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第2章 前途多難な1年目
第85話 頼むから離れてくれ
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「いや、彼女のいう通りですよ」
「え?」
シャルと問答しているとリュークがこちらにやって来る、ちょうど良い彼を盾にしてここから離れるとしよう。
「何でだ?」
「折角の学園生活なのに友達を作らないのは間違っています」
「そうなのか?」
「はい、その友人関係がいずれ自分の為になると思います」
確かにリュークの言う通りかもしれない、しかしコチラとしてはそれが最もいらないものなのだ。
「なら、お前にやるよ」
「え?」
リュークとこの物語の主人公、シャルはそのヒロイン、悪役貴族である自分は今この場で最もいらない人間だ。
「友好関係がその後の人生に役に立つと言うのなら、平民のお前がそいつと友達になればいい」
「そ…それは」
「王族であるフィオナ、この国で3家しかない公爵家の人であるミオ、たかだか平民風情が簡単になれるはずもない友達になれているんだ、これ以上にない後ろ盾だろ」
よくよく考えるとゲーム序盤で国のトップである王族と公爵家の3人と面識がある時点でかなり凄い事なのだが、リュークの凄さはこんなヤバい人たちがいるのにさらにヒロインを落として行く所だ。
普通に考えてヤバい事をしているのだ。
「更にそこにいる公爵家の娘と友達か彼氏にでもなればお前は平民から大出世出来るかもしれないぞ?」
「そこまでは無理ですよ…たかが平民が貴族と交際するなんて…」
「だろうな」
前にも言ったが、身分と言うのはそれに見合った責務を果たさないといけない、
それを放棄して私利私欲のために動く奴はいつか断罪される。
「お前が貴族と交際出来るようになるには、それに見合った功績を残さないといけないからな」
「功績…」
そう、ゲーム上でも貴族と交際する場合は周りにバレないようにしていたし、堂々とやり始めたのは勇者となった後からだ。
(とは言えゲーム上『いやバレるだろ』的な展開は多々ある)
「そうだなぁ、貴族達の賄賂や不正を暴き国に貢献するとか…な?」
「な!?」
「ちょ!?」
その言い方だと、貴族達はそう言う事をしていると言っているような感じだが、別に嘘は言ってない。
「なんだ?言われて何か困る事なのか?むしろ祖国に蔓延る埃を綺麗に掃除する事が出来るじゃあないか」
「クロウ様!その言い方だとここの貴族達はそう言う事をしていると公表しているようなものですよ!」
「そうだよ!ボク達貴族の不信感が高まるだけだよ!」
何を言っているんだ?リュークとシャルはそう言って酷く慌てているが、それがよくわからない。
「その程度で不信感が高まるって事は、そもそも国民の不満が溜まっている証拠だろ」
そしてこちらに近づいて来るフィオナに対して、堂々と喋る。
「その責任は考える知能のない貴族と、それを黙認している王族の責任だ、それが嫌なら不正や汚職を裁き、この国の汚れを落とす必要がある」
つまりは今後そう言う事をする自分に対して情けなどはいらない、主人公としてやるべき事はしっかりとやる。
そう言った情は自分の身を滅ぼすだけだ。
「そうね、もし本当にそれがあるのならした方がいいわね」
「あたくしもそう思います、ですからクロウ君?」
「ん?」
フィオナとミオが珍しく(と言うわけでもないが)クロウの意見に賛同して両肩に手を置く。
「私達と一緒に汚職の件を調べてくれるわよね?」
「貴方が言い出したんだから了承してくれるよね?」
「断る」
何を言い出すかと思えば、自分は平民が貴族と付き合う場合、それなりの成果を出さなければならない、その一つとして国に貢献する事を提案しただけだ
別に自分はこの国がどうなろうが知ったことではない、どうせ自分は追放されるのだからわざわざ助ける意味なんてない。
「やりたかったら自分達で勝手にやってくれ、俺はもう帰る」
そう言ってクロウは寮へと向かう、これ以上彼女達の側にいると良からぬことが起きそうなので今日はこれくらいにしておく。
——————————————————————
続く
「え?」
シャルと問答しているとリュークがこちらにやって来る、ちょうど良い彼を盾にしてここから離れるとしよう。
「何でだ?」
「折角の学園生活なのに友達を作らないのは間違っています」
「そうなのか?」
「はい、その友人関係がいずれ自分の為になると思います」
確かにリュークの言う通りかもしれない、しかしコチラとしてはそれが最もいらないものなのだ。
「なら、お前にやるよ」
「え?」
リュークとこの物語の主人公、シャルはそのヒロイン、悪役貴族である自分は今この場で最もいらない人間だ。
「友好関係がその後の人生に役に立つと言うのなら、平民のお前がそいつと友達になればいい」
「そ…それは」
「王族であるフィオナ、この国で3家しかない公爵家の人であるミオ、たかだか平民風情が簡単になれるはずもない友達になれているんだ、これ以上にない後ろ盾だろ」
よくよく考えるとゲーム序盤で国のトップである王族と公爵家の3人と面識がある時点でかなり凄い事なのだが、リュークの凄さはこんなヤバい人たちがいるのにさらにヒロインを落として行く所だ。
普通に考えてヤバい事をしているのだ。
「更にそこにいる公爵家の娘と友達か彼氏にでもなればお前は平民から大出世出来るかもしれないぞ?」
「そこまでは無理ですよ…たかが平民が貴族と交際するなんて…」
「だろうな」
前にも言ったが、身分と言うのはそれに見合った責務を果たさないといけない、
それを放棄して私利私欲のために動く奴はいつか断罪される。
「お前が貴族と交際出来るようになるには、それに見合った功績を残さないといけないからな」
「功績…」
そう、ゲーム上でも貴族と交際する場合は周りにバレないようにしていたし、堂々とやり始めたのは勇者となった後からだ。
(とは言えゲーム上『いやバレるだろ』的な展開は多々ある)
「そうだなぁ、貴族達の賄賂や不正を暴き国に貢献するとか…な?」
「な!?」
「ちょ!?」
その言い方だと、貴族達はそう言う事をしていると言っているような感じだが、別に嘘は言ってない。
「なんだ?言われて何か困る事なのか?むしろ祖国に蔓延る埃を綺麗に掃除する事が出来るじゃあないか」
「クロウ様!その言い方だとここの貴族達はそう言う事をしていると公表しているようなものですよ!」
「そうだよ!ボク達貴族の不信感が高まるだけだよ!」
何を言っているんだ?リュークとシャルはそう言って酷く慌てているが、それがよくわからない。
「その程度で不信感が高まるって事は、そもそも国民の不満が溜まっている証拠だろ」
そしてこちらに近づいて来るフィオナに対して、堂々と喋る。
「その責任は考える知能のない貴族と、それを黙認している王族の責任だ、それが嫌なら不正や汚職を裁き、この国の汚れを落とす必要がある」
つまりは今後そう言う事をする自分に対して情けなどはいらない、主人公としてやるべき事はしっかりとやる。
そう言った情は自分の身を滅ぼすだけだ。
「そうね、もし本当にそれがあるのならした方がいいわね」
「あたくしもそう思います、ですからクロウ君?」
「ん?」
フィオナとミオが珍しく(と言うわけでもないが)クロウの意見に賛同して両肩に手を置く。
「私達と一緒に汚職の件を調べてくれるわよね?」
「貴方が言い出したんだから了承してくれるよね?」
「断る」
何を言い出すかと思えば、自分は平民が貴族と付き合う場合、それなりの成果を出さなければならない、その一つとして国に貢献する事を提案しただけだ
別に自分はこの国がどうなろうが知ったことではない、どうせ自分は追放されるのだからわざわざ助ける意味なんてない。
「やりたかったら自分達で勝手にやってくれ、俺はもう帰る」
そう言ってクロウは寮へと向かう、これ以上彼女達の側にいると良からぬことが起きそうなので今日はこれくらいにしておく。
——————————————————————
続く
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