剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん

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第2.5章 崩壊するゲーム

第131話 転生者達

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「その前に彼女の前で話してもいいんですか?…まぁ薄々分かりましたけど」

「ああ、良いんだリュークの考えている通りエムルは俺達と同じ転生者だから」

「よろしくな」

素の自分を曝け出す、リュークはそれに驚くが、これが本当の彼女なんだろうと理解して受け止める。

「はい、こちらこそよろしくお願いします」

「リュークは役に演じ切っているから終始こんな感じだけど気にしないでくれ」

「つまり、素の状態でこれ?」

エムルの問いにクロウは頷く、後々聞かれるより前もってこう言う人間だと伝え方が理解が早いし話が進む。

「そう言う事、そんでリュークの推しが今日転校してきたメジーナって子」

「あのヒロインの1人の?」

「そう、そのヒロインと今日接触して思った事があるから今日ここに来たんだ」

昼休みに会えたらこの事を相談しようと思ったのだが、会う事が出来なかった為、アポ無し訪問の様な事をしたのだ。

「リュークの推しなんでしょ?別に問題はないと思うけど…ヒロインなんだし」

これがモブキャラとか、ゲーム本編とかに登場しないでこの世界で初めて会った女の子に恋をしてしまったとかなら分かるが、攻略キャラクターなら何も問題ないはずだ。

と、そうエムルは思っているのだが、実はそうでもないのだ。

「問題があるから来たんですよ、彼女、ちょっと違うんです」

「違う?」

「はい」

「具体的に言って、何が違うの?」

「性格が捻くれているんだ…まだ100%の確定事項じゃないけどな?」

と、途中からクロウが説明してくれた、おそらくエムルも『おや?』と思ってくれただろう。

ねくれている?クロウみたいに?」

「自覚はしてるけど他人に言われるとなんかムカつく」

「それも個性だと思うんですが…」

『個性』の一括ひとくくりにしてもらっては困る…まぁクロウ自体は色々と助かると思うが、そのせいで対人関係はあんましよくないのだから。

「日本だとボッチになるからなぁ」

「正直に言って、(自分にとって)正しい事を言って、本当の事を言って、間違ってはいないけどクラスメイトから煙たがられる…本当に昔のクロウみたいね」

「人の黒歴史or心をえぐるのやめてくれない」

唯一の友達兼親友兼幼馴染み兼恋人兼婚約者のエムルにそう言う事を言われると流石に泣きたくなる…泣いていい?

「クロウ様の過去の様な感じじゃないですね…多分」

「多分」

「今の所はクロウ様に対して当たりが強い人っていう感じなんですよ」

クロウにだけ好意を向けていない、むしろ嫌悪感を見せてくる様な感じで、前世のクロウの様にひねくれているのかはまだわからない。

「でもさっきひねくれているって」

「確定事項じゃないんだ、でも初対面の相手でしかもゲームの様に悪評が広がっていない俺に対して態度が悪いとなると…」

「まぁ暫定的にって感じね」

ただし、性格は本編とは違うのは確実だ、最初の彼女は皆に対して優しく、クロウにも優しかった、それを無碍むげに扱って好感度を下げて嫌われるのだが、そんな事をまだしていないのにこの状態なのは流石におかしい。

「そんで、俺は彼女は俺達と同じ転生者なんじゃないかって考えている」

「「え?」」

「よく考えてみろよ…いや、考えなくてもいいけど」

「どっちやねん」

「兎に角、俺やリューク、エムルの様にこの世界に転生する人が他にいてもおかしくないと思うんだ」

たまたま死んで
たまたま日本人で
たまたまゲームの世界で
たまたまゲームの知識があって
たまたまゲームのキャラクターに生まれ変わっている転生している

明らかにおかしい

「転生なんて普通の人は信じないしね」

「死んだ後の事なんて誰も分かりませんよ」

「寝ている時の夢を見ないで寝るかの様に死に、夢を見る時の様に自分の記憶が(夢の内容によるが)ない様に生まれ変わるのか、そんなのは誰にも分からないからな」

ただ言えるのはこんな偶然が3回も起きていると言う事実だ、彼女メジーナも知っていれば今回の疑問の辻褄が合う。

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