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#過去の物語編 #クリスマス #勉強会
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中学二年生の時。これは二学期の期末テスト前にあった二人の物語。
すっかり街路樹の葉も落ちて、冬を感じさせるような日が増えた、晩秋の十一月。
春樹は、十月下旬に発売された人気ゲームにハマって、学校から帰ったらすぐに部屋に引きこもって、毎日のように、夜中まで夢中になってプレイしていた。
とにかく続きがやりたい。次はどんな体験が待ってるんだろう。その連鎖だった。
春樹は電気も消さずに、コントローラーを握りしめたまま、今日も布団の上に倒れこんでいた。
◇
十一月にしては、十二月のように冷えこんだある日。理由なんて知らなかったが、授業中に寝てばかりの春樹を見ては、蒼依は心配と呆れの入り混じった感情を抱いていた。
「まったく春樹ったら。そんな風に寝てたら、期末テストが大変なことになっちゃうよ」
数学教師である学年主任が、三角形の合同条件についてを、黄色のチョークで強調しながら説明を続けている姿を見ながら、蒼依は、春樹がノートすら取っていないことを、横目で何度も確認していた。
◇
期末テストから、二週間くらい前のこと。
春樹が家に帰ると、なぜか蒼依がリビングでお菓子を食べていた。
母親も仕事が休みのようで、二人で向き合って座りながら、会話に花を咲かせている。
「おかえり、春樹。お邪魔してます」
「来てたのかよ。じゃあ俺、部屋に行くから」
「部屋に行くって、蒼依ちゃん来てるのに?」
手に持っていたマグカップを静かに置きながら、春樹の母親が、そそくさとリビングを後にしようとしていた春樹のことを見つめる。
「学校でも話したし。特に話題もないよな」
「もう、そんな言い方して。ごめんね、蒼依ちゃん」
「大丈夫ですよ。私はおばさんに呼ばれてますし、春樹と話すことなんて、別にありませんから」
椅子に座っていた蒼依が、一瞬振り返った後、舌を軽く出すような子供っぽい仕草を春樹に見せてから、春樹の母親との会話へと戻った。
「なんだよ、まったく。母さん、蒼依を呼んだ理由は?」
「蒼依ちゃんに、春樹の勉強を見てもらおうと思ったの。見てもらおうっていうか、お願いする立場なんだけど」
「いいよ、別に。自分でやるから」
不満に思った春樹は、背負っていたリュックを一旦、テレビ台の手前に置いてから、台所へと向かう。
手を洗ってから、カウンターの上に置かれていたガラス製のコップを手に取ると、冷蔵庫からペットボトルのお茶を取り出して、ゆっくりと注ぎ入れた。
春樹はお茶を飲みながら、会話に夢中な二人の姿をキッチン越しに見る。こちらの視線など、まるで気にしていない。
「よくそんなに話すことがあるよな。じゃあ俺は部屋に行きますから」
シンクの中にコップを静かに置いた。小さくタンッと音を立てたが、誰にも聞かれていない春樹のつぶやきと同じように、すぐに消えてしまう。
春樹は、そんなことよりもゲームの続きだよなと思って、盛り上がる二人の空間を静かに抜けると、テレビ台の前のリュックを雑に手に取ってから、自分の部屋へと向かった。
◇
ゲーム機のスイッチを入れる。まもなく表示されたのは、『クロスワールド・オンライン -Re:Genesis-』の起動画面。
一度サービス終了した伝説のVRMMOが作り直されたゲームで、主人公は、前の世界のプレイヤーたちの痕跡や物語を辿っていく。
剣と魔法の大陸を冒険しながら、前の世界からログアウトできなかった人たちのログを拾っていき、崩壊した文明と世界の修復へのヒントを探していくのだ。
「今日はピクト島の攻略か。ここは元々魔法使いとエルフが共存する島」
主人公の双剣使いを操りながら、春樹はログを回収していく。ログには島民や大陸の物語と神話が記録されていて、重要ログを発見すると、イベントやムービーが流れる。
「島の防衛戦について。魔法サイドの激しい抵抗」
熾烈な戦闘や悲惨さを伝えるものが多かったが、ある瞬間に、ログ改変スキルが発動すると、主人公が『アカシックレコード』へとダイブすることが出来るのだった。
「よし、ダイブの準備が整った」
主人公の双剣が光をまとう。剣身に刻まれた『記憶の紋章』へと神経魔術が接続する。
次の瞬間、世界が白い光と共に閉じる。
「これは高まるな。ミスは許されないぞ」
思わず、コントローラーを握る手に力が入る。春樹は集中だぞ、集中と自分に言い聞かせるように、戦いへと向かった。
◇
「ちょっと休憩するかな。お茶でも取りいこう」
ピクト島でのログ回収を終えた春樹は、ゲームをスリープモードにしてから、顔を上げる。
「って、いつの間に!」
ちょっと驚いた春樹とは対照的に、くつろぎながら、落ち着いた蒼依と目が合った。
「この漫画、面白かったなー。春樹って、世界のために戦うとか、何かを救うとかって話が好きだよね」
「いつからいたんだよ。声くらいかけてくれれば良かったのに」
部屋のドアが開いたことにも気づかなかった。春樹はプレイに熱中しすぎて、蒼依が近くにいたことをここで初めて知ったのだった。
「三十分くらい前からかな。暇だったから、漫画読んでた」
春樹のベッドに座りながら、蒼依が読んでいた漫画を閉じると、丁寧に本棚へと戻した。
「で、用件は。何か用があるんだろ」
「あるよ。おばさんから伝言」
「『蒼依ちゃんに勉強を見てもらいなさい』だって」
蒼依が足を交差させながら、春樹に笑顔で伝える。
「だから一緒に勉強会しよ、春樹」
「勉強会よりも、俺はこの世界を救いたいんだが」
ゲーム機の画面を指さす。しかし春樹には一つ疑問があった。
「引き受けた理由を教えてくれよ。そんなことわざわざ蒼依がやる必要なんてないだろ」
「別に良いじゃん、理由なんて。おばさんが困ってるから、助けてあげたいって思ったの」
春樹は、何となく似たもの同士だなと思いつつ、ゲームの時間を死守するために、蒼依との勉強会をやんわりと断ろうとする。
「それは分かるけど。俺も困るって」
「蒼依と二人で勉強してて、変な噂が立ってもマズいし」
「……それはそれで別に良いっていうか。私はそんなに嫌じゃないけど」
春樹のベッドで足をぶらつかせながら、蒼依が小声でつぶやいた。
「勘弁してくれ。とりあえず今はゲームに集中したいんだよ」
「何それ。あとで困っても知らないんだから」
「テストは一夜漬けでなんとかする。俺はこれまでだって、そうやって乗り切ってきたんだ」
「……だっさ。春樹のそういうところ、嫌」
「うるさい。暗くなる前にさっさと帰れよ」
視線を外した蒼依を軽く見た後に、春樹はゆっくりと立ち上がると、一階のリビングへと飲み物とお菓子を取りに向かった。
◇
春樹が自室の扉を開けると、つまらなさそうにスマホを見ている蒼依の姿が目に入った。
ゲームをやりたいがために、ぶっきらぼうに断ってしまったことに、軽く罪悪感を覚えつつ、春樹は蒼依の隣に静かに座った。
「ほら蒼依の分。好きだろ、このチョコレート」
「ありがと。ねぇ、春樹……」
包装を丁寧にめくりながら、蒼依がうつむき気味に、春樹へと小さく零していく。
「ほんとに嫌なの? 私と勉強会するの」
「おばさんも困ってるし、春樹も授業中寝てばっかりだし……」
「蒼依と勉強するのが嫌っていうよりかは、今はゲームに集中したいだけ、っていうか」
春樹は頭をかきながら答えていく。
「でもさ、期末テスト近いんだよ? 終わってからやれば良いと思うんだけど」
「勉強会だって、きっと今しかできないよ」
蒼依が問いかけるように告げた。自信がないというよりも、どこかに寂しさを滲ませるような言葉。
そんな風に言われると、どうしても断れなくなる。蒼依の言っていることが本当は正しいってことくらい、春樹にも分かっていたからだった。
すっかり街路樹の葉も落ちて、冬を感じさせるような日が増えた、晩秋の十一月。
春樹は、十月下旬に発売された人気ゲームにハマって、学校から帰ったらすぐに部屋に引きこもって、毎日のように、夜中まで夢中になってプレイしていた。
とにかく続きがやりたい。次はどんな体験が待ってるんだろう。その連鎖だった。
春樹は電気も消さずに、コントローラーを握りしめたまま、今日も布団の上に倒れこんでいた。
◇
十一月にしては、十二月のように冷えこんだある日。理由なんて知らなかったが、授業中に寝てばかりの春樹を見ては、蒼依は心配と呆れの入り混じった感情を抱いていた。
「まったく春樹ったら。そんな風に寝てたら、期末テストが大変なことになっちゃうよ」
数学教師である学年主任が、三角形の合同条件についてを、黄色のチョークで強調しながら説明を続けている姿を見ながら、蒼依は、春樹がノートすら取っていないことを、横目で何度も確認していた。
◇
期末テストから、二週間くらい前のこと。
春樹が家に帰ると、なぜか蒼依がリビングでお菓子を食べていた。
母親も仕事が休みのようで、二人で向き合って座りながら、会話に花を咲かせている。
「おかえり、春樹。お邪魔してます」
「来てたのかよ。じゃあ俺、部屋に行くから」
「部屋に行くって、蒼依ちゃん来てるのに?」
手に持っていたマグカップを静かに置きながら、春樹の母親が、そそくさとリビングを後にしようとしていた春樹のことを見つめる。
「学校でも話したし。特に話題もないよな」
「もう、そんな言い方して。ごめんね、蒼依ちゃん」
「大丈夫ですよ。私はおばさんに呼ばれてますし、春樹と話すことなんて、別にありませんから」
椅子に座っていた蒼依が、一瞬振り返った後、舌を軽く出すような子供っぽい仕草を春樹に見せてから、春樹の母親との会話へと戻った。
「なんだよ、まったく。母さん、蒼依を呼んだ理由は?」
「蒼依ちゃんに、春樹の勉強を見てもらおうと思ったの。見てもらおうっていうか、お願いする立場なんだけど」
「いいよ、別に。自分でやるから」
不満に思った春樹は、背負っていたリュックを一旦、テレビ台の手前に置いてから、台所へと向かう。
手を洗ってから、カウンターの上に置かれていたガラス製のコップを手に取ると、冷蔵庫からペットボトルのお茶を取り出して、ゆっくりと注ぎ入れた。
春樹はお茶を飲みながら、会話に夢中な二人の姿をキッチン越しに見る。こちらの視線など、まるで気にしていない。
「よくそんなに話すことがあるよな。じゃあ俺は部屋に行きますから」
シンクの中にコップを静かに置いた。小さくタンッと音を立てたが、誰にも聞かれていない春樹のつぶやきと同じように、すぐに消えてしまう。
春樹は、そんなことよりもゲームの続きだよなと思って、盛り上がる二人の空間を静かに抜けると、テレビ台の前のリュックを雑に手に取ってから、自分の部屋へと向かった。
◇
ゲーム機のスイッチを入れる。まもなく表示されたのは、『クロスワールド・オンライン -Re:Genesis-』の起動画面。
一度サービス終了した伝説のVRMMOが作り直されたゲームで、主人公は、前の世界のプレイヤーたちの痕跡や物語を辿っていく。
剣と魔法の大陸を冒険しながら、前の世界からログアウトできなかった人たちのログを拾っていき、崩壊した文明と世界の修復へのヒントを探していくのだ。
「今日はピクト島の攻略か。ここは元々魔法使いとエルフが共存する島」
主人公の双剣使いを操りながら、春樹はログを回収していく。ログには島民や大陸の物語と神話が記録されていて、重要ログを発見すると、イベントやムービーが流れる。
「島の防衛戦について。魔法サイドの激しい抵抗」
熾烈な戦闘や悲惨さを伝えるものが多かったが、ある瞬間に、ログ改変スキルが発動すると、主人公が『アカシックレコード』へとダイブすることが出来るのだった。
「よし、ダイブの準備が整った」
主人公の双剣が光をまとう。剣身に刻まれた『記憶の紋章』へと神経魔術が接続する。
次の瞬間、世界が白い光と共に閉じる。
「これは高まるな。ミスは許されないぞ」
思わず、コントローラーを握る手に力が入る。春樹は集中だぞ、集中と自分に言い聞かせるように、戦いへと向かった。
◇
「ちょっと休憩するかな。お茶でも取りいこう」
ピクト島でのログ回収を終えた春樹は、ゲームをスリープモードにしてから、顔を上げる。
「って、いつの間に!」
ちょっと驚いた春樹とは対照的に、くつろぎながら、落ち着いた蒼依と目が合った。
「この漫画、面白かったなー。春樹って、世界のために戦うとか、何かを救うとかって話が好きだよね」
「いつからいたんだよ。声くらいかけてくれれば良かったのに」
部屋のドアが開いたことにも気づかなかった。春樹はプレイに熱中しすぎて、蒼依が近くにいたことをここで初めて知ったのだった。
「三十分くらい前からかな。暇だったから、漫画読んでた」
春樹のベッドに座りながら、蒼依が読んでいた漫画を閉じると、丁寧に本棚へと戻した。
「で、用件は。何か用があるんだろ」
「あるよ。おばさんから伝言」
「『蒼依ちゃんに勉強を見てもらいなさい』だって」
蒼依が足を交差させながら、春樹に笑顔で伝える。
「だから一緒に勉強会しよ、春樹」
「勉強会よりも、俺はこの世界を救いたいんだが」
ゲーム機の画面を指さす。しかし春樹には一つ疑問があった。
「引き受けた理由を教えてくれよ。そんなことわざわざ蒼依がやる必要なんてないだろ」
「別に良いじゃん、理由なんて。おばさんが困ってるから、助けてあげたいって思ったの」
春樹は、何となく似たもの同士だなと思いつつ、ゲームの時間を死守するために、蒼依との勉強会をやんわりと断ろうとする。
「それは分かるけど。俺も困るって」
「蒼依と二人で勉強してて、変な噂が立ってもマズいし」
「……それはそれで別に良いっていうか。私はそんなに嫌じゃないけど」
春樹のベッドで足をぶらつかせながら、蒼依が小声でつぶやいた。
「勘弁してくれ。とりあえず今はゲームに集中したいんだよ」
「何それ。あとで困っても知らないんだから」
「テストは一夜漬けでなんとかする。俺はこれまでだって、そうやって乗り切ってきたんだ」
「……だっさ。春樹のそういうところ、嫌」
「うるさい。暗くなる前にさっさと帰れよ」
視線を外した蒼依を軽く見た後に、春樹はゆっくりと立ち上がると、一階のリビングへと飲み物とお菓子を取りに向かった。
◇
春樹が自室の扉を開けると、つまらなさそうにスマホを見ている蒼依の姿が目に入った。
ゲームをやりたいがために、ぶっきらぼうに断ってしまったことに、軽く罪悪感を覚えつつ、春樹は蒼依の隣に静かに座った。
「ほら蒼依の分。好きだろ、このチョコレート」
「ありがと。ねぇ、春樹……」
包装を丁寧にめくりながら、蒼依がうつむき気味に、春樹へと小さく零していく。
「ほんとに嫌なの? 私と勉強会するの」
「おばさんも困ってるし、春樹も授業中寝てばっかりだし……」
「蒼依と勉強するのが嫌っていうよりかは、今はゲームに集中したいだけ、っていうか」
春樹は頭をかきながら答えていく。
「でもさ、期末テスト近いんだよ? 終わってからやれば良いと思うんだけど」
「勉強会だって、きっと今しかできないよ」
蒼依が問いかけるように告げた。自信がないというよりも、どこかに寂しさを滲ませるような言葉。
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