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2章
47.
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今日から本格的に授業が始まる。週明けの最初は午前が一般常識の座学、昼から必須の剣術、魔術、護身術に別れての合同授業だ。
午前の授業は特に問題なくおわり昼食後各授業場所に集合との事で剣術の行われる訓練所に向かった。同じクラスの子もいるが男の子ばっかり。他クラスを見ても女の子は一割程度だ。
時間になり、2人の先生が入ってきた。
「始めるぞ。先ずは自己紹介だ。俺は王宮騎士団のワグリアだ。2年前から学園で実技の講師をしている。でこっちが元王宮騎士団のハンスだ。コイツは次世代を育てたいとかで5年前から教師として学園に勤めている。他に今日は来てないが王宮騎士団から2名が講師として赴いていりからよろしくな」
「初めまして、授業を担当するハンスです。こちらのワグリアとは現役時代の腐れ縁で補佐をお願いする事になった経緯があります。が、一応私が授業を進めていきますのでどうぞよろしくお願いしますね」
お二人とも気さくで良さそうな人だ。
「先ずは個々の実力を見て班分けしていきます。あまり実力に差が有ると怪我してしまいますのでね」
この2人に向かって一人づつ打ち込めとの事か。現役の騎士なら手加減しなくても大丈夫かな。女の子は後になるみたいで他の子達と固まって男の子の様子をみる。
ワグリア先生は豪快な剣捌きだが流石は王宮騎士団。かなりの実力だ。ハンス先生の方を見ると無駄の無い動きで次々に生徒の剣を否して行く。まるで踊る様に剣を捌く人だ。50人程いた男子を汗ひとつかかずに二人は班分けしていった。
次に7人の女子だ。何故か背の順で呼ばれる。私は残念ながら1番最後だった。
「貴女で最後ですね。Sクラスのミーナさん。では、私の方に打ち込んでください」
ハンス先生がお相手してくれる様なので授業用の木でできた剣を構えた。
「あら、成る程。いつでもどうぞ」
「はい、よろしくお願いします」
私は右手で剣を持ちハンス先生に打ち込んだ。
最初の数打は此方も様子を見る。軽く避けられるのでスピードを上げる。せめて両手で受けさせたい。ハンス先生も最初は余裕が対応していたが徐々に眉間に皺がよる。
ワグリア先生も面白がって止めない。
一度間合いをとる。
「先生、ひとつ質問です。剣術の型を無視しても良いですか」
ニヤリとお伺いするとワグリア先生が乗ってきた
「おぉ、やれやれ。コイツに本気で打ち込め。怪我させても構わない」
「なにを貴方は言ってるのですか。ミーナさん、不本意ながらちょっと貴女の実力が気になるので今の提案に乗ります。どこからでもかかってきなさい」
「ありがとうございます。」
私は左手に剣を持ち替えた。愛刀に比べて少し長いが多分いけるだろう。刃先を下に構えスピードに乗せて打ち込んだ。
「な、」
ハンス先生、流石だ。難なく受けながす。面白がってどんどんスピードを上げていく。渾身の一打で振り抜くとガツンと大きな音がして私の剣が折れてしまった。但し、ハンス先生も両手で受け止めて額には汗を流している。
「あー、折れてしまいましたね。残念です。また、お願いします」
私は一歩さがり礼をした
「ガハハハッ。お前大したもんだな」
ワグリア先生に頭をぐちゃぐちゃに撫でられた。
「本当に、久しぶりに真剣になるところでした」
ハンス先生が汗を拭いながら声をかけてくれる。
まわりからは拍手が起こった。
「貴女は他の生徒とでは授業にならないでしょうから此方で直接指導する事にします」
「あ、はい。ありがとうございます。よろしくお願いします」
こうして授業も終わり寮に帰ろうと廊下を歩いているとハンス先生に呼び止められた。
「ミーナさん、少しお時間ありますか。よければお話お伺いしたいのですが」
「大丈夫です」
先生の執務室にいく様だ。
まあ、生徒の中に私みたいのがいてたら色々聞きたくもなるわな。
「此方へどうぞ」
一室の前で扉を開けて促されたので中にはいる。
ワグリア先生ともう一人男性が座っていた。
「初めまして、講師のコリンズです」
どうやら後二人のうちの片割れみたいだ。
「初めまして1Sのミーナです」
とりあえず挨拶をして腰掛ける。
う、此処のソファちょっと高い。飛び乗るように座ったら足が床に届かない。
それを見ていたコリンズ先生が笑い出した
「こんなに可愛らしい生徒の何にお二人は警戒されているのですか」
そこでハンス先生が今日の授業の事を説明した。最初は面白がって聞いていたコリンズ先生も段々真顔になる。怖い。
「成る程、ミーナさん、実は私達4人の中で一番の実力者がハンスなんです。私達と打ち合っても中々汗を流さないこの人がその状況までもって行かれるとなると・・・貴女いったい?」
「それもミーナさん、私は受けていたからわかるのですがアレで全力ではなかったですよね」
あら、バレてた。やっぱり元といえど王宮騎士団の人だわ。
「バレてましたか。すいません。手を抜いた訳ではないのですが早々に剣が折れそうだったので」
テヘッと謝るとワグリア先生に肩を掴まれて
「あれで本気じゃ無いとかどう言うことだぁ」
ガタガタ身体を揺らされて話すに話せない。
ゴンっ
ハンス先生が拳骨によって止めてくれた。
「そんな事したら話が出来る訳ないでしょ」
解放されたのでとりあえず話す事にした。
午前の授業は特に問題なくおわり昼食後各授業場所に集合との事で剣術の行われる訓練所に向かった。同じクラスの子もいるが男の子ばっかり。他クラスを見ても女の子は一割程度だ。
時間になり、2人の先生が入ってきた。
「始めるぞ。先ずは自己紹介だ。俺は王宮騎士団のワグリアだ。2年前から学園で実技の講師をしている。でこっちが元王宮騎士団のハンスだ。コイツは次世代を育てたいとかで5年前から教師として学園に勤めている。他に今日は来てないが王宮騎士団から2名が講師として赴いていりからよろしくな」
「初めまして、授業を担当するハンスです。こちらのワグリアとは現役時代の腐れ縁で補佐をお願いする事になった経緯があります。が、一応私が授業を進めていきますのでどうぞよろしくお願いしますね」
お二人とも気さくで良さそうな人だ。
「先ずは個々の実力を見て班分けしていきます。あまり実力に差が有ると怪我してしまいますのでね」
この2人に向かって一人づつ打ち込めとの事か。現役の騎士なら手加減しなくても大丈夫かな。女の子は後になるみたいで他の子達と固まって男の子の様子をみる。
ワグリア先生は豪快な剣捌きだが流石は王宮騎士団。かなりの実力だ。ハンス先生の方を見ると無駄の無い動きで次々に生徒の剣を否して行く。まるで踊る様に剣を捌く人だ。50人程いた男子を汗ひとつかかずに二人は班分けしていった。
次に7人の女子だ。何故か背の順で呼ばれる。私は残念ながら1番最後だった。
「貴女で最後ですね。Sクラスのミーナさん。では、私の方に打ち込んでください」
ハンス先生がお相手してくれる様なので授業用の木でできた剣を構えた。
「あら、成る程。いつでもどうぞ」
「はい、よろしくお願いします」
私は右手で剣を持ちハンス先生に打ち込んだ。
最初の数打は此方も様子を見る。軽く避けられるのでスピードを上げる。せめて両手で受けさせたい。ハンス先生も最初は余裕が対応していたが徐々に眉間に皺がよる。
ワグリア先生も面白がって止めない。
一度間合いをとる。
「先生、ひとつ質問です。剣術の型を無視しても良いですか」
ニヤリとお伺いするとワグリア先生が乗ってきた
「おぉ、やれやれ。コイツに本気で打ち込め。怪我させても構わない」
「なにを貴方は言ってるのですか。ミーナさん、不本意ながらちょっと貴女の実力が気になるので今の提案に乗ります。どこからでもかかってきなさい」
「ありがとうございます。」
私は左手に剣を持ち替えた。愛刀に比べて少し長いが多分いけるだろう。刃先を下に構えスピードに乗せて打ち込んだ。
「な、」
ハンス先生、流石だ。難なく受けながす。面白がってどんどんスピードを上げていく。渾身の一打で振り抜くとガツンと大きな音がして私の剣が折れてしまった。但し、ハンス先生も両手で受け止めて額には汗を流している。
「あー、折れてしまいましたね。残念です。また、お願いします」
私は一歩さがり礼をした
「ガハハハッ。お前大したもんだな」
ワグリア先生に頭をぐちゃぐちゃに撫でられた。
「本当に、久しぶりに真剣になるところでした」
ハンス先生が汗を拭いながら声をかけてくれる。
まわりからは拍手が起こった。
「貴女は他の生徒とでは授業にならないでしょうから此方で直接指導する事にします」
「あ、はい。ありがとうございます。よろしくお願いします」
こうして授業も終わり寮に帰ろうと廊下を歩いているとハンス先生に呼び止められた。
「ミーナさん、少しお時間ありますか。よければお話お伺いしたいのですが」
「大丈夫です」
先生の執務室にいく様だ。
まあ、生徒の中に私みたいのがいてたら色々聞きたくもなるわな。
「此方へどうぞ」
一室の前で扉を開けて促されたので中にはいる。
ワグリア先生ともう一人男性が座っていた。
「初めまして、講師のコリンズです」
どうやら後二人のうちの片割れみたいだ。
「初めまして1Sのミーナです」
とりあえず挨拶をして腰掛ける。
う、此処のソファちょっと高い。飛び乗るように座ったら足が床に届かない。
それを見ていたコリンズ先生が笑い出した
「こんなに可愛らしい生徒の何にお二人は警戒されているのですか」
そこでハンス先生が今日の授業の事を説明した。最初は面白がって聞いていたコリンズ先生も段々真顔になる。怖い。
「成る程、ミーナさん、実は私達4人の中で一番の実力者がハンスなんです。私達と打ち合っても中々汗を流さないこの人がその状況までもって行かれるとなると・・・貴女いったい?」
「それもミーナさん、私は受けていたからわかるのですがアレで全力ではなかったですよね」
あら、バレてた。やっぱり元といえど王宮騎士団の人だわ。
「バレてましたか。すいません。手を抜いた訳ではないのですが早々に剣が折れそうだったので」
テヘッと謝るとワグリア先生に肩を掴まれて
「あれで本気じゃ無いとかどう言うことだぁ」
ガタガタ身体を揺らされて話すに話せない。
ゴンっ
ハンス先生が拳骨によって止めてくれた。
「そんな事したら話が出来る訳ないでしょ」
解放されたのでとりあえず話す事にした。
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