領主にならないとダメかなぁ。冒険者が良いんです本当は。

さっちさん

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1章

35.

昨日ダンジョンから帰ったばかりだと言うこともあり今日は休養日。お天気が良いので庭に従魔を出して遊ばせている。もちろん黒白も一緒だ。
私はハンモックでダラダラしながらその様子を見ていた。
「ミーナ、ちょっと良いか」
アルトが庭にやってきた。
「珍しいね。こっちにくるのは。どうしたの?」
そもそも部屋にもほとんど訪ねてこないのにわざわざ庭までくるなんて、何か急ぎの用事でもあるのかな
「あぁ、部屋にと思ったんだが庭で遊ばせてるのが見えたから此方にまわってきたんだ」
とりあえずの話を聞くとダンジョンに行く前、アルトの両親から新年の夜会に一緒にどうですかとのお誘いがあったらしい。それを王都に帰ったら返事をもらってくる様に言い使っていたとの事。今から実家に行くらしく聞きに来たらしい。私は微妙な表情になってしまった。
「実は私も屋敷の方からどうするのか返事を急かされているの。前回は両親の喪に服す形で不参加だったのだけれど今回は断る理由も見つからなくて。でも、叔父さんと行くと絶対に放ったらかしにされて好奇心の目に晒されるでしょ。それが面倒で、かといって他に知り合いもいないしなぁ」
アルトも苦笑いだ。彼も本当なら不参加をもぎ取りたい。しかし、今回ナタリア伯爵が侯爵に昇格するとの事で授与式がある。それには家族も揃って参加するのが習わしとの事。なんとも返事がしがたい。
「アルトさんはすぐに出かけるの?」
「いや、夕方に向かう予定だから今すぐ出る訳ではないが」
「じゃあ、叔父さんのところに着いてきて」
自分で答えが出せないので叔父に相談する事にした。
ギルドにやって来た。受付でギルマスの所在を確認すると部屋にいてるとの事でそのまま二階へ。叔父のところに到着した。
とりあえず相談してみた。
「そうだな。ミーナは面倒かもしれんが一応公爵なんだし流石に欠席は不味いと思うぞ。なんならアルトにエスコートしてもらったらどうだ。まあ、奴に群がるお嬢様方の牽制にもならんがな、なんせ子供だし」
叔父は笑いアルトは苦笑い。
「そんな事したらアルトさんに迷惑だと思うけど」
素直に答えてみたが、更に叔父は大笑い。
「ミーナ、両親にはお前をちゃんとエスコートして連れてくる様に言われてな。まだ、子供なんだし大人に揉みくちゃにされるのも可哀想だとか。強制はしないがその方が良いと思うなら相手くらいするぞ」
そうなんだ。それは有難い。知らない人ばかりだと要らない気を使うからしんどいしかといって同じ歳頃の子供と居るのも疲れる。
「じゃあそうして貰おうかな」
話はまとまった。当日アルトが屋敷まで迎えに来てくれる。ついでに数日中には勉強も兼ねてアズベリーの屋敷に移動し、しばらく帰らない事も伝えておいた。
用事も済んだのでギルドを後にする。アルトはこのまま実家に行くそうなので私は拠点に帰ることにした。

数日後、今日はアズベリーの屋敷に移動する。アルトが場所の確認がてらついて来てくれた。黒白も一緒に連れていく。
屋敷の門をくぐるとゴンドラが出迎えてくれた。
黒白を馬番に預け、取り扱いの注意を伝える。
「ちゃんと言うこと聞くのよ」
一応、言い聞かせてから屋敷に入った。
「おかえりなさいませ。ミーナ様。ご一緒のお方はお客様でしょうか」
「ただいま。今日帰るって言ったら送ってくれたの。【紫】のリーダーのアルトよ」
「これはこれは。わざわざありがとうございます。私、ここの屋敷の仕えておりますゴンドラと申します。どうぞよろしくおねがいします。立ち話もなんですし、お時間が大丈夫でしたらサロンでお話になっては如何でしょうか」
二人共サロンに移動する。
ソファに落ち着くと見計った様にお茶が出てきた。
「ゴンドラ、こないだ話ていた夜会の件だけどアルトさんにエスコートしてもらう事になったわ。当日までに準備をよろしくね」
「かしこまりました」
一礼し、サロンから出ていった。
アルトの方を見るとなにやら思案顔だ。
「どうかしましたか」
「いや、もしかして拠点の裏の森と此方の森が繋がってるのじゃ無いかと思って。位置的にはそうなる筈だが心辺りはあるかい」
言われて少し考えてみたが分からない。ゴンドラを呼んで聞いてみた。
「左様でございます。あそこは元々この屋敷のはなれになっておりましたが長く使用する事が無かったのでエドワード様が借家としてお貸しになられました。その時に森の中に結界を施しましたので森から此方に抜けて来ることはできません。ミーナ様でしたら結界を気にせず行き来は可能かと思いますが」
知らなかった。拠点と我が家が同じ敷地内とは。びっくりしすぎて唖然とする。アルトも流石に驚いていた。
「あはは、今度からは黒白で森を抜けて行き来するわ、私」
そんな答えが出てきた。
アルトが帰ったので執務室で書類に目を通す。
扉からノックの音がした
「どうぞ」
入室を促すとヤックルとトーマスが入ってきた。
「ミーナ様、ご無沙汰しております」
ヤックルの方は久しぶりだ。二人は私が帰宅したのでわざわざ挨拶に来てくれたとの事。
そのまま、しばらくオーロラの定期便の事やマースの焼物の事などはなしをした。明日からはトーマスのお勉強が始まる。それだけではなく夜会に参加するのめマナーについても復習を兼ねて時間を取る事になった。
こうして屋敷に戻ってからはひたすら忙しく過ごす羽目になったのだ。
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