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プロローグ1 小学生の頃
第11話 帰り道
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サトルとサユは学校から家に向かっていた
既に夕焼けチャイムは鳴り終わり、辺りは夕暮れに染まっていた
サトル「…………」
サユ「…………」
2人とも黙って歩いている
やっといじめの件は終わったが、その代償はあまりにも大きすぎた
サトルは教師に殴られて鼻からは血が止まらず、今もタオルで止めていて白いタオルが少しずつ赤く染まっていき、腹は打撲跡がくっきりと残っている
サユは全身のアザもそうだが、軽い人間不信に陥っている
それもそのはず、理不尽ないじめに遭い、
助けてくれたのは自分の親と彼とその親だけだ、普通なら教師がそこにいるはずなのに
そのアザを転んだだけと、責任逃れする為に
あまりにも理不尽な事を言っていた
今回のことで肉体的、精神的にやられてもなんもおかしくない状況なのだ
親達は何処かに行ってしまったが、あの時程怖い親は見た事がない
人は本気で怒ると無表情か笑うと言うが、まさにそれだった
サトル達に向けた顔は今まで以上に優しい顔だったが、相手の親、いじめの主犯格、教師には無表情だった
母達の無表情よりも、自分達に向けた笑みが1番怖かった事は2人の秘密だ
(………因みにそれで少し漏らしたことも)
サユ「………ねえ?サトル君」
サトル「………何?」
鼻を抑えながら話しているので、鼻声になっているが、仕方ない
そう思いながらサユはサトルに話しかける
サユ「………明日から学校どうなっちゃうんだろうね」
サトル「………さあ?僕にはわからないよ」
いじめの件は終わった、しかし相手は子供表面上、あの場所では反省していたが、親がいなければどうなっていたかはわからない
更に言えば親が屑ならあそこだけ謝って、家では愚痴を溢している可能性も否定できない
明日学校に行って"お礼"と称して他の不良やいじめっ子達を呼んで集団リンチされる可能性もある
そしてそれを止めなきゃいけない教師は自分第一主義、必ず見捨てる
普通に考えて、行けるわけがない、というか行きたくない
そう思うと2人の体は重くなり、歩幅も小さくなる、いつも明日が楽しみと思っているサトルでさえも、明日が怖くて仕方ない
そうやってゆっくり歩くが、時間が遅くなる事はない、家に着く頃には電灯がつき始め
茜色の空が次第に黒い夜空へと変わっていく
サトルはようやく血が止まり鼻から外す、すると
サトル「いってぇ……」プチプチプチプチ
ずっとタオルで抑えていたため、タオルについていた血が乾き、それが皮膚にくっつき
それを剥がすときに皮膚にくっついているため痛みが出る
サユ「………ぷ」
タオルは既に半分くらいは赤く染まりネバネバした血がタオルの真ん中に浮いている
サトル(すっごい血が出たな)
そうやって自分の血を見ていると、サユが頭を下に向けて肩が震えている
なんだと思って見ていると
サユ「ふ…ふふふ……ふふっ」
何故か笑いを堪えていた、何でだと思い不思議に思っていると、サユが笑いながら話しかける
サユ「だって…サトル君……顔……顔が………ふふふっ」
サトル「え?僕の顔がどうしt……ああ」
最初は不思議だったが、理解する
どうやらタオルで血を止めていた為、顔に血がくっつきそれが面白い形になって自分の顔についているのだろう
…………それにしても
サトル「そこまで笑う!?」
サユ「だって!サトル君の顔…ふふふっおも……面白いんだもん…ふふふっ」
サトル「いや、だから笑うなって!」
そうやって家の前で叫ぶ、時間帯的に静かにしなければいけないが、ついつい叫んでしまう
そうやって言っているうちに
サトル「ははは」
サトルも笑い始めた
サユ「?どうしたのサトル君?」
今度はそれを不思議に思うサユ
サトル「いや、サユが笑ってるの久しぶりに見たから」
サユ「え?」
サトル「僕さ偶にサユと一緒に帰ってたじゃん?」
サユ「うん」
サトル「その時のサユ全然笑ってなかったから、今日久しぶりに笑ってるの見たよ」
そんな事を言われて、サユは母に言われた事を思い出す
サユ(そう言えば、ママも言ってたっけ?)
自覚がないから気づかないが、親しい人間は気付くのだろう
サトル「………ごめんな、サユ」
サユ「え?」
唐突に謝るサトル、それに不思議に思い戸惑ってしまう
サトル「僕さ、友達と遊ぶことしか考えてなくて、サユの事を全然考えていなかった」
サユ「……………」
サトル「サユのことだって、クラスの雰囲気がいつもと違うから、それが知りたくて近寄ってたんだ、もしいじめがなければそれだけだった。」
サユ「………」
サトル「だからさ、b「もういいよ」え?」
サトルがまだ何か言いたそうだが、サユがそれを止める
サユ「形はどうであれ、昔みたいに仲良くなれたのなら、それでいいよ、ね?」
いじめがきっかけと言うのはちょっと、いやかなり嫌だが、それのおかげで、ずっと好きだった男の子とまた仲良くなれたのだ
それだけで幸せだ
サユ「………そうだ!」
サトル「?」
サユは何か良いことを思いついたのか、手をポンとやってサトルの方を見る
サユ「許して欲しかったら、今後は一緒に登校しよ!ね?」
サトル「………まぁ、サユがそれで良いなら」
それを聞いたサユは小さな声で「やた!」とガッポーズをして玄関に向かう
サユ「明日は怖いけど、明日からよろしくね!」
サトル「わかった、また明日な!」
そう言って2人は家の中に入る
——————————————————————
~家の中~(サユ)
サユ「ただいまー」ガチャ
家に入るが中は暗い、どうやらまだパパも帰って来てないらしい
サユ(パパにしては珍しいな)
そう思いながらリビングに入ると置き手紙があった
振り仮名も振ってあり、内容を確認すると
——————————————————————
サユへ
ママから話は聞いた、これからサトル君の
パパと一緒に出かけてくるからサトル君の家で待ってて
パパより
——————————————————————
と書いてあった
サユ「ええ……」
——————————————————————
サトルの家
サユ「と言うわけで、来た」
サトル「窓から来るなよ(汗)」
手紙を読んだ後、サユはランドセルを机に置くと窓を開けて向かい側の窓を叩く、すると部屋にいたサトルが窓を開けて、サユは入ってきた
サトル「てか、大丈夫なのか?」
サユ「何が?」
サトル「アザだよ、痛くないのか?」勝手に漫画読むな
サユ「ずっと痛いから気にしてない」ああ…
サトル「………それはごめん」
サユ「いいよ別に……」
そこからは話が続かなかった
2人とも仲直り(?)したばっかの為、学校の事も同じクラスだし、特に話す事がなかった
サユ「………」
サトル「………」
サトル「てかさ」
サユ「?」
サトル「玄関の鍵閉めたの?」
サユ「あ……閉めてくる!」
そう言って彼女は下に降りて行った
サトルは1人になったのを確認すると
親達の事を考える
サトル(お父さん達は何処かに行ってるけど、何のために?)
なんとなくは予想がつくが、それにしてもだ、口だけでは何の証拠にもならない
父や母が刑事ドラマなどを見ている為
ある程度の知識はある、あの教師をなんとかする為には証拠が必要になる
しかしあの時に証拠なるものは何一つなかった、自分の怪我も大人の力でどうにでもなってしまう、一体どうするのだろう?
そんな事を考えるが、子供の自分ではどうする事も出来ない、仕方ないので取り敢えず明日の学校の事を考えよう、自分達にはそっちの問題もあるのだ
サユ「ねぇ下に降りてス○◎ラやろう?」ガチャ
サトル「…………」
そんな事が馬鹿馬鹿しく思えてきたサトルだった
——————————————————————
誤字脱字がございましたらコメント等をよろしくお願いします。
後質問等もお願いします。
既に夕焼けチャイムは鳴り終わり、辺りは夕暮れに染まっていた
サトル「…………」
サユ「…………」
2人とも黙って歩いている
やっといじめの件は終わったが、その代償はあまりにも大きすぎた
サトルは教師に殴られて鼻からは血が止まらず、今もタオルで止めていて白いタオルが少しずつ赤く染まっていき、腹は打撲跡がくっきりと残っている
サユは全身のアザもそうだが、軽い人間不信に陥っている
それもそのはず、理不尽ないじめに遭い、
助けてくれたのは自分の親と彼とその親だけだ、普通なら教師がそこにいるはずなのに
そのアザを転んだだけと、責任逃れする為に
あまりにも理不尽な事を言っていた
今回のことで肉体的、精神的にやられてもなんもおかしくない状況なのだ
親達は何処かに行ってしまったが、あの時程怖い親は見た事がない
人は本気で怒ると無表情か笑うと言うが、まさにそれだった
サトル達に向けた顔は今まで以上に優しい顔だったが、相手の親、いじめの主犯格、教師には無表情だった
母達の無表情よりも、自分達に向けた笑みが1番怖かった事は2人の秘密だ
(………因みにそれで少し漏らしたことも)
サユ「………ねえ?サトル君」
サトル「………何?」
鼻を抑えながら話しているので、鼻声になっているが、仕方ない
そう思いながらサユはサトルに話しかける
サユ「………明日から学校どうなっちゃうんだろうね」
サトル「………さあ?僕にはわからないよ」
いじめの件は終わった、しかし相手は子供表面上、あの場所では反省していたが、親がいなければどうなっていたかはわからない
更に言えば親が屑ならあそこだけ謝って、家では愚痴を溢している可能性も否定できない
明日学校に行って"お礼"と称して他の不良やいじめっ子達を呼んで集団リンチされる可能性もある
そしてそれを止めなきゃいけない教師は自分第一主義、必ず見捨てる
普通に考えて、行けるわけがない、というか行きたくない
そう思うと2人の体は重くなり、歩幅も小さくなる、いつも明日が楽しみと思っているサトルでさえも、明日が怖くて仕方ない
そうやってゆっくり歩くが、時間が遅くなる事はない、家に着く頃には電灯がつき始め
茜色の空が次第に黒い夜空へと変わっていく
サトルはようやく血が止まり鼻から外す、すると
サトル「いってぇ……」プチプチプチプチ
ずっとタオルで抑えていたため、タオルについていた血が乾き、それが皮膚にくっつき
それを剥がすときに皮膚にくっついているため痛みが出る
サユ「………ぷ」
タオルは既に半分くらいは赤く染まりネバネバした血がタオルの真ん中に浮いている
サトル(すっごい血が出たな)
そうやって自分の血を見ていると、サユが頭を下に向けて肩が震えている
なんだと思って見ていると
サユ「ふ…ふふふ……ふふっ」
何故か笑いを堪えていた、何でだと思い不思議に思っていると、サユが笑いながら話しかける
サユ「だって…サトル君……顔……顔が………ふふふっ」
サトル「え?僕の顔がどうしt……ああ」
最初は不思議だったが、理解する
どうやらタオルで血を止めていた為、顔に血がくっつきそれが面白い形になって自分の顔についているのだろう
…………それにしても
サトル「そこまで笑う!?」
サユ「だって!サトル君の顔…ふふふっおも……面白いんだもん…ふふふっ」
サトル「いや、だから笑うなって!」
そうやって家の前で叫ぶ、時間帯的に静かにしなければいけないが、ついつい叫んでしまう
そうやって言っているうちに
サトル「ははは」
サトルも笑い始めた
サユ「?どうしたのサトル君?」
今度はそれを不思議に思うサユ
サトル「いや、サユが笑ってるの久しぶりに見たから」
サユ「え?」
サトル「僕さ偶にサユと一緒に帰ってたじゃん?」
サユ「うん」
サトル「その時のサユ全然笑ってなかったから、今日久しぶりに笑ってるの見たよ」
そんな事を言われて、サユは母に言われた事を思い出す
サユ(そう言えば、ママも言ってたっけ?)
自覚がないから気づかないが、親しい人間は気付くのだろう
サトル「………ごめんな、サユ」
サユ「え?」
唐突に謝るサトル、それに不思議に思い戸惑ってしまう
サトル「僕さ、友達と遊ぶことしか考えてなくて、サユの事を全然考えていなかった」
サユ「……………」
サトル「サユのことだって、クラスの雰囲気がいつもと違うから、それが知りたくて近寄ってたんだ、もしいじめがなければそれだけだった。」
サユ「………」
サトル「だからさ、b「もういいよ」え?」
サトルがまだ何か言いたそうだが、サユがそれを止める
サユ「形はどうであれ、昔みたいに仲良くなれたのなら、それでいいよ、ね?」
いじめがきっかけと言うのはちょっと、いやかなり嫌だが、それのおかげで、ずっと好きだった男の子とまた仲良くなれたのだ
それだけで幸せだ
サユ「………そうだ!」
サトル「?」
サユは何か良いことを思いついたのか、手をポンとやってサトルの方を見る
サユ「許して欲しかったら、今後は一緒に登校しよ!ね?」
サトル「………まぁ、サユがそれで良いなら」
それを聞いたサユは小さな声で「やた!」とガッポーズをして玄関に向かう
サユ「明日は怖いけど、明日からよろしくね!」
サトル「わかった、また明日な!」
そう言って2人は家の中に入る
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~家の中~(サユ)
サユ「ただいまー」ガチャ
家に入るが中は暗い、どうやらまだパパも帰って来てないらしい
サユ(パパにしては珍しいな)
そう思いながらリビングに入ると置き手紙があった
振り仮名も振ってあり、内容を確認すると
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サユへ
ママから話は聞いた、これからサトル君の
パパと一緒に出かけてくるからサトル君の家で待ってて
パパより
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と書いてあった
サユ「ええ……」
——————————————————————
サトルの家
サユ「と言うわけで、来た」
サトル「窓から来るなよ(汗)」
手紙を読んだ後、サユはランドセルを机に置くと窓を開けて向かい側の窓を叩く、すると部屋にいたサトルが窓を開けて、サユは入ってきた
サトル「てか、大丈夫なのか?」
サユ「何が?」
サトル「アザだよ、痛くないのか?」勝手に漫画読むな
サユ「ずっと痛いから気にしてない」ああ…
サトル「………それはごめん」
サユ「いいよ別に……」
そこからは話が続かなかった
2人とも仲直り(?)したばっかの為、学校の事も同じクラスだし、特に話す事がなかった
サユ「………」
サトル「………」
サトル「てかさ」
サユ「?」
サトル「玄関の鍵閉めたの?」
サユ「あ……閉めてくる!」
そう言って彼女は下に降りて行った
サトルは1人になったのを確認すると
親達の事を考える
サトル(お父さん達は何処かに行ってるけど、何のために?)
なんとなくは予想がつくが、それにしてもだ、口だけでは何の証拠にもならない
父や母が刑事ドラマなどを見ている為
ある程度の知識はある、あの教師をなんとかする為には証拠が必要になる
しかしあの時に証拠なるものは何一つなかった、自分の怪我も大人の力でどうにでもなってしまう、一体どうするのだろう?
そんな事を考えるが、子供の自分ではどうする事も出来ない、仕方ないので取り敢えず明日の学校の事を考えよう、自分達にはそっちの問題もあるのだ
サユ「ねぇ下に降りてス○◎ラやろう?」ガチャ
サトル「…………」
そんな事が馬鹿馬鹿しく思えてきたサトルだった
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