周りを見渡すと、木々はどれも見たことのない種類で、空は妙に澄んでいる。鳥の鳴き声は、聞いたことのない不思議な音色だ。
「おい、ゴン太。大丈夫か?」
ゴン太に話しかけてみた。返事はない。当たり前だ。軽トラは話せない。
とりあえず、落ち着いて状況を把握しようと、コンビニ袋の中身を確かめた。カップラーメン、ポテチ、缶コーヒー。全部、ちゃんと入っている。
「よかった…」
現実逃避のように、ポテチを一枚食べた。しょっぱい。いつものポテチの味だ。
少し歩くと、小さな村に出た。家々は、木の枝や土で出来ていて、まるで絵本の中みたいだ。人々は、見たこともないような服装をしている。耳が尖っている人もいる。
「……異世界…?」
脳みそが追いつかない。僕は、勇者でも魔法使いでも、特別な能力を持った人間でもない。ただの、コンビニで夜食を買って帰ろうとしていた、ごく普通の大学生だ。
村人たちは、僕とゴン太を見て、驚きの表情を浮かべた。言葉は通じない。だけど、ジェスチャーでなんとか意思疎通を図ろうとしてくれる人がいた。
その女性は、綺麗な緑色の髪をしていて、耳は尖っていた。彼女は、僕を村長らしき人物に案内してくれた。
村長は、僕の話を真剣に聞いてくれた。いや、正確には、僕の言葉は通じなかったが、ゴン太とコンビニ袋を見て、理解してくれたらしい。
どうやら、この世界では、現代の乗り物やコンビニ袋なんてものは、見たことがないらしい。
「……つまり、俺、異世界に飛ばされたんだな」
現実を受け入れるしかなかった。
それからというもの、僕はこの異世界の村で暮らすことになった。言葉は通じないものの、村の人々は温かかった。ゴン太は、村の子供たちに大人気。コンビニ袋は、珍しい物として大切に扱われた。
村では、農業を手伝ったり、ゴン太を使って荷物を運んだりした。時々、森で不思議な生き物に遭遇することもあった。中には、襲いかかってくるものもいたが、ゴン太の頑丈なボディと、僕の必死の抵抗でなんとか乗り切った。
ある日、森の中で、大きな洞窟を発見した。その中には、古代文明の遺跡のようなものがあった。そこでは、この世界の歴史が書かれた石版を発見した。
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僕は、この世界で、新たな人生を歩み始めた。コンビニ袋とゴン太と共に。
それから何年も経ち、僕はこの世界の女性と結婚し、子供にも恵まれた。ゴン太は、すっかり老朽化して動けなくなったが、村のシンボルとして大切にされている。
ある日、子供たちが、僕に聞いてきた。「お父さん、あのトンネル、もう一度行ってみない?」
僕は、少し考え込んだ。あのトンネルを抜けたら、元の世界に戻れるのかもしれない。でも、僕はもう、この世界に根付いている。
「……いいよ、いつか行こう」
僕はそう答えた。コンビニ袋とゴン太、そしてこの世界の家族と共に、これからもこの異世界で生きていくと、心に決めた。 あのトンネルの謎は、永遠の謎として、僕たちの心に刻まれたまま。
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