領主にならないとダメかなぁ。冒険者が良いんです本当は。

さっちさん

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1章

39.

私達は早馬でグレントロク領のグルト街に向かった。
ここのギルドからケルベトスの報告があったのだ。
「とりあえずギルドに向かうぞ」
アルトに着いて馬を走らせる。
到着後すぐにギルマスを尋ねた。
「王都ギルドよりきた【紫】です。現状をお聞かせください」
ギルマスの話によるとここから国境に向かって20キロ付近の森の中でケルベトスが移動しているのが目撃された。特にどちらに向かっていりとかではないらしく、おそらくまだ、近くにいるだろうとの事。私達はギルドの通信魔道具をかりて現地に向かう事にした。
「対処を発見したら連絡します。王都ギルドへの伝達をよろしくお願いします」
ギルマスに後の事をお願いし、馬をはしらせた。
ケルベトスは刺激さえしなければいきなり襲ってくることはない。とりあえず場所を特定し、討伐隊が到着するまで待機だ。
ギルドから聞いた道を森に沿って走る。
しばらくして、森の入口に到着した。
ここからは馬を置いて歩きになる。
黒白達はどこかに繋がなくても逃げないし、自分の危険には気付いて対処する。後で馬笛を使えば簡単に戻ってきてくれるので置いていくことは心配ではない。
馬から降りて森の奥へと進んだ。
「おい、アルト。さっきからついて来てるアイツはどうする」
険しい表情のロトが口にする。私も気づいてはいたが正直邪魔さえしないらないどうでもよかった。
「流石に下手な事はしないだろう。」
アルトも構う気はない様でほっとく事にした。
しばらく進むと少し開けた所にケルベトスがねているのが見える。
「いたな。ギルドに報告を飛ばして気づかれない様に待機だ」
魔道具を取り出そうとした瞬間、後からいきなりケルベトスに向かって走っていく馬鹿がいた。
開けた場所に飛び出たタントスは魔法を準備しながらも此方に怒鳴ってきた。
「こんな奴、俺一人で充分倒せるんだ。」
止める間もなく魔法をケルベトスに打ち込んだ。するとそれに気づいたケルベトスは呆気なく魔法を弾き、タントスに向かって魔力弾を撃ち込んだ。まともに食らった奴は近くの岩に叩きつけられた。
「おまえ、なにするんだ‼︎そんな弱っちい魔法が当たるか‼︎アルト、ケルベトスに気づかれたぞ‼︎」
大きな顔が三つ此方に向いた。
「とりあえずやるしか無いか。ミーナ、防御を、ロト左の奴からいくぞ。
アイツは回復系だ。先に落とさないとキリがつかない」
私も準備する
「物理防御Lv8、魔法防御Lv8、アルト、ロト、ケルベトスはウォーターとサンダーの二段撃ちが有効だとお父様にきいたことがあるの。レベルMAXで撃ち込みたいから暫く攻撃を防いで、準備が、できたら声掛けるから」
私は右手にウォーター、左手にサンダーの魔法を準備する。その間も二人が私を護りながら攻撃する。間もなく魔法が仕上がった。
「二人ともどいて
ウォーターLv MAX、サンダーLv MAX」
大きな水球がケルベトスに直撃、その上から雷柱降り注ぐ。私のところまで下がってきた二人が目を見開いた。
「魔法防御してるからこのまま攻撃してもダメージない。左狩るよ」
私は躊躇わず双刀剣を握りケルベトスに向かって走った。先程の雷柱で真ん中の首以外の意識はない。下からアッパー気味に剣を抜くと半分位は切れた。続いてアルトが剣を振り抜き首は落ちた。
一度ケルベトスと距離を取る。今の痛みで右が目を覚ましていた。二つの首は同時に雄叫びを挙げた。
すると何処からかもう一体ケルベトスが現れた
「マジか、アイツは尾尻が赤いから雌の個体だ。てことは番いか。ヤバいぞ、流石に2体になったら」
ロトが厳しい顔で相手を睨む
「じゃあ、あの雌の方を私が抑えるから二人でこっちお願いで良いアルト?」
「大丈夫か、少し小さいとはいってもかなり大変だぞ。」
「色々呼んでなんとかするよ」
私は今出てきた個体に向き直りジンとガイヤを呼んだ
「物理、魔法防御Lv8。2人で私がシルフを呼んでる間お願い。無理はしないでね」
従魔達にとりあえず任せてシルフを呼ぶ

§§§聖なる力を宿す精霊よ。我が声、聞かんとするため、今ここに現れたる。風の王此処へと§§§

「我が友よ。久しいの。又々今回は面白そうな。どれ、ちと遊ぶとするか」
「シルフ、来てくれてありがとう。私に力を貸して」
「良い良い。任せておくのだ」
ジンとガイヤにシルフが加わった。
3人の攻防が続くのを横目で見つつウォーターとサンダーを準備する。
「みんな、どいて」
巨大な魔法を撃ち込んだ。ケルベトスはマトモに食らって左右の首が項垂れた。
尽かさずシルフが左を刈り取りそのままの勢いで右も刈り取った。
私は真ん中の首に向かって走る。
ガイヤとジンは飛び上がり上からの攻撃。私はアッパー気味にしたから剣を振った。
「やったー」
上手く首を落とせた。ケルベトスの体が光に包まれて魔石と素材のみになった。
「そっちは」
アルト達に向き直る。
丁度最後の首を落としたところだった。
「こっちも終わったぞ。」
「とりあえず回収してギルドに報告するか。しかし相変わらずの威力だな。ミーナ疲れてないか」
「大丈夫。シルフありがとう。また、お願いね」
「我が友よ。また、いつでも呼んでくれ」
言い残して姿が消えた。
「さて、アイツはどうする」
後方に視線を向けるとタントスが此方を向いて立ち上がった
アルトが一歩前にでる
「お前が見た目だけで物事を判断し、散々見下していたミーナがウチのパーティでは一番の実力者だ。そんな事も見抜けない奴は仲間に出来ない。とっとと失せろ」
タントスは森へと駆けて行った
私達はグルトに戻る事にした。
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