Red Assassin(完結)

まさきち

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6章 紅のナイトメア

57話 ナイトメア

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ルーン「ここは時間の路。私はルーン、時間の守護霊。」
レシア「ルーン…俺は戻って来たんだな。」
ルーン「何かあったのですか?」
レシア「いや…暫く此処に戻れずに何回も同じ時間の流れを繰り返していたんだ。」


レシアの話を聞き、ルーンは首を傾げた。


ルーン「そんな事例は聞いた事がありません。特に記憶が主要人物に共有されているなんて。」
レシア「そうだな…まあ戻って来れたのなら良いさ。」





※横話Gが解禁されました。現状でのエピローグを垣間見る事が可能になります。ただし、これがこの物語の最終的なエピローグではありません。レッドはこのエピローグを見た後、また時間の扉を開ける事になります。





レシア「それにしても…あそこに居るのは誰だ?ルーンの関係者なのか?」
ルーン「え、誰の事ですか?」


ルーンが振り向く。視線の先にはフードを被った男が座っていた。


男「…」
ルーン「これは…」
レシア「ルーンの知り合いか何かじゃないのか?」
ルーン「ある意味では知り合いかもしれません。しかし違うとも言えます。」

レシア「どういう意味だ?」
男「…俺とルーンが知り合わない世界線もあるって事だ。」
レシア「…誰なんだ、お前は。」
男「俺は…そうだな。ナイトメアとでも名乗っておこう。」


男…ナイトメアと名乗る男はゆっくりと立ち上がり、こちらへ歩いて来た。その手には剣が握られている。ルーンソードとよく似ているルーン鉱石でコーティングされているガンブレードだ。多少の形状は違うが…


悪夢「ナイトメアというのはコードネームみたいな物だけどな。」
レシア「…」


ナイトメアから殺気を感じる。油断すると今にも襲い掛かって来るんじゃないかと思える位の…


レシア「何か用なのか?」
ナイトメア「お前が首から下げているルーン鉱石を貸してほしいんだが。」
レシア「…!?お前、何でそれを知っている?」


ルーン鉱石の付いているネックレスはいつも服の内側に入れてある。戦闘などで切れてしまっては困るからだ。だからパッとしても気付く事は無い。ネックレスに気付いたとしてもその先にルーン鉱石が付いている事は絶対に分からないはずなのに…


ナイトメア「分かるさ。お前の事はな。」
レシア「何だ…?ストーカーって奴なのか?」
ナイトメア「そういう訳じゃ無いけど、まあルーン鉱石を得られるのであればストーカーでも何でも構わない。」
レシア「一応聞いておいてやるが、このルーン鉱石を借りてどうするつもりなんだ?」

ナイトメア「少し使用するだけだ。ちょっと封印を成したい奴がいてな。」
レシア「何だと?」
ナイトメア「ちゃんと返すさ。いつになるか分からないが。」
レシア「それを信用しろと?」

ナイトメア「別に信用を得ようとはしていない。力尽くで借りて行っても良いんだし。」
レシア「結局、元よりそのつもりだったんだろ?」
ナイトメア「さあ、な。」


レシアは剣を構える。殺してしまうべきか、取り押さえた方が良いのか…そう一瞬考えた間にナイトメアは剣を突き出して来た。


レシア「!?早い!」
ナイトメア「…へえ、今のをかわすのか。良い反応だ。」
レシア「いきなり攻撃しやがって。」
ナイトメア「構えたのはお前の方だ。」

レシア「そんな殺気だらけの状態で話し合いで終わるとは思えない。」
ナイトメア「そうだな。」
レシア「あまりしつこくすると殺すぞ。」
ナイトメア「お前では俺には勝てないよ。」


レシアはナイトメアに斬り掛かる。ナイトメアは攻撃を剣で弾いて返す刀で攻撃してきた。何とか後ろへかわして距離を取る。


レシア「こいつ…手加減しているな?」
ナイトメア「流石にそれ位は気付くか。まあそうでないとな。」
レシア「何で…?」
ナイトメア「別にお前を殺す事が目的では無いんでな。」

レシア「…あくまでこのルーン鉱石が目的って訳だな。」
ナイトメア「そういう事だ。」
レシア「だが、これを渡す訳にはいかん。」
ナイトメア「そうだろう。だからこうして戦っているんだ。」


ナイトメアは魔法を唱えた。ナイトメアを中心として闇属性の風が一体に吹き荒れた。レシアは吹っ飛ばされてしまう。


レシア「闇属性魔法だと?俺と同じなのか。」
ナイトメア「お前もいずれ使える様になるさ。」


ナイトメアは走り寄りレシアに斬り掛かる。レシアは剣でガードするが、もともとバランスが崩れてたこともあり弾き倒される。


レシア「く…こんな所で負けられるか!パワーホールド!」
ナイトメア「本気を出して来たか。」
レシア「それ位にお前は強いからな。」
ナイトメア「掛かって来い。それで俺に勝てると思うならな。」


レシアは気弾を放ちながらナイトメアに近付く。ナイトメアは気弾を捌きながらレシアの攻撃を剣で防いだ。


レシア「くっ!」
ナイトメア「なかなか良い攻撃だ。だが、まだまだだな。パワーホールド!」
レシア「な、何ッ!?」


パワーホールドを使用したナイトメアは鍔競り合い状態から一気にレシアを吹き飛ばした。


レシア「ナイトメア…お前まさか。」
ナイトメア「気付いたか?まあパワーホールドを使用したんだ、気付くわな。」
レシア「お前は…俺、なのか?」




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