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第3部 正義の反対

第三十五話 数十年後

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???~とある公園~

???「パパァー!!」

???「おおー!」抱きっ

???は???の姿を見ると一目散に抱きついてきた

???「パパァパパァ」ウリウリ

???「ははは、相変わらず甘えん坊だなぁ」

そう言って???は???を抱っこしながら笑う

???「だってパパ大好きなんだもん!」ニコ

???「そうかぁ、それは嬉しいなぁ」なでなで

???「へへへー」

そうやって???の頭を撫でていると駆け足が聞こえてきて、こっちを見るな否や

???「あー!ハルずるーい!」

???「独り占め……..駄目」

と言って2人は???の服を引っ張る

ハル「げ!ナツとアキ……..」

ナツ「お父さん!あたしも!あたしも抱っこして!」ぴょんぴょん

アキ「僕も……..お願い」

そう言ってナツとアキは自分達もと抱っこを迫る

断るのは簡単だが、その後拗ねてしまうので面倒だ

そう思った???は覚悟を決めてしゃがむ
そしてナツに向かって言った

???「流石に3人を抱っこは出来ないから、ほらナツはお父さんの肩に乗って」

ナツ「わーい!肩車だぁ!」

???「アキとハルは抱っこね、ほらおいで」

そう言ってナツは???の肩に乗りアキとハルは???の両腕に乗った

???「それじゃあ帰るよ」

ハル「うん!」

ナツ「はーい!」

アキ「ん」コク

——————————————————————
商店街

インキュバス「お!お嬢ちゃん達、今日はパパと帰るんかい!」

商店街を歩いているとインキュバスが声をかけてきた

ハル「うん!そうだよ!」

ナツ「おじちゃんはどうしたの?」

アキ「また……ナンパ?」

インキュバス「しししし、してねぇよ!………まだ」

まだって、やるつもりかよ……

???「あいつに見つかっても知らねぇぞ?」

インキュバス「大丈夫、大丈夫、今日は女子会か何かでいないから平気平気!」

そう言って高らかに笑っていると

???「へぇ、何が平気なのかなぁ?」

と、周りの気温がみるみる下がっていくのを感じる

ハル「あ!おばちゃん!こんにちは!」

ナツ「こんにちは!」

アキ「…….こんにちは」

???「はい、こんにちは」ニコ

???「サキュバスさん、女子会は終わったのですか?」

サキュバス「いや、次に行くのが○○○倶楽部(クラブ)に行くって言うから旦那もいるし行かない方がいいかなって思ってたんだけど…………ね?」

恐る恐る振り返るとそこにはニッコリと見る人達を魅了する美しい笑みを浮かべながら
インキュバスを連れて行く

インキュバス「ちょ!…….まっ……!」

サキュバス「それじゃあ、これにて」フフッ

ハル「うん!バイバーイ!」

ナツ「また遊びに来てねー!」

アキ「バイ……バイ」

そう言ってサキュバスはインキュバスが言い訳する前に服を掴み連れて行く

???(これは朝までコースだな)

何が、とはここではあえて言わないでおこう

???「それじゃあ行きますか!」

ハル「うん!」

ナツ「レッツゴー!」

アキ「……ゴー!」

娘達が元気よく返事をしながら、再び歩き始める

——————————————————————
???達の自宅

???「ほら、着いたよ」

そう言ってしゃがんで、ハル達を下ろす

ハル「ただいまぁ!」

ナツ「たっだいまぁ!」

アキ「…….ただいま」

降りたら娘達は家の中に駆け込む

???「こら!走ったら危ないだろ!」

???は軽く注意しながら、家の中に入る

ハル「ママァ!!」抱き

ナツ「お母さん!ただいまぁ!」

アキ「お母さん…….ただいま」

中に入ると娘達は家の中にいた母"達"に抱きついていた

マイ「おかえりハル♪」ギュー

シャイン「ああ、おかえりナツ」

ユキ「おかえなさい、アキ」

ルーク「ハル、ナツ、アキ、ほら他のママ達にも」

娘達「はーい」

そうやって娘達が自分の部屋に入って行くのを見るとマイ達はルークの方にやってくる

マイ「ルークもおかえり」

シャイン「娘達の迎えありがとうな」

ユキ「お陰で助かったよ」

ルーク「ああ、でも流石に3人も抱っこは疲れたよ」

そう言うとルークは首をコキコキならす
マイ達はその姿を見て苦笑いした

あの戦いから約10年が過ぎた
その間ルーク達は魔族との共存に向けて魔王リディアと共に各地を巡り、交流を深めた
今もまだまだ共存とはまだ言えないが、一部の人々はそれに近い暮らしが出来ている

この街が代表例だ、人口もまだまだ少ないし
街と言うより村に近いが皆のびのびと暮らしている

そしてルーク達はこの街で暮らすことを決め、3人の子宝に恵まれた

名前は生まれた季節にちなんで名付けている
みんな可愛い女の子で元気に育っている

ちなみにルークの治療をしたサキュバスもこの街で暮らしている、インキュバスと暮らしているらしいが、ルーク曰くインキュバスは尻に敷かれているらしい

まだまだ人間と魔族の共存は難しい
人間でさえ言語や肌の色、宗教や人種、性別で差別や迫害等、完全な共存は出来ていないのだ、それなのに他の種族となんてちょっとやそっとじゃ無理に決まっている

だけど、それが理由で諦めるのもまた可笑しい、例えどんなに時間がかかろうとも1人1人が意識を変えていけばいつかきっと、と思ってもいいと思う

この先きっとまた戦争は起こるだろう
食料問題、領土問題、人口問題等様々な言い訳、もとい大義名分で人間、もしくは魔族がまた争う日は必ず来る

この世に完璧な平和なんてない

だけど、せめて自分達の娘が成長し大人になり、平和な人生を送れる様にはなって欲しい

そう思いながらルーク達は今日も生きる

ルーク「マイ、ユキ、シャイン」

ルークは彼女達を手招きするとそっと抱き寄せる

マイ「ちょ!、ルークどうしたの!?」かぁ

ユキ「そんな、まだ日が高い」///////

シャイン「俺は別に構わないが、せめて娘達が………..」

3人があたふたしているとルークが耳元で囁く

ルーク「改だけど、みんなありがとう」

マイ「え?」

そう言うとルークは3人から離れ
照れ臭そうに話す

ルーク「いや….さ、ここまでさ、結構忙しかったからさ、お礼ちゃんと言おうと思って」

そう言って顔をぽりぽりかきながら話す

ルーク「こんな俺に着いてきてくれてありがとう、今更だけど、これからもよろしくな」

そう言ってニコッと笑う
その姿を見てマイ達は

マイ「フフッそんな貴方が大好きだから着いてきたんでしょ?」

ユキ「僕達はずっと側にいるからね?」

シャイン「俺達もお礼を言わないといけないな」

シャインはそう言ってルークに口づけをする

シャイン「こんな俺達と家族になってくれてありがとうな、ルーク」

マイ「私達こそこれからもよろしく、だよ」

ユキ「ええ、それに」ちら

ユキが奥の扉を見ると

3人の娘達がこちらをチラッと見ていた

ユキ「ほら、ハル、ナツ、アキ、おいで」

ユキがそう言うと3人はガチャっと開けて勢いよくこちらに着く

ハル「パパ達何の話ししてたの?」

ナツ「あたし達にも聞かせて!」

アキ「うんうん」

ルーク「んん?今日のおやつは何かなぁって話してたんだよ」

ルークはしゃがんで頭を撫でながら話す

マイ「フフッええそうね、何がいいかしら」

ユキ「ホットケーキなんてどうかしら?」

シャイン「いいんじゃないか?なぁ?」

そう言って娘達を見ると目を輝かせていた

ハル「ホットケーキ!」きらきら

ナツ「食べたい食べたい!」らんらん

アキ「……….(`・ω・´)b」ぐっ

その姿を見てルーク達は微笑む
この幸せがいつまでも続くことを願って
——————————————————————
エンディング1 完
平穏な生活

次がバットエンディングです。








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