領主にならないとダメかなぁ。冒険者が良いんです本当は。

さっちさん

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1章

2.

ミーナは自分の置かれた状況を整理した。
確か馬車で賊に襲われて隠れて卵に魔力を取られて、、、
そうだ、あの卵の子は?
あっ、影に入ってスヤスヤ寝てる。
アレ、従魔契約してないのになんでここに入れるの?魔力あげたから?種族は???

こそっと影を覗くとさっきの卵の子、種族名を検索すると黒竜、、、!!!
うわ、ドラゴンだ。
てことは、違法に手にいれてた?確かドラゴンの卵は所持するだけで犯罪のハズ。知らなかったでは通らない位に当たり前のことだし。
どうしよう。目の前の人にこの事伝えるべき。
でもそうすると、私に疑いがかかるかも。
それはヤバい。
かといって役人に説明するにもあの馬車はペストリア領主が運営するものだからそれはそれで卵の行方を追求され、この子を取られちゃう。
それも嫌だし。
どうしよう…

自分の考えに沈み混んでいたら、頭の上から声がした。
「どうした。大丈夫か。何処か具合が悪いか。随分な顔色してるが。」

この人を信用していいものかどうか悩んでいると

「俺はBランクパーティ【疾風の刃】リーダーのアルトだ。襲われてた馬車を助けに入ったが生憎生存者の賊には逃げられた。今、仲間がペストリア領マース街まで後処理の役人を呼びに行っているから、そいつが戻ったら知っている事を役人と俺たちに説明してくれるか。一応、通りすがりの成行だか、王都のギルドには報告したいし。どうだ。出来るか。その後、あんたは役人と共にマース街に行く事になると思うが。だいたい、そんな歳で一人か。何処に行く予定だった。保護者も一緒だったのか。」

矢継ぎに色々聞いてくるがとりあえずはこの人が助けてくれてこの後、私は役人に引き渡され、この人は仲間と王都に向かうと言うことか。
あぁ、まだ頭がフラフラする。
でも、役人は不味いかな。この人にお願いしてみようか。
「助けてくれてありがとうございます。私はミーナ。一応冒険者で王都に向かう為馬車に乗っていました。さっき何が起きたか説明は出来るけど役人に話すのはちょっと躊躇う事情があるので、、、もしこのまま王都に向かうなら私も一緒に連れて行ってもらえませんか。王都の知人を訪ねる予定でその人に会えたら今回の事ちゃんと説明するので。」
お礼と挨拶とお願いをまとめて話してみた。

少し思案顔でアルトと名乗った青年は
「役人に説明できないのはどうしてだ。そんな事を言われたら尚更怪しいし、、、その、王都の知人は信用出来る人か。もし、何か企んで隠し事してるだけなら容赦しないぞ。どうなんだ。」
「お、王都の知人はギルド職員なんで信用出来ると思います。さっき王都のギルドに報告するって言うからそれならそっちのが良いかと思って。役人には貴方の知り合いと言う事にしてもらえたら変に探られないかなと。ダメですか。」

もう一度お願いしてみたら、渋々ながらアルトさんは了解してくれた。
「但し、役人が信用してくれたらだけどな。」
嫌な一言と共に。

そんなやり取りをしていると、馬が近づいてきた。
「ロトだ。あれが一応仲間だ。
 おい、どうだった。」

「あぁ、もう少ししたら役人達がこっちに到着する。
そしたら引渡して終了だ。で、ガキはどうするんだ。」

アルトはロトに先程の話を説明し、此方を向いた。

「わかった。お前がそれで良いのなら。
ガキよ、ミーナと言ったか。とりあえず王都までは連れて行ってやるからこれから役人と話している間は声を出さずに大人しくしとけ。わかったな。」

私は無言で頷いた。

役人が到着し、粗方の引き継ぎが終わった後、私達は馬で出発する事となった。
「では、アルトさんがこの子供を王都まで送り届けるとの事でよろしいのですね。」
「あぁ、たまたま知り合いの子だったので一緒に王都へ戻ろうと思う。もし、この子に何か訪ねたい事があるなら、ギルドを通して連絡してくれ」
それだけ言い残してその場を離れた。

「今から馬で走れば夕方門が閉まるまでには王都に到着するだろう。少しスピードを出すから馬上から掘り出されない様しっかり捕まってろ。」
アルトさんの前に乗せてもらい、念のためいのち綱を繋がれた。
「はーい。よろしくお願いします。」
二匹と三人は走り出した。
しばらくは慣れない二人乗りにソワソワしていたが30分もするとすっかり気持ちも落ち着き、気がついたら睡魔に襲われ寝息を立てていたミーナ。
中々の神経の持ち主だ。

それから走る事数時間。
王都の門が見えて来た。
「おい、着いたぞ。身分証がいるから起きろ」
ロトの怒鳴り声でミーナは強制的に現実に引き戻された。
門は何の問題もなく通り抜け、少し開けた所で二匹の馬は脚を止める。

「俺は拠点に先に帰るから後は頼む。アルトお前の馬はどうする。連れて行くか。」
「いや、預けるのも厄介だし、家に戻してくれ。」
「わかった。じゃあ後はよろしく。」
ロトはとっととこの場から離れていった。

「さぁ、ミーナ。ギルドに行くぞ。仮眠して少しはマシになったか。」

アルトさんは一応私の事を気遣ってくれている様で少し嬉しいのだが、何故か馬から下ろしてもらう時抱っこされたまま下ろして貰えない。恥ずかしい。
「アルトさん、自分で歩くから下ろして。こんな人が沢山いるとことかで抱っこなんではずかしいよぉ。」

さっきから何回となくお願いしても人が多くてどうせ歩いていてもすぐに人混みに揉まれるだけとかで下ろして貰えない。
こんな終わりのないやり取りをしているとギルドらしい建物に到着した。
「ここが王都の冒険者ギルドだ。ますはギルマスの所だ。そこにミーナの知人を呼んでもらって話を聞かせてもらう事にするよ。良いね」
私は無言で頷いた。
但し抱っこのまんまで。
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