剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん

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第1章 学園編の物語

第48話 負けちった

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「あーあ負けちった、つまんねーの」

クロウは剣を収めてフィオナに背を向けて歩き始める。

「な…何言ってんの!まだ勝負はついてないわよ!」

「ルール復唱してみて」

「え?」

「いいから、負けの条件は?」

「……まさか」

そう、クロウは言ってしまったのだ「参った」と、だからこの勝負はフィオナの勝ちだ。

「ふざけないで!そんなの無効よ!」

「はぁ?一国の姫様が約束1つ守れないの?」

「っ!!!」

こんなのただの言い掛かりだ、卑怯だし、最低な行為だし、何よりも

「本当は強いのにルールによって負けてしまう可哀想な俺…まぁ勝負は勝負だし、

「…黙れ!そんな事認められるか!!!」

剣を握り地面を蹴りクロウの背中目掛けて斬撃を当てようと振るが、左に二歩移動されて躱される。

「油断大敵」

「痛っ!」

剣の頭の所をフィオナの顔に当てる、額が赤くなっている。

「そのまま勝てた事に喜んだら?」

「ふざけるな!私がこんな無様な負け方を望んでいると思っているのか!?」

「勝てたじゃん」

こっちはルールに従って「参った」と言ったのだから負けでいいのに、フィオナは納得いかない様だ。

「そんなに納得いかないなら骨の折っても良いの?弱い者いじめが嫌だから勝ちを譲ったんだけど」

「本気でやりなさい!貴方の腐った根性を叩き直してあげる!」

「…わかりましたよ」

剣を抜き、フィオナに斬りかかる、横に転がる様に自分の剣を躱しコチラを睨みつける。

「面倒臭い女だな、戦いには負けたけど勝負には勝ったで満足すれば良いのに」

「お情けの勝ちなんていらないわよ!」

駆け出しながらそう叫び、剣を振るう
基礎がなっていない為、ただがむしゃらに剣を振っている、そんな剣に負ける訳がない。

「俺はとある小説が好きでな、その小説の主人公の様な剣技を身につけたいんだ」

「何を言っているの!!!」

「俺とお前の決定的な差の事」

膝を上げてフィオナの首元に膝をぶつける、フィオナは一瞬呼吸が止まり、首を抑えながら嗚咽している。

「がは…げほ…ごほ…」

「剣に振り回されているんだよ、だから俺の攻撃がわからない」

「ひ…卑怯者…剣を使わないなんて…」

誰が「剣だけしか使ってはいけない」と言ったのだろうか?模擬戦とは言え、戦いのシュミレーションをしているのだから、相手を殺す為に、あらゆる手を使うべきだろう。

「この世界は殺すか殺されるかだ、文句ばっか言ってないでさっさと来い、それともパパの所に言って泣き寝入りするか?」

「黙れェェェェ!!!!!!」

ちゃんと注意したのにまた剣に振り回されている、これ以上やっても彼女が奇跡的に勝つ事は万に一つもないだろう。

「確か、使う魔力は足に…そして少しだけ…間合いを詰めて…一閃」

腹に蹴りを入れて、フィオナが「オエ」と嗚咽を吐くと同時に手刀で彼女の首筋を狙う。

漫画やアニメだとそれで気絶するが、実際にやってしまうと殺しかねない。

だからこそやってる「風」にして、実際は眠り魔法で眠らせているだけだ。

「これ以上は無意味だし、彼女を参ったと言わせるには本当に骨を折らないと無理だからなぁ」

実際に戦ってみてそう感じたのだ、彼女は決して諦めないだろう、だからこそ眠らせてこの無意味な戦いを終わらせたのだ。

「ヒロインを再起不能リタイアさせると主人公の攻略が始まらないからな、この程度でいいだろう」

大分好感度も下がったし、周りの人達の警戒の眼も中々に良い。

後はこの流れを3年間続ける事だ、悪役貴族として、今後登場するヒロインは全員敵な為、主人公とのイベント時以外は極力関わってはいけない。

「たく、メイディ!コイツを保健室に連れて行くぞ!」

「かしこまりました」

——————————————————————
今年もよろしくお願いします🙇
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