幼馴染み達がハーレム勇者に行ったが別にどうでもいい

みっちゃん

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第9章 外伝2 〜英雄〜

第三百五十四話 もう"どうでもいい"

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「気付いていたって…あの時には既に…?」

「ああ…と、言いたい所だが、正確に言うと、"そうかも知れない"と言うだけの事だ。」

シルフィの言葉にエイトはそう答える。

エイトは瑛人としての記憶を取り戻す…思い出すまでの間はこの世界オラクルの世界に住むただのエイト•マクラレンだった。

幼馴染みのサユリも義理の姉妹のメグミとアイもまだ中等部、日本で言うと中学生と言う多感な時期になってもエイトの事を好きで、その想いは変わらなかった。

ただそれはエイトが他の男よりもカッコ良かったから…に過ぎない。

「俺は物心つく前からサユリ達と仲が良かった、その事実は変わらないし、変えるつもりもない。」

今となっては「何故こんな女の事で悩んでいたんだ?」と思えるが、少なくとも15年近く一緒にいて好意を持ってくれる幼馴染みと義理の姉妹がいきなりあんな態度になったら、動揺するのは必然だ。

「だからこそ、あれが本心なのか、洗脳されての行動なのかはなんとなく分かるんだ…なんとなく…だけどな?」

流石に完璧にはわからないし、疑いもするが、少なくともエイト自身が感じた事は、と言う事だ。

「でも、アリアとエルちゃんのお陰で、疑いから確信に変わったよ、アイツらは地位や名誉で人を選ぶ…"クソ女"と言う事がな。」

なんでエイトを狙ったかわからない、が、多分エイトはカイトよりは劣るが他の男達から比べたらイケメンの部類に入る、つまり顔が好みだったから選んだだけの話と言う事だ。

「エイト…辛くない?」

「ミュウ?」

「いや、何度でも言うけど、エイトにとっては血の繋がりがない赤の他人かも知れないけど、義父様や義母様にとっては大事な家族よ?」

ミュウが心配するのもごもっともだ、エイトはもう命も狙われているし、あそこまで軽蔑されたら良心の心があったとしても、彼女達アイ達を救いたいとは思えない。

「ミュウの言葉には一理あるよ、だからこそ(カイトの事も含めて)殺す事は避けてきたんだ。」

「まぁ兄様の許可を得たので」

「だいぶボロボロにしてしまったがの」

アリアとエルはメグミとアイを見て、苦笑いをする。

「殺してはいないだろ?何年も付き纏って来たんだ、あれくらいやれば…もう付き纏って来ないだろ…多分。」

あそこまで徹底的にやったのだ、身体だけでなく、心も折った…厄災討伐も諦めるかも知れない。

「取り敢えず…旅を再開しましょう、カイトの仲間達がいつ襲ってくるかわかりませんから。」

「だな、ミュウ、アリア、エルちゃん、行くぞ。」

そう言ってエイト達は治療を受けているカイト達を尻目に旅を再開した。

——————————————————————
…もしかしたら、何となく分かっていたからあんな風に言っていたのだろうか?

そうエイトは歩きながら思う。

好感度アップだろうが、洗脳魔法だろうが、裏切った事実は変わらない。

それに似た内容をエイトは旅の中で何度も何度も思い、彼女達は、あの頃の彼女達は死んだんだと言い聞かせて来た。

でも、実際は違う、あの時から、あの頃から、そう最初っから彼女達はああだったんだ。

それを否定したかったんだ。

あの頃のエイトは本気でメグミをアイをサユリを…大切にしたい、1人の男として守っていきたいと思っていたんだ。

だって否定しなければ自分が惨めなだけだから、金や地位を求める最も嫌いな女達の為に必死になっていた自分が馬鹿で愚かで、傑作で、

それこそカイトの思う壺になるから…

だからこそエイトはもう"どうでもいい"と思ったのだ、あの頃の日々が本当は虚しい事だったとしても、それでも良い思い出にしたかったから、今の彼女達とは違うと思いたかったから…

今となってはそれすらも

ミュウ、シルフィ、アリア、エル
自分の事を心から想ってくれている人達の為にエイトは生きていくと決めたから。

それが間違いでも、他人から否定されるものでも構わない己の人生だ、それが今のエイトの覚悟だ。




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