剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん

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第2章 前途多難な1年目

第87話 ちかれた(疲れた)

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~寮部屋~

「ハァァァァ」

「お疲れ様です、クロウ様」

これが2日目、関係を破壊するには十分な日にちだが、ここまで精神的に疲れるなんて思いもしなかった。

「本当に疲れたよ、何なのアイツら」

「アイツら?リューク様達の事ですか?」

「それ以外ないでしょ?」

むしろそれ以外の人達もいたら本当に辛い、主人公の心の広さが攻略の鍵となるのだが、それを妨害する側としては中々動けない厄介な相手になる。

「はい、ですがクロウ様がそこまで苦労する相手とは思えません」

「フィオナがいるからな、他のユーナ達の様な教師陣は家庭教師の時の俺を知っているから色々と面倒くさいんだよ」

フィオナ達はまだいい(いや、このまま続けば駄目だけど)、この後今日までの自分と違うと思われても『本性を現した』で済む(と、思いたい)。

しかしラピナス達家庭教師の人達は何年間も共に暮らして来た、それを今更誤魔化すとなると高校生デビューならぬ学園デビューで変わったと思わせるしかない(実際にクロウが変わった理由の一つとして考えられているが…)。

「もう今更では?」

「リーゼ達はな?リューク達はまだ改善出来る」

「改悪の間違いでは?」

「…改悪か、そうだな、そっちの方がしっくりくるか」

そこら辺はどうでもいい、要は今の様な友人(と認めていないがその様な)関係のままだと
クロウの求める『ゲーム通り(に近い)悪役貴族の断罪』が出来ない。

「取り敢えず、その改悪を出来る様にする為には今の様な口の悪い貴族じゃ駄目だ…もっと悪役っぽい事をしないと」

「例えば何をするんですか?」

「…食事にむしや毒を入れるとか?」

「食堂に忍び込まないといけませんね」

更に言えばそのむしや毒は自分も食べないといけない、嫌がらせというよりも自殺行為だ。

「教材を盗む」

「仲の良い貴族が代わりに買ったり、新しく購入したりしますね」

教科書を破いたりしても同じ事だろう、日本の学校の様なイジメ環境や、周りに助けのいない平民なら出来るが、相手は王族も含まれている、嫌がらせ程度なら申し分ないだろう。

「教材を盗むはやろう、俺がやられても新しいのを買えば良いだけだ」

「流石は公爵家の息子ですね」

公爵家の息子がやる様な嫌がらせではないが、悪役なのだから仕方ない。

「トイレで水をぶっかける」

「女性トイレは無理ですね」

「そっか、俺は男だもんな、まぁリューク限定でやるか」

というかメイディもやってほしいが、多分やらないだろう、見守るとは言ったが手伝うとは一言も言っていない。

「これでやるべき事は2つ出来たな」

「しょうもない悪戯いたずらですけどね」

これが悪戯いたずらで済むのか疑問が残るが、学校とかでよくあるイジメを元にやるのならこれが良いだろう。

「他にもやるんですか?」

「後は階段から突き落とす」

「下手したら死にますよ?」

「頭打ったら不味いもんな却下」

それにいじめられっ子のに転生する話では階段から突き落とされて頭を打って意識不明の重体になっている事がある為、それは避けたい。

「アイツは学園を卒業したら勇者として魔王を倒す旅に出る、そんな奴が死んでしまったら世界は滅んでしまうよ」

「そんな人を敵に回そうとするクロウ様が1番勇者ですよ」

メイディの言う事にも一理ある、世界を救う勇者と分かっているのなら今のうちにコネ作りでもして倒した後に『チューリア家は勇者リュークと懇意の仲』と言えば、一族は安泰だろう。

「そうだな…でも俺はその道は行かないって決めているんだ」

「分かっています、だからこそわたしは貴方を支えると決めたんです、クロウ様の悪事には加担しませんが、止めたりもしません、あくまでもクロウ様の忠実な従者として貴方の側に一生居ます」

それが彼女の答えなのだろう、あくまでもクロウに使えるメイドとしてその責務を全うする、

クロウに加担すれば、それはメイドの仕事ではない、その誇りだけは捨てたくないのだ。

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介護の勉強と
車の免許の勉強の為、たまに投稿できない時がありますが、ご了承下さい。
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