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1章
38.
今日は朝から屋敷で新年の会議だ。
各管理者と去年の収益から今年の予算を決めていく。
私は各街の報告書に目を通した。
私を横に大人達は話を進めていく。今回から加わった2つの街に話が集中している様だ。街の特産物や産業についての確認、予算決めをしている。
あらかた方向性が決まった様で叔父がオーロラとマースの予算表を作成し私のところに差し出した。
一通り目を通す。
「今年はこれで行こうと思うが何かあるか」
「そうですね。オーロラとマースはとくに問題ないかと思います。ベルサについてはオーロラとマースへの街道補修をお願いしたいのでそこの予算を少し上乗せしましょう。」
「かしこまりました。後は大丈夫ですか。」
「事業としての予算は大丈夫です。後はそうですね、リンダの教育費と交遊費が他に比べてかなり高額に感じますが何故かしら」
先程から気にはなっていた点を口にする。他の街に比べて倍以上の金額になっているのはおかしい。叔父が言葉を続ける
「確かに。ノルトラ殿、説明頂けますか」
「はい。我が街に置いては教育の対処も多く他に比べて投資も多くなります。また、となりがグレントロク領と他領の為、会議や交友に些か費用が嵩むのが現状であります。故に毎年少し多い目に予算わ組ませてもらってます。」
この人、毎年こうやって口先だけで誤魔化してきたのだろう。前公爵、要は御父様はこういった書類事を苦手としていたから多分今までは言われるがままの予算だったはず。でもね、今年はこのままにするつもりは無い。叔父とも打ち合わせ済みだ。
「ノルトラ殿、まず此方の調べでは其方の街の教育対象者は他の街に比べて少ないはずた。これだけの予算は必要ないと思う。ましてや子爵家の収支報告書によると自身の子供の教育費が必要経費の五分の一しか使われていない。街の運営予算から費用をあてているように感じるが。そちらの家庭内に口を挟むつもりは無いが服飾装飾品に掛けている金額が篦棒に高額なのも気になる。姉の金遣いの荒さは承知だが不足の金額はどこから出ているのか。子爵家だけで見るとかなりの赤字だか埋め合わせはどの様に行っているのか疑問に感じる。グレントロク領との合流についても詳細の報告書がない為内容が不明確すぎて怪しい。よって今年の予算は他の街と同じに下げさせてもらい、合流については随時報告書を提出いただきたい。何か異論はございますか」
叔父の話にリンダ子爵は悔しそうな顔になる。
「私の一存では決めかねる為、一度相談したいのですが」
時間稼ぎに出てきた。仕方がないので口を挟む
「此方からの決定ですので従っていただきます。」
「そ、それでも。大体、ムートンの収支も疑問点があるではないですか。領主予算が他より高く第一に公爵本人の必要経費の報告書はない。一体どこの金でどの様に使って生活しているかも不透明では此方としては信憑性に掛けるのですが」
自分の事を棚上げして此方のことをグチグチ言ってきた。これも想定内なのできっちり説明してあげる
「ムートンの領主予算は私の代理である叔父に6割を渡しています。叔父の収支については報告の義務が無いのでここにはありません。また、残りの4割は予備費用として領地の預金に回ってます。私自体の生活費は自身で稼いだお金で十分足りてますし、個人での収入に報告の義務はございませんのでここには明記しておりません」
「子供の稼ぎなんて知れてるのに生活が出来るわけがない。嘘偽りも大概にしていただきたい」
リンダ子爵が勝ち誇った様に此方に向き直った。
「あら、リンダ子爵はご存知ないのかしら。わたしがAランクパーティ【紫】のメンバーで冒険者としてはかなりの収入を得てる事を」
子爵は悔しさで顔を歪める。
「そう言う事だ。今年の其方の予算は他の街と足並みを揃えるからそのつもしで。公爵は貴方に比べて収入もかなりしっかりしている。心配には及ばない」
今年の新年の会議は終了した。
叔父以外の人が部屋から出たので改めて話をすることにした。
「やっぱり街の予算から色々やらかしていたみたいですね。今年は調査が必要かしら。」
「だな。ミーナは、学園に行く事だし、そちらからハルトの情報収集を頼むわ」
「あら、一応まだ試験が終わってないので合格したらとだけいっておきますね。ところで午後からアルト達とタントスの件でギルドを訪ねますのでよろしくお願いしますね」
「あぁ、アルトからも連絡を貰ってるからこの後ギルドにいって準備しておく」
そう言い残して出掛けて行った。
私はとりあえず拠点に移動してアルト達と合流。最終的な打ち合わせをしてギルドに向かった。
ギルドに到着してとりあえずは受付に声をかける。執務室に行く様にとの事でそちらにむかった。
「「「失礼します」」」
中に入ると叔父とタントスがソファに座っていたので前に腰掛けた。
「では、早速ですがパーティからの返事をさせてもらいます」
アルトが代表してタントスの評価について話を進める。実力的には問題がない事。しかし、パーティ内の調和に問題がある事。それが故に今回の正式加入は認められないとタントスに伝える。するとタントスの表情がどんどん険しいなっていき大きな声で反論してきた。
「納得いきません。実力がある俺は加入出来なくてだががポーターのガキがパーティに所属なんてどうかしてると思います」
タントス以外の面々が顔を顰めた
「お前のそう言う所がウチのパーティには不向きだと言っているんだ。わからずやが」
ロトが珍しく大きな声を出した。
その時、激しくドアがノックされ、職員が転がり込んできた。
「ギルマス、緊急事態です。グレントロク領でケルベロスが発生したと報告が、ありました。至急に対策を」
部屋に緊張の糸が張った。
「なに、直ぐに偵察隊を送り込む。何体の出現だ。街から近いのか」
「はい、確認したのは一体との事、街まで20キロ位のところで冒険者が目撃し、報告がきた様です」
「わかった、一体ならとりあえずまだマシだ。【紫】よ、偵察に直ぐ向かってくれ。相手はAクラスの強者だ。一体なら討伐隊を組めばなんとかなるだろう。現地に着いたらとりあえずは刺激せずに場所を報告、討伐隊の到着まで動向の見張りをたのむ」
私達は急いで拠点に戻り出発することにした。
各管理者と去年の収益から今年の予算を決めていく。
私は各街の報告書に目を通した。
私を横に大人達は話を進めていく。今回から加わった2つの街に話が集中している様だ。街の特産物や産業についての確認、予算決めをしている。
あらかた方向性が決まった様で叔父がオーロラとマースの予算表を作成し私のところに差し出した。
一通り目を通す。
「今年はこれで行こうと思うが何かあるか」
「そうですね。オーロラとマースはとくに問題ないかと思います。ベルサについてはオーロラとマースへの街道補修をお願いしたいのでそこの予算を少し上乗せしましょう。」
「かしこまりました。後は大丈夫ですか。」
「事業としての予算は大丈夫です。後はそうですね、リンダの教育費と交遊費が他に比べてかなり高額に感じますが何故かしら」
先程から気にはなっていた点を口にする。他の街に比べて倍以上の金額になっているのはおかしい。叔父が言葉を続ける
「確かに。ノルトラ殿、説明頂けますか」
「はい。我が街に置いては教育の対処も多く他に比べて投資も多くなります。また、となりがグレントロク領と他領の為、会議や交友に些か費用が嵩むのが現状であります。故に毎年少し多い目に予算わ組ませてもらってます。」
この人、毎年こうやって口先だけで誤魔化してきたのだろう。前公爵、要は御父様はこういった書類事を苦手としていたから多分今までは言われるがままの予算だったはず。でもね、今年はこのままにするつもりは無い。叔父とも打ち合わせ済みだ。
「ノルトラ殿、まず此方の調べでは其方の街の教育対象者は他の街に比べて少ないはずた。これだけの予算は必要ないと思う。ましてや子爵家の収支報告書によると自身の子供の教育費が必要経費の五分の一しか使われていない。街の運営予算から費用をあてているように感じるが。そちらの家庭内に口を挟むつもりは無いが服飾装飾品に掛けている金額が篦棒に高額なのも気になる。姉の金遣いの荒さは承知だが不足の金額はどこから出ているのか。子爵家だけで見るとかなりの赤字だか埋め合わせはどの様に行っているのか疑問に感じる。グレントロク領との合流についても詳細の報告書がない為内容が不明確すぎて怪しい。よって今年の予算は他の街と同じに下げさせてもらい、合流については随時報告書を提出いただきたい。何か異論はございますか」
叔父の話にリンダ子爵は悔しそうな顔になる。
「私の一存では決めかねる為、一度相談したいのですが」
時間稼ぎに出てきた。仕方がないので口を挟む
「此方からの決定ですので従っていただきます。」
「そ、それでも。大体、ムートンの収支も疑問点があるではないですか。領主予算が他より高く第一に公爵本人の必要経費の報告書はない。一体どこの金でどの様に使って生活しているかも不透明では此方としては信憑性に掛けるのですが」
自分の事を棚上げして此方のことをグチグチ言ってきた。これも想定内なのできっちり説明してあげる
「ムートンの領主予算は私の代理である叔父に6割を渡しています。叔父の収支については報告の義務が無いのでここにはありません。また、残りの4割は予備費用として領地の預金に回ってます。私自体の生活費は自身で稼いだお金で十分足りてますし、個人での収入に報告の義務はございませんのでここには明記しておりません」
「子供の稼ぎなんて知れてるのに生活が出来るわけがない。嘘偽りも大概にしていただきたい」
リンダ子爵が勝ち誇った様に此方に向き直った。
「あら、リンダ子爵はご存知ないのかしら。わたしがAランクパーティ【紫】のメンバーで冒険者としてはかなりの収入を得てる事を」
子爵は悔しさで顔を歪める。
「そう言う事だ。今年の其方の予算は他の街と足並みを揃えるからそのつもしで。公爵は貴方に比べて収入もかなりしっかりしている。心配には及ばない」
今年の新年の会議は終了した。
叔父以外の人が部屋から出たので改めて話をすることにした。
「やっぱり街の予算から色々やらかしていたみたいですね。今年は調査が必要かしら。」
「だな。ミーナは、学園に行く事だし、そちらからハルトの情報収集を頼むわ」
「あら、一応まだ試験が終わってないので合格したらとだけいっておきますね。ところで午後からアルト達とタントスの件でギルドを訪ねますのでよろしくお願いしますね」
「あぁ、アルトからも連絡を貰ってるからこの後ギルドにいって準備しておく」
そう言い残して出掛けて行った。
私はとりあえず拠点に移動してアルト達と合流。最終的な打ち合わせをしてギルドに向かった。
ギルドに到着してとりあえずは受付に声をかける。執務室に行く様にとの事でそちらにむかった。
「「「失礼します」」」
中に入ると叔父とタントスがソファに座っていたので前に腰掛けた。
「では、早速ですがパーティからの返事をさせてもらいます」
アルトが代表してタントスの評価について話を進める。実力的には問題がない事。しかし、パーティ内の調和に問題がある事。それが故に今回の正式加入は認められないとタントスに伝える。するとタントスの表情がどんどん険しいなっていき大きな声で反論してきた。
「納得いきません。実力がある俺は加入出来なくてだががポーターのガキがパーティに所属なんてどうかしてると思います」
タントス以外の面々が顔を顰めた
「お前のそう言う所がウチのパーティには不向きだと言っているんだ。わからずやが」
ロトが珍しく大きな声を出した。
その時、激しくドアがノックされ、職員が転がり込んできた。
「ギルマス、緊急事態です。グレントロク領でケルベロスが発生したと報告が、ありました。至急に対策を」
部屋に緊張の糸が張った。
「なに、直ぐに偵察隊を送り込む。何体の出現だ。街から近いのか」
「はい、確認したのは一体との事、街まで20キロ位のところで冒険者が目撃し、報告がきた様です」
「わかった、一体ならとりあえずまだマシだ。【紫】よ、偵察に直ぐ向かってくれ。相手はAクラスの強者だ。一体なら討伐隊を組めばなんとかなるだろう。現地に着いたらとりあえずは刺激せずに場所を報告、討伐隊の到着まで動向の見張りをたのむ」
私達は急いで拠点に戻り出発することにした。
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