領主にならないとダメかなぁ。冒険者が良いんです本当は。

さっちさん

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2章

54.

ファストと2人馬車に乗りながら学園に向かう。折角なので色々話をしてみた。
彼は幼少に両親を事故でなくし、孤児院に預けられたとか。
当時の領主、私のお父様に大層感謝しているとかで領土で働く為に学園に入学したらしい。
「ミーナ様にお仕え出来て光栄です」
素直な眼差しで此方に感謝を述べる。

明日の休みは特に予定も無いとか。折角なので街に誘ってみた。
「まだ、私1人では護衛も務まりません」
遠慮気味なので護衛をする必要はないから一緒に出かける様に誘う。今日ダンジョンへ一緒にいって気になったのだが武器や防具が、あまりよろしく無い。
自分で稼いで購入しているから仕方がないかも知れないが少々お粗末だ。
折角なので買い与え様と考える。
学園に到着したのでまた、明日と別れて寮に向かった。
翌日、約束の時間に待ち合わせ場所に向かうとラフな格好でファストが待っている。
「お待たせしました。今日はよろしくね」
挨拶を済ませて街にでる。今日は徒歩で出かけるのでそのまま並んで歩いた。
先ずは鍛冶屋に向かう。
「こんにちは」
店に入って改めてファストに事情を説明する。が、本人は恐縮してしまい、中々武器を選ばない。
「じゃあ私が選ぶよ」
面倒くさくので適当にファストが使え無い武器を選ぶ。流石に苦笑いして自分で選びますと漸く品定めを始めた。
「次は防具屋に行くよ」
此方は店に着くとさっさと選び出した。
武器、防具共に少々調整が必要だとかで後日受け取りになった。ファストが自分で取りにくると言うので支払いは済ませておいた。
「ミーナ様ありがとうございます。自分では中々買い替えられずにいてましたので。大事に使わせて貰います」
嬉しそうにお礼を述べる彼は余程嬉しかったのかニコニコしている。来週のダンジョン攻略には是非使用していただきたい。
従者の身なりを整えるのも雇い主の仕事だ。ついでに護衛の正装を作っておく様叔父から言われているのでファストを連れて仕立て屋に向かった。
「こんにちは、店主をお願いします」
仕立て屋に入って店番らしい人に伝える。
「本日、お約束はごさいますか」
言葉こそ丁寧だが態度が不躾だ。まぁ、こんな所に子供ふたりでは仕方が無いか。叔父から預かったオーダーシートを渡して再度店主をお願いする。
店番は中を確認して叔父のお使いと思ったか此処で待つ様言い残して店の奥へと入っていった。
暫くすると奥こら先程の店番と店主のアリゾナが出てきた
「アリゾナさん、こんにちは」
「ようこそいらっしゃいました。こんなところでお待たせして申し訳ございません。どうぞご案内いたしますのでそちらでお話をお伺いいたします」
思いの他、アリゾナの態度が丁寧なので先程の店番は不思議そうな顔でやり取りをみている。
「ソライヤ、此方のお方は大事なお客様です。失礼の無い様、ご案内して下さい」
ソライヤと言う従業員は慌てて案内をしてくれた。
二階に通されお茶を頂いているとアリゾナが職人を連れて入ってきた。
アレよと言ううちにファストの採寸が終わる
「ミーナ様の採寸もさせていただきます」
その言葉と同時に衝立が用意され、端から端まで採寸された。
今日予定していた買い物が終了した。
「本日は何から何までありがとうございました。」
ファストが深々と頭を下げるのでそれをとめる。
「お気になさらずに。往来でその様な態度では私のお忍びがバレてしまいます」
少し語尾を強くすると意図がわかったのか苦笑いする。
「そうでしたね。では学園に帰りましょう」
通り沿いの店を覗きながら学園へと帰宅した。
それから暫くは平和に学園生活を過ごす。週末は相変わらずファストとダンジョンに潜り戦力強化に挑む。
私はどちらかと言うとついて行ってるだけで特に何もしないせいかファストが魔獣から守ってくれる事も屢々。
漸くダンジョンクリアを成し遂げた頃、学園の遠征護衛の日が近づいた。
ファストは生徒として参加するらしく仕切りに私を護衛側に回して大丈夫かと心配する。
間違って私を守ろうとしない様によくよく言い聞かせ万が一にも行動に移したら見習いから排除すると脅しておいた。
青褪めたファストの顔は中々見ものだった。
「だから言っただろ。ファスト諦めろ。お前よりも遥かに実力があるミーナに敵うわけがない。大人しくして首にならない様、努める事だな」
ロトに慰め紛れにいじられる彼もそろそろ見慣れてきた。
「本当に危険が迫ってる時は邪魔だから絶対に近づかないでね」
コレがトドメだったか項垂れて了承を口にする。
明後日朝一に出発との事で私は拠点からアルト達と学園に向かう為ファストだけを帰らせた。
自室に戻り、防具や武器を確認し、従魔達を呼び寄せた。
今回の依頼に同行するか尋ねたが遠くからついてくるらしく、好きにさせる事にした。
翌日はゆっくり家で過ごしながら遠征用の食料を準備する。
当日、アルト達と学園に向かったのだ。
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